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【スペック】全長×全幅×全高=4430×1865×1710mm/ホイールベース=2605mm/車重=1640kg/駆動方式=4WD/2リッター直4DOHC16バルブターボ(200ps/5100-6000rpm、28.6kgm/1700-5000rpm)/価格=488.0万円(テスト車=同じ)

フォルクスワーゲン・ティグアン R-Line(4WD/6AT)【試乗記】

ただの“お飾り”じゃない 2010.01.04 試乗記 生方 聡 フォルクスワーゲン・ティグアン R-Line(4WD/6AT)
……488.0万円
「フォルクスワーゲン・ティグアン」シリーズに加わったスポーツモデル「R-Line」。専用エアロでドレスアップした最上級グレードの走りを試す。
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“R-Line”って何?

「R-Line」と聞いて、すぐにピンと来た人は、かなりのフォルクスワーゲン“通”だ。日本ではまだあまり知られていないが、ドイツではスポーティなパッケージオプションとして人気を呼んでいるR-Lineが、ついに日本に初上陸した。

R-Lineとは、「ゴルフR32」や「パサートヴァリアントR36」など、“Rシリーズ”と呼ばれるフォルクスワーゲンのスポーツモデルのイメージをエクステリア/インテリアに表現したドレスアップ仕様のことで、ヨーロッパでは「ジェッタ」や「ゴルフトゥーラン」「パサート」「トゥアレグ」そして、今回紹介する「ティグアン」などに、メーカーオプションとして設定されている。そういう意味では、BMWの“Mスポーツパッケージ”、メルセデスの“AMGスタイリングパッケージ”、アウディの“S-lineパッケージ”と同じような位置づけである。

そんなR-Lineパッケージを標準装着したのが、この「ティグアン R-Line」だ。オンロード重視の「ティグアン スポーツ&スタイル」をベースに、エクステリアにはR-Line専用のフロントグリルや前後バンパー、リアスポイラー、サイドスカート、ホイールハウスエクステンションを、また、インテリアには専用の本革レザー3スポークステアリングホイールとアルミ調ペダルを採用。スポーツ&スタイルにオプション設定されるレザーシートも標準とした。さらに、スポーツサスペンションと255/40R19タイヤ&19インチアルミホイールが付いて、ベースモデルより62万円高い488万円のプライスで、2009年10月13日から販売がスタートしている。


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チタンブラックのレザーシート。運転席には8ウェイパワーシート&パワーランパーサポート、助手席にもシートヒーターが標準装備される。
チタンブラックのレザーシート。運転席には8ウェイパワーシート&パワーランパーサポート、助手席にもシートヒーターが標準装備される。 拡大
「R-Line」は、専用のフロントグリル・バンパー、リアスポイラー、サイドスカート、リアバンパーでドレスアップ。225/40R19タイヤ&19インチアルミホイールを収めるため、ブラックのホイールハウスエクステンションが備わる。
「R-Line」は、専用のフロントグリル・バンパー、リアスポイラー、サイドスカート、リアバンパーでドレスアップ。225/40R19タイヤ&19インチアルミホイールを収めるため、ブラックのホイールハウスエクステンションが備わる。 拡大
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クールなデザイン

「たかがドレスアップ仕様」と思われるかもしれないが、個人的にはとても興味があるモデルだ。というのも私自身、R-Lineのファンで、ドイツ本国で装着されているR-lineのパーツを取り寄せて愛車に取り付け、ひとり悦に入っているくらいなのだ。特に気に入っているのが、R-Lineのフロントグリルで、たとえば私の愛車である“旧”ゴルフヴァリアントだと、ピカピカのメッキグリルが、ちょっと渋いマットシルバーに変わり、クールな雰囲気を強めてくれる。

ティグアンR-Lineでも、フロントグリルはピカピカからマットなシルバーに変わっているが、もともと細めのフレームを採用しているため、あまり目立たない。それでも、グリル内の2本の横バーがそれぞれダブルになるので、同じティグアンオーナーならすぐに気づくだろう。
さらに、ボディ同色になったバンパーや、ドアの下方に貼られたマットシルバーのプレート、そして、スリムなスポークのアルミホイールなどが、スタイリッシュなティグアン スポーツ&スタイルをさらにスポーティに仕上げていた。

それに比べるとインテリアの変更はおとなしいもので、たとえば、センタークラスターやドアトリムをアルミパネルにするくらいの演出がほしいものだ。

アルミ調ペダルクラスターやレザー3本スポークマルチファンクションステアリングホイールは「R-Line」専用。
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バランスのよい仕上がり

以前の試乗で、オンロード走行の快適さが光っていたティグアン スポーツ&スタイルだが、これにスポーツサスペンションと2インチアップの19インチタイヤを組み合わせると、果たしてどうなるのか? 多少不安を抱きながら街に足を踏み入れると、それが取り越し苦労であることがすぐにわかる。
SUV用ではなく、サルーン用のタイヤが装着されたティグアンR-Lineは、SUVタイヤ特有のザラついた感触とは無縁。スポーツ&スタイル同様、街なかでは落ち着いた動きを見せ、時おり19インチタイヤがゴツっとショックを拾うこともあるが、予想以上に快適な乗り心地に感心した。

高速道路に入っても、その印象は変わらず、スポーツ&スタイルよりワンランク上のフラットな乗り心地がとても心地良い。さすがに山道ではある程度のロールを許すが、コーナーを駆け抜けるのに不安を覚えることはないだろう。

一方、パワートレインはスポーツ&スタイルとまったく同じスペックで、200ps、28.6kgmの実力を持つ2リッターTSI(直噴ターボ)と6段オートマチックの組み合わせ。2000rpm以下の低回転から6000rpm超の高回転まで、踏めばどこからでも力強い加速をもたらし、とても頼もしい印象だ。

ティグアンR-Lineは、本格的なオフロードには向かないが、ハルデックスカップリングによるフルタイム4WDや、170mmの最低地上高など、ときには舗装路から少し足を踏み出したい人には、お誂え向き。比較的コンパクトなサイズに過剰じゃないエンジンも、いまの時代には合っている。欲をいえば、オンロード指向のスポーツ&スタイルやR-Lineだけでも、1.4リッターTSIツインチャージャー+7段DSGの組み合わせで、さらなる低燃費を追求してほしいものだ。
それにしても、全体としてはとてもバランスよくまとまっていたR-Lineは、ティグアンのトップグレードにふさわしい内容といえる。ぜひ他のモデルにもR-Lineの設定を拡大してほしいものだ。

(文=生方聡/写真=郡大二郎)

写真をクリックするとシートが倒れるさまがみられます。
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生方 聡

生方 聡

モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。

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