第122回:新型「日産キックス」とゆかいな仲間たち(前編) ―すべては計画どおり!? 物議をかもすフロントデザインの正否―

2026.07.29 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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日産が一転攻勢の旗手として期待を寄せる新型「キックス」。量販が見込めるコンパクトSUVでもあり、あらゆる意味で失敗の許されない一台なのだ。
日産が一転攻勢の旗手として期待を寄せる新型「キックス」。量販が見込めるコンパクトSUVでもあり、あらゆる意味で失敗の許されない一台なのだ。拡大

日産が満を持して日本に導入した、コンパクトSUVの新型「キックス」。失敗が許されない量販車種だけにデザインはコンサバかと思いきや、実際にはかなり強烈な“顔”の持ち主だった。物議をかもすその容貌は確信犯の所業か? カーデザインの識者と考えた。

デザインの面で一番の特徴となっているフロントマスク。横いっぱいに広がったグリルとポジションランプが目を引く。
デザインの面で一番の特徴となっているフロントマスク。横いっぱいに広がったグリルとポジションランプが目を引く。拡大
一方リアでは、テールランプとバンパー装飾が一体となった、口の字型の黒いグラフィックが特徴。バンパー下部の意匠は、海外で販売されるSUV「パスファインダー」などと共通性を持たせているという。
一方リアでは、テールランプとバンパー装飾が一体となった、口の字型の黒いグラフィックが特徴。バンパー下部の意匠は、海外で販売されるSUV「パスファインダー」などと共通性を持たせているという。拡大
ボディーサイズは全長×全幅×全高=4365×1800×1615mmと、従来モデルよりそれぞれ75mm、40mm、10mmも拡大。スタイリングも刷新され、より水平基調のデザインとなった。
ボディーサイズは全長×全幅×全高=4365×1800×1615mmと、従来モデルよりそれぞれ75mm、40mm、10mmも拡大。スタイリングも刷新され、より水平基調のデザインとなった。拡大
比較用に、2020年6月に日本に導入された先代「キックス」。ウエッジシェイプしたボディーの上に、コンパクトなキャビンを載せた基本デザインをしていた。(写真:荒川正幸)
比較用に、2020年6月に日本に導入された先代「キックス」。ウエッジシェイプしたボディーの上に、コンパクトなキャビンを載せた基本デザインをしていた。(写真:荒川正幸)拡大

問題は顔……じゃなくてサイドビュー?

webCGほった(以下、ほった):今回のお題は、「日産キックスとゆかいな仲間たち」です。キックス単品だけじゃなくて、ライバルと比べてどうなのかとか、そのあたりも見ていきたいなと思います。

渕野健太郎(以下、渕野):仲間たちというのは、トヨタの「カローラ クロス」にホンダの「ヴェゼル」に……。大体ここら辺ですか?

ほった:そうなりますね。とはいえ、まずはキックス自体のデザインから見ていきましょ。

渕野:最初に新型キックスを見たとき、すごく車格が高くなったなと思ったんです。堂々とした顔まわりなので、顔だけ見ると「エクストレイル」より立派に思えるくらいでした。その最大の理由は、サイドビューにあります。

清水草一(以下、清水):えっ、顔が立派に見えるのに、理由はサイドビューなんですか?

渕野:そうです。旧型キックスは、かなりウエッジシェイプ(前傾姿勢)でしたよね。顔が低くて後ろが高いような。一方、新型キックスのサイドビューは水平基調で、加えて顔まわりをものすごくボリューミーにして、SUVらしいデザインにしています。これ、結構好評なんですよね?