第87回:激論! IAAモビリティー(後編) ―もうアイデアは尽き果てた? カーデザイン界を覆う閉塞感の正体―
2025.10.08 カーデザイン曼荼羅![]() |
ドイツで開催された欧州最大規模の自動車ショー「IAAモビリティー2025」。クルマの未来を指し示す祭典のはずなのに、どのクルマも「……なんか見たことある」と感じてしまうのはなぜか? 各車のデザインに漠然と覚えた閉塞(へいそく)感の正体を、有識者とともに考えた。
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人は“未来的なデザイン”を求めていない
webCGほった(以下、ほった):前回に続き、今回もIAAモビリティーのクルマたちを見ていこうと思います。すでに「メルセデス・ベンツGLC」と「BMW iX3」は処理しましたが。
渕野健太郎(以下、渕野):私は爆破したり粉砕したりする気は毛頭ありませんが(笑)。ただ、今回のIAAについて思ったのは、自動車のエクステリアデザインに関しては、本当にネタが尽きたんじゃないかな? ってことです。
ほった:ついにですか。
渕野:GLCもiX3も、インテリアと比べてエクステリアの提案性や洗練度が、全然足りない気がします。以前は「電気自動車(BEV)になればパッケージの自由度が大幅に増すから、クルマのデザインがガラッと変わる!!」ってしきりに言われていましたけど、結局、世間の価値観はあまり変わらなかったんですよ。例えばボンネットなんか、BEVならぐっと短くできるはずだけど、長いままで変わっていない。そんな感じで、新しさのよりどころをまだ模索中という気がするんですよね。
清水草一(以下、清水):いかにもBEV的で未来的なデザインは、フタを開けたらあんまり人気が出なかったですよね。ドイツ車でいうと、メルセデスの「EQE」や「EQS」はボンネットが短くて、横から見ると謎の円盤UFOみたいなデザインで、私はすごく新鮮でカッコいいと思ったんですよ。でも一般的には「ナメクジみたい」って言われたりして、結局あまり評判はよくなかった。
ほった:その前に出ていた「ジャガーIペース」も、残念な結果に終わりましたしね。
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