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第101回:食わずギライはもったいない!? サーキットのススメ

2009.07.10 エディターから一言 近藤 俊関 顕也
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第101回:食わずギライはもったいない!? サーキットのススメ


食わずギライはもったいない!? サーキットのススメ

クルマが好きで、走るのも好き。でも、サーキットには縁がない――

そんなひと、多いんじゃないでしょうか?

なんだかハードルの高そうなサーキットだけれど、軽〜い気持ちで走ってみたら、意外や意外、そこには楽しい世界が広がっていた!? 『webCG』と『NAVI』のスタッフがリポートします。


第101回:食わずギライはもったいない!? サーキットのススメの画像 拡大
万一のときの飛散防止に、ランプ類をテーピング。特別な準備といっても、その程度。
万一のときの飛散防止に、ランプ類をテーピング。特別な準備といっても、その程度。 拡大

いま、この道がイチオシ

関(以下「せ」):目的地に到着〜!……って、ここ、サーキットじゃないですか。
山田(以下「や」):「いいトコに連れて行く」って話でしたよね? 今日のドライブ。
コンドー(以下「コ」):かなりええトコやん。ここからが今日のドライブ、本番やで。

せ:苦手なんですよ、サーキット。スピード出るし、危ないし。
コ:峠じゃ、めっちゃ飛ばそうとするくせに、ワケわからんこと言うヤツや。こっちのほうが安全に決まってるやろ。
や:一方通行ですもんね。歩行者もいないし。でも、ぐるぐる同じとこ回るのはツマンナイ。

コ:景色をながめにきたんと違うねん。クルマの限界と、自分の限界を試せるんがエエとこや。
や:今日やるタイムアタックって“抜いた抜かれた”がないから、他人とブツかる心配がないですよね。
コ:なっ、安心やろ。楽しそうやろ? 盛り上がってきたやろ?


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こちらは、1991年式の「アルファ・ロメオSZ」。速さはもちろん、名機と言われる3リッターV6ユニットの快音にも惚れ惚れ。
こちらは、1991年式の「アルファ・ロメオSZ」。速さはもちろん、名機と言われる3リッターV6ユニットの快音にも惚れ惚れ。 拡大
今回参加したのは、20年も続くプライベーターの走行会「アバルトカップ」。1万円+程度の費用で、本格的なタイムアタックに参加できる。
競技の舞台は、千葉県山武市の「ナリタモーターランド」。ヤマハが設計を手がけた1周800mの(元)カート用コースに、この日は37台のエントラントが集まった。
今回参加したのは、20年も続くプライベーターの走行会「アバルトカップ」。1万円+程度の費用で、本格的なタイムアタックに参加できる。
競技の舞台は、千葉県山武市の「ナリタモーターランド」。ヤマハが設計を手がけた1周800mの(元)カート用コースに、この日は37台のエントラントが集まった。
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せ:さっきから、大雨降ってますけど。
コ:滑りやすいウェットのほうがタイヤにも優しくていいねん。……もっと楽しそうな顔しいや! 走るの、いま流行ってるっていうやん?
せ:ま、まさか、「ランニングブーム」と勘違いしてるんじゃ!?

コ:ホラ、今日の参加者がたくさん集まってきたで!
や:イタリア車が多いですね。
コ:この「アバルトカップ」は、アツいイタ車乗りが始めた走行会だそうな。かれこれ20年近く続いてるというからスゴいよな。
せ:雨のなか、貴重な「アバルト」を全開で走らせるんですか。アツ過ぎる。

や:「アルファ・ロメオSZ」や「ロータス・ヨーロッパ」も。けっこう古いクルマが多いような……えっ、「ルノー4」もサーキット走るの!?
コ:全部で40台くらいおるんかな。今日乗ってきた1993年式の「ユーノス・ロードスター」なんて、まだまだ青いほうやで。負けられんやろ。
や:負けないでしょう?

元気に走る『webCG』スタッフのロードスター。コースは一応「グリップ走行に限る」規則だけれど、大雨につき、おしりはややスリップぎみ。
元気に走る『webCG』スタッフのロードスター。コースは一応「グリップ走行に限る」規則だけれど、大雨につき、おしりはややスリップぎみ。 拡大
サーキットとはいえ、レーシングスーツ着用!とは限らない。こちらの走行会の場合、長袖&長ズボンにグローブ、ヘルメットでオーケー。
サーキットとはいえ、レーシングスーツ着用!とは限らない。こちらの走行会の場合、長袖&長ズボンにグローブ、ヘルメットでオーケー。 拡大

回って初めてわかること

コ:初めてのタイム計測はどうやった?
せ:だいたい81秒から82秒のあいだ。
や:ボクは、76〜77秒ってところです。

コ:なんで、そんな差がつくん? どう走ったらええんか、教えたれよ。
や:何も考えずに、ふだんどおり走ってるだけですよ。
コ:で、5秒差? その“マツダ”ロードスターのほうが、初代より排気量デカいぶん速いだけちゃうんか。
や:でも、1500ccの「X1/9」は70秒切ってるし、1300ccの元祖「ミニ」が65秒台出したりしてますからね。

せ:タイヤ、かな? それとも、燃焼のセッティングが合ってないのかな?
コ:自分の腕は棚に上げて、クルマのせいかい。でも、そんなん意識するのって、新鮮やろ? 普段はタイヤいうても、内心「どんだけ違うねん」思うやろ? でも実際、違うねんな。

や:アタックするたびに、マシンの調整を繰り返してるひとも多いですね。
コ:ぐるぐる同じトコ回るからこそ、試せることもある。で、工夫は数字に表れる。それが楽しい。
せ:このクルマ、サスペンションの調整ができるから、もっと柔らかくして接地性を上げてみようかな!

こちらの「アバルト131ラリー」は、1976年生まれ。30年以上を経てもなお、アツい走りは健在だ。どんな名車も、やっぱり走らせてナンボ(!?)
こちらの「アバルト131ラリー」は、1976年生まれ。30年以上を経てもなお、アツい走りは健在だ。どんな名車も、やっぱり走らせてナンボ(!?) 拡大
最高出力500ps以上! “D1仕様”の「トヨタ・ソアラ」も参戦。華麗なドリフトでギャラリーを沸かせた。
最高出力500ps以上! “D1仕様”の「トヨタ・ソアラ」も参戦。華麗なドリフトでギャラリーを沸かせた。 拡大
悪天候に強そうな「スバル・インプレッサ」は、WRCばりのヘッドランプが印象的。ボクサーサウンドを響かせて、クラス20台中10位でフィニッシュ!
悪天候に強そうな「スバル・インプレッサ」は、WRCばりのヘッドランプが印象的。ボクサーサウンドを響かせて、クラス20台中10位でフィニッシュ! 拡大

コ:……で、ようやく80秒台後半かぁ。

や:もっと踏めるんじゃないですか? ハタから見てると、コーナリングでものスゴーくクルマが安定してるから。
コ:ビビッてんねん。はっきり「ココは教習所やないぞ」って言うたれよ〜。

せ:派手にスピンしてるクルマ見ちゃうと、思い切って踏めないですよ〜
コ:スピンしたところで、誰にもブツかったりせぇへんの。せいぜいガードレールかタイヤバリア。よく観察してれば、サーキットのタイムアタックが割りに安全なんがわかるやろ。

せ:だから、思い切ってやっていい? 次は限界を気にせず行ってみようかな!
コ:たぶん、気合だけじゃ、どうにもならんやろけどな。ライン取りからしてビミョーやし。

小さな「ミニ」も負けじと……どころか、目を見張る速さを見せて、総合2位(クラス2位)。モンテカルロラリーなど、往年の伝説を再現した。
小さな「ミニ」も負けじと……どころか、目を見張る速さを見せて、総合2位(クラス2位)。モンテカルロラリーなど、往年の伝説を再現した。 拡大
第101回:食わずギライはもったいない!? サーキットのススメの画像 拡大

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雨天とはいえ、クルマ好きな仲間と過ごすランチも、走行会の大きなお楽しみ。初対面同士でも、思わず話に花が咲く。
雨天とはいえ、クルマ好きな仲間と過ごすランチも、走行会の大きなお楽しみ。初対面同士でも、思わず話に花が咲く。 拡大

楽しく試せる“非日常”

や:試しに上手なひとのトナリに乗せてもらうのも、アリじゃないですか?
コ:って、実はさっき、ひそかに同乗させてもろたんやろ? それ、上達への近道かもな。

や:我流で何度やっても、なにが正解なのかわからないし。
コ:いろんなレベルのひとが集まっているから、やる気さえあればいろいろ吸収できるやろ。
せ:ドライビングスクールなんかより、かえって気楽に参加できるかも。

や:上手なひとの横乗ってから、最初のアタックは……あー! 76秒台。
コ:いきなり4秒も縮められたやん!
や:助手席で、何かわかったんですか?
せ:コーナリングスピードが全然違ってて。横Gでかなり気持ち悪くなりました。
コ:……。
せ:たぶん一番のポイントは、ブレーキ。いままでより確実に減速して、正しいライン取りでコーナーに入れれば、あとでスピードのせられるみたい。
や:こっちは、72秒まで来ましたよ。だんだんコースにも慣れてきたし。いい感じ!
コ:慣れてきたところで気いつけや。いくら安全やいうても限度があるからな。無事に帰れるのが一番大事なんやで。


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戦い終わって、いよいよ表彰式。みんないい笑顔してますよ!
戦い終わって、いよいよ表彰式。みんないい笑顔してますよ! 拡大
走行会初参加のスタッフも、トロフィーをゲット!
……“ビリから2番”のブービー賞ではありますが。ん〜、嬉し恥ずかし。
走行会初参加のスタッフも、トロフィーをゲット!
……“ビリから2番”のブービー賞ではありますが。ん〜、嬉し恥ずかし。 拡大

せ:考えてみたら、自分のクルマが限界でどんな挙動を示すのか?ってことすら、いままで確認したこと無いですよね。
コ:クルマとの新たなコミュニケーションってところやな。本音の。
や:コースの外での、クルマ好き同士のコミュニケーションも、いいもんですね。同じ趣味をもつもの同士、和気藹々のランチがまた美味い。
せ:普段のドライブとは違ったクルマの楽しみが広がるっていうか。

コ:しかも、なかなか深い。和やかムードの、非日常。で、結果のほうはどうやった?
や:クラス5位に入れました。次は、表彰台狙いたいですね。賞品もらって帰りたい!

せ:こっちは、クラス16位で、総合36位。だけど、トロフィーもらえたよ?
コ:良かったやん。ブービー賞でも、賞は賞! もし「ルノー4」にも負けてたら、シャレにもならんわ。

(文=webCG近藤俊&関顕也、NAVI山田侑右/写真=webCG、峰昌宏)


関 顕也

関 顕也

webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。

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