第90回:これぞニッポンの心! 軽自動車デザイン進化論(前編)

2025.11.05 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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2025年6月に発表・発売された7代目「ダイハツ・ムーヴ」。
2025年6月に発表・発売された7代目「ダイハツ・ムーヴ」。拡大

新型の「ダイハツ・ムーヴ」に「日産ルークス」と、ここにきて新しいモデルが続々と登場してきた軽自動車。日本独自の規格でつくられ、日本の景観を変えるほどの販売ボリュームを誇る軽のデザインは、今後どのように発展していくのか? 有識者と考えた。

7代目「ムーヴ」発表会の会場より、ベースグレードの「X」。ムーヴのフルモデルチェンジは実に10年半ぶりのこと。先代の販売終了より、2年のブランクを経ての復活となった。
7代目「ムーヴ」発表会の会場より、ベースグレードの「X」。ムーヴのフルモデルチェンジは実に10年半ぶりのこと。先代の販売終了より、2年のブランクを経ての復活となった。拡大
各操作系をコンパクトにまとめ、「小さなクルマらしい魅力」を追求したというインテリア。多角形がモチーフの空調吹き出し口やセンタークラスター、助手席側オープントレイの切り欠きも特徴的だ。(写真:向後一宏)
各操作系をコンパクトにまとめ、「小さなクルマらしい魅力」を追求したというインテリア。多角形がモチーフの空調吹き出し口やセンタークラスター、助手席側オープントレイの切り欠きも特徴的だ。(写真:向後一宏)拡大
新しくなった「ムーヴ」は、リアドアがスライド式となった点が大きなトピック。先代まではヒンジドアだった。(写真:向後一宏)
新しくなった「ムーヴ」は、リアドアがスライド式となった点が大きなトピック。先代まではヒンジドアだった。(写真:向後一宏)拡大
兄弟車の「ムーヴ キャンバス」(2代目)。7代目「ムーヴ」は、同車のプラットフォームをベースに開発された。
兄弟車の「ムーヴ キャンバス」(2代目)。7代目「ムーヴ」は、同車のプラットフォームをベースに開発された。拡大
現行型の7代目「ムーヴ」(上)と2代目「ムーヴ キャンバス」(下)の比較。Aピラーの傾きやリアゲートの傾斜、ガラスエリアの切り欠きなどに注目。
現行型の7代目「ムーヴ」(上)と2代目「ムーヴ キャンバス」(下)の比較。Aピラーの傾きやリアゲートの傾斜、ガラスエリアの切り欠きなどに注目。拡大

こういうクルマは今までなかった?

webCGほった(以下、ほった):今回のお題は、日本人の心こと軽自動車のデザインについてです。なんか「IAAモビリティー」のとき(その1その2)と比べると、めちゃめちゃ癒(い)やされません?

清水草一(以下、清水):癒やされるよね~。無駄にフェンダーが張り出してないし。

ほった:軽は張り出せません(笑)。全幅が1.48mを超えちゃイカンので。

渕野健太郎(以下、渕野):最近登場した軽というと……まずはダイハツ・ムーヴですね。ムーヴは10年半ぶりぐらいのフルモデルチェンジだったんですよ(参照)。で今回、スライドドアを付けましたと。

ほった:構造的にはほぼ「ムーヴ キャンバス」ですね。

渕野:軽自動車の車種の分け方って独特で、細分化されてるじゃないですか。でもよく考えると、ムーヴみたいなスタイリッシュ方向のスライドドア車って、なかったんですよ。