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【スペック】全長×全幅×全高=4700×1785×1505mm/ホイールベース=2700mm/車重=1640kg/駆動方式=FF/2.4リッター直4DOHC16バルブ(150ps/6000rpm、19.1kgm/4400rpm)+交流同期電動機(143ps、27.5kgm)/価格=535万円(テスト車=570万8050円)

レクサスHS250h“バージョンL”(FF/CVT)【試乗記】

プリウスとは、はっきり違う 2009.08.10 試乗記 佐野 弘宗 レクサスHS250h“バージョンL”(FF/CVT)
……570万8050円


レクサス初のハイブリッド専用車として登場した「HS250h」。価格395.0万円からの高級ハイブリッドセダンは、「プリウス」と比べてどうなのか? 第一印象をお届けする。
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組み合わせの妙

レクサスHS250hは、「プリウスに続くトヨタ2車種目のハイブリッド専用車」であると同時に、レクサスとしては「IS」とならぶDセグメントセダンだ。HSとISは価格もごく近い。レクサスのハイブリッド命名法からもわかるように、HS250hの動力性能は「ガソリンエンジン2.5リッター相当」である。ハイブリッド専用車と純エンジン専用車という違いがあるとはいっても、似たようなサイズと動力性能のセダンが同じショールームに2台もならぶことに日本人のわれわれは違和感がなくはない……のだが、考えてみれば北米のレクサスにはひとつ上のクラスでも以前から「GS」と「ES」(かつて日本でウィンダムだったアレ)があるわけで、アメリカ人の目から見れば奇策というほどでもないか。

ご存じのかたも多いかと思うが、ホイールベース2.7mのエンジン横置きFF……というHS250hのプラットフォームは「プリウス」と深い血縁関係にある。ただし、リアサスがダブルウィッシュボーンとなるのは、今のところレクサスHS専用。プリウスが「オーリス」由来ならHSは「ブレイド」由来。また2.4リッターエンジンが核となる動力システムはすでに北米で発売済みのカムリハイブリッドと基本的に同じで、今話題のプリウスと比較すると、エンジンのみならずモーターもバッテリーもエンジンにあわせて強化されている。

プラットフォームはCセグメント派生、しかもDセグとしては短めのホイールベースに全高1.5mオーバーという最近ではちょい珍しい背高パッケージ……で、少なくとも高級セダンとしての乗り味や質感についてはあまり期待していなかった私(失礼!)だが、結論をいうと、その方面でのトヨタの仕事っぷりは見事だった。

エンジンは、プリウスより排気量が600cc大きい2.4リッターが組み合わされる。システム全体の最高出力は190psで、プリウスより54psパワフル。
エンジンは、プリウスより排気量が600cc大きい2.4リッターが組み合わされる。システム全体の最高出力は190psで、プリウスより54psパワフル。
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10・15モード燃費は、23.0km/リッター。より実用燃費に近いJC08モード燃費は、19.8km/リッター。
10・15モード燃費は、23.0km/リッター。より実用燃費に近いJC08モード燃費は、19.8km/リッター。
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高級車になっている

ハイブリッドならではの静かさや、リアに大型ニッケル水素バッテリーを積む前後バランスの良さもあるのだろうが、このサスペンションの滑らかな動きには、専用ダンパーとあえて非エコタイプを選んだタイヤが、そして重心の高さをうまく相殺したハンドリングには、リアのダブルウィッシュボーンが、きちんと効果を発揮している感じ。あと、市街地レベルの速度域だと、1.6トン半ばの重めのウエイトも「重厚感」という意味ではプラスに作用している。

この種の高級Dセグといえば、BMWコンプレックス(?)なのかやけにスポーティ路線に走るケースが多いが、「ISとの差別化もあるし、FFベースだし、だいたいハイブリッドだし……」という割り切りなのか、このHSははっきりと、表面的なスタイルより室内の広さ、そして俊敏さより穏やかな乗り心地を優先している。「LSの弟分としてどちらがそれっぽいか?」と問われれば、断然、ISよりHSである。

また、独特のミニバン風パッケージとあって「安っぽい」というツッコミの可能性も強く意識したのか、センターコンソールの縁やメーターナセルにステッチ入りのレザーを配するなど、工夫の跡はそこかしこに見られる。この方面では横綱の「アウディA4」、あるいは国産では最大のライバルである「スカイライン」なみ……とまではいわないが、インテリア全体に漂う高級感は、すでに古さを感じさせつつあるISを確実に凌駕していて、「メルセデスCクラス」と同等くらいには高級だ。

「バージョンL」の内装。セミアニリン本革シートや本木目+本革ステアリングなどにより、高級感が演出される。
「バージョンL」の内装。セミアニリン本革シートや本木目+本革ステアリングなどにより、高級感が演出される。
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センタークラスター中央に構えるのは、カーナビゲーションなど様々な操作が手元で行えるリモートタッチ。ギアレバーは、その右上に位置する。
センタークラスター中央に構えるのは、カーナビゲーションなど様々な操作が手元で行えるリモートタッチ。ギアレバーは、その右上に位置する。
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プリウスと同じ2700mmのホイールベースが生み出す居住スペース。後席頭上まわりはプリウスよりも広い。
プリウスと同じ2700mmのホイールベースが生み出す居住スペース。後席頭上まわりはプリウスよりも広い。
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燃費以外の価値

短い時間での試乗に限られた今回は、皆さんにご報告できるような燃費性能の確認はできなかった。トヨタ社内基準における日本での実用燃費は15〜16km/リッターというから、プリウスの3割落ちくらいと考えればいい。だから「レクサス版プリウス!?」などとあまり期待しすぎると肩透かしを食らうだろう。

HS250hはそういう目で選ぶべきクルマではない。燃費でプリウスより3割劣るかわりに、HSにはプリウスよりはっきりと強力な動力性能と重厚で滑らかな乗り心地がある。プリウスより200万円以上も高い価格は、コストのかかったインテリア、ショーファーカーとしても十分な広さと健康的な着座姿勢の後席空間、そしてもちろん「レクサス」という名前とサービスへの対価と考えるべきである

それにしても、プリウスというのは罪つくりなクルマである。どんなクルマであっても、プリウスという怪物と比較したとたん、このように無味乾燥で冷めた見方になってしまう。しかし、HS250hの燃費は同クラスの2.5リッター級と比較すると平均して5割(!)くらいは優秀だし、しかも燃料はレギュラー指定。昨今のエコカー減税も含めれば、高級Dセグメントのライバルたちに対する経済性の優位は絶大だ。プリウスより先に発売されていれば、あるいは今回のバカみたいな景気後退がなければ、HS250hだって十二分に衝撃作となったはずなのに。

(文=佐野弘宗/写真=菊池貴之)

駆動方式は、国内で販売されるレクサスセダンでは初めてFFが採用された。
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トランクルーム容量は415リッターで、プリウスの445リッターに一歩及ばず。とはいえ、ゴルフバッグを4つ飲み込むだけのスペースが確保されている。
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【テスト車のオプション装備】 225/45R18タイヤ+18×7.5Jアルミホイール=3万7800円/スポイラー(フロント・リアバンパー/トランクリッド)=9万4500円/マークレビンソン プレミアム サラウンド サウンドシステム=22万5750円)
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佐野 弘宗

佐野 弘宗

自動車ライター。自動車専門誌の編集を経て独立。新型車の試乗はもちろん、自動車エンジニアや商品企画担当者への取材経験の豊富さにも定評がある。国内外を問わず多様なジャンルのクルマに精通するが、個人的な嗜好は完全にフランス車偏重。

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