これがおすすめ! ヤマハY-00B:Bricolage:ヤマハ発動機の原点をオマージュ【ジャパンモビリティショー2025】

2025.10.30 これがおすすめ! 沼田 亨
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ヤマハブースに展示されている「Y-00B:Bricolage」。
ヤマハブースに展示されている「Y-00B:Bricolage」。拡大

ジャパンモビリティショー2025から、自動車ライターの沼田 亨はヤマハのコンセプトサイクル「Y-00B:Bricolage」をおすすめの一台にピックアップ。スタイリングもメカニズムも文句なしだが、あとは“ヤマハのコンセプトモデル”の壁を破れるかどうかがカギだとか。

ベース車両となったクロスバイク風の「Y-00B:Base」。フレーム、バッテリーやドライブユニットなどは「Y-00B:Bricolage」と共通。
ベース車両となったクロスバイク風の「Y-00B:Base」。フレーム、バッテリーやドライブユニットなどは「Y-00B:Bricolage」と共通。拡大
繊細なデザインのツイン構成のトップチューブ。ダウンチューブの下にあるシルバーに輝いている部分が、USB-PDコンバーターにより外出先でも手軽に充電が可能というバッテリー。シートチューブには赤トンボを模したデカールが。
繊細なデザインのツイン構成のトップチューブ。ダウンチューブの下にあるシルバーに輝いている部分が、USB-PDコンバーターにより外出先でも手軽に充電が可能というバッテリー。シートチューブには赤トンボを模したデカールが。拡大
「ヤマハYA-1」から引用した、クラシカルな砲弾型のヘッドライト。
「ヤマハYA-1」から引用した、クラシカルな砲弾型のヘッドライト。拡大
1955年に登場した、ヤマハ発動機の製品第1号である「YA-1」。アウディのルーツのひとつで、二輪も製造していたDKWの「RT125」を参考につくられた。軽快で高性能と好評を得て、レースでも活躍した。(写真=ヤマハ発動機)
1955年に登場した、ヤマハ発動機の製品第1号である「YA-1」。アウディのルーツのひとつで、二輪も製造していたDKWの「RT125」を参考につくられた。軽快で高性能と好評を得て、レースでも活躍した。(写真=ヤマハ発動機)拡大

ヤマハ発動機の原点をオマージュ

取材を予定していた自動車メーカーのブースに向かって移動していた際に、視界に入った自転車。懐かしいセミドロップハンドル、ランドナー(旅行用自転車)風のキャリア、そして太めのセミブロックパターンのタイヤを履いたクラシカルなルックスを持つ一台。それがヤマハが出展していたeBike(電動アシスト自転車)のコンセプトモデルY-00B:Bricolageだった。

ヤマハによれば、既存の実用的な電動自転車「PAS(パス)」と電動スポーツ自転車「YPJ」の中間を狙った新たなスタイルの電動自転車のコンセプトモデルとのこと。スリムでミニマルなデュアルツインフレームに小型で一体感のあるバッテリーとドライブユニットを搭載。高い拡張性とカスタマイズ性を備え、オーナーのライフスタイルや感性に寄り添いながら、ともに成長する“愛車”とうたっている。

Y-00B:Bricolageと並んで「Y-00B:Base」も展示されていたが、その名のとおりこちらはベース車両。「Bricolage(ブリコラージュ)」とはフランス語で「寄せ集めて自分でつくる」という意味で、こちらもその言葉どおりカスタマイズしたモデルというわけだ。

そのスタイルは、今年創立70周年を迎えたヤマハ発動機の製品第1号として1955年に発売された「YA-1」(空冷2ストローク単気筒125ccエンジンを積んだバイク)をオマージュし、クラシックな美意識と現代のテクノロジーを融合したものという。

なるほど、言われてみればエンジのフレームやフェンダーは「赤トンボ」の愛称で呼ばれたYA-1をイメージしたものだったのか。聞けばサドルやグリップのカラーもそうで、シートチューブには(オリジナルにはない)赤トンボを模したデカールまで貼られている。

もともとヤマハはこうしたシャレたデザイン、繊細なデザインが得意で、カラーリングのセンスも優れている。昔からモーターショーの類いには魅力的なコンセプトモデルを少なからず出展してきたのだが、残念ながら製品化されたことはほとんどない。このY-00B:Bricolageも、どうやらそうした一台になりそうな気配が濃厚だが……。

(文と写真=沼田 亨)

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