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【スペック】Li:全長×全幅×全高=4800×1800×1545mm/ホイールベース=2830mm/車重=1630kg/駆動方式=FF/2.4リッター直4DOHC16バルブ(173ps/6000rpm、22.6kgm/4300rpm)/価格=338万円(テスト車=418万3250円/マルチビューカメラシステム=8万4000円/Honda HDDインターナビシステム+プログレッシブコマンダー+6スピーカー+ETC=33万6000円/リアエンターテイメントシステム=10万5000円/本革シート=24万1500円/ボディ色プレミアムホワイトパール=3万6750円)

ホンダ・オデッセイLi(FF/CVT)/アブソルート(FF/5AT)【試乗記】

ドライバーズファミリーカー 2008.11.05 試乗記 近藤 俊関 顕也 ホンダ・オデッセイLi(FF/CVT)/アブソルート(FF/5AT)
……418万3250円/378万7750円

ホンダの売れセン7シーター「オデッセイ」が、4代目にバトンタッチ。5年ぶりの新型は、どこがどう変わったのか? 『webCG』のコンドーと関が都内をチョイ乗り、チェックしてみた。
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もはや、ブランド!?

関(以下「せ」):いいクルマが好きですか?
コンドー(以下「コ」):そら、大好きやね! 「男ですから」。
せ:新しいオデッセイは好きですか?
コ:そら、乗ってみなわかりまへん! ……とりあえず、スタイリングはいいと思う。実物見るまでは、前のと変わってないやん思てたけど。

せ:新型、「ひとめでオデッセイとわかるデザインにした」ってくらいですから。実寸もほとんど変わってないし。
コ:ビッグ・ビッグ・マイナーチェンジ? ま、それだけ自信もてるブランドに育ったいうことやろね。「先代で完成してる」「市場も独占できてる」て開発陣も自信まんまん。
せ:クルマのほうも、自信アリ気に見えますよ。“目つき”こそ前のと似てるけど、全体の“顔つき”はグッと精悍になった印象。
コ:エクステリアは、全体的に引き締まったよな。よく見ればフェンダーが盛り上がってたり、グッと筋肉質になった。
せ:5mmしか違わないのに、うんと低くなったようにも見えます。ますます、走りのドライバーズカーって感じ。『アダムス・ファミリー』のCMも、今や昔。
コ:気がつけば、ジョージ・クルーニーがイメージキャラクターやもんな。成長したなぁ。リアもオトナのセダンっぽくなって……

せ:ランプが、水平基調になったんですね。前の小さな三角コンビランプは、「あまりに素っ気ない」と、ユーザーの評判が今ひとつだったそうです。
コ:評判って、今度のはフロントがヤバいやろ……銀ギラギンの「前歯」は好き嫌い分かれるはずやで。
せ:そうですか? 暗色はもちろん、人気のホワイトパールやシルバーでもいいアクセントになってると思いますけど? どうしてもイヤ!な向きには、オプションでボディ同色の「エアロバンパー」もしっかり用意されてますから。
コ:ホンマ? 4万9350円? バンパーにしちゃ安いなぁ。ホンダも抜かりないなぁ! 

せ:今回もスポーティグレード「アブソルート」が控えてますけど、ノーマル(M/L/Li)も結構エアロな感じだから、先代ほど両車の見た目は違わない。
コ:ふたまわりデカい18インチホイールが一番の識別点かな。ま、アブソルートは、パワーにも違いあるけどね。
せ:内装もそれぞれテイスト変えてます。さっそく乗り込んでみましょうか。



ホンダ・オデッセイLi(FF/CVT)/アブソルート(FF/5AT)【試乗記】の画像 拡大
リアのランプは、水平基調に。テールパイプは、全グレードで左右2本出しとなる。
リアのランプは、水平基調に。テールパイプは、全グレードで左右2本出しとなる。 拡大
「ホンダアクセス」が、デビュー時からオプションパーツを豊富に用意。こんな化粧直しも……
「ホンダアクセス」が、デビュー時からオプションパーツを豊富に用意。こんな化粧直しも…… 拡大
【スペック】アブソルート:全長×全幅×全高=4800×1800×1545mm/ホイールベース=2830mm/車重=1630kg/駆動方式=FF/2.4リッター直4DOHC16バルブ(206ps/7000rpm、23.7kgm/4300rpm)/価格=289万円(テスト車=378万7750円/マルチビューカメラシステム=8万4000円/Honda HDDインターナビシ ステム+プログレッシブコマンダー+6スピーカー+ETC=33万6000円/コンフォートビューパッケージ=3万1500円/トリプルゾーンコントロールフルオートエアコンディショナー=5万2500円/運転席8ウェイパワーシート=5万2500円/本革シート=24万1500円/Hondaスマートキーシステム=6万3000円/ボディ色スーパープラチナメタリック=3万6750円)
【スペック】アブソルート:全長×全幅×全高=4800×1800×1545mm/ホイールベース=2830mm/車重=1630kg/駆動方式=FF/2.4リッター直4DOHC16バルブ(206ps/7000rpm、23.7kgm/4300rpm)/価格=289万円(テスト車=378万7750円/マルチビューカメラシステム=8万4000円/Honda HDDインターナビシ 
ステム+プログレッシブコマンダー+6スピーカー+ETC=33万6000円/コンフォートビューパッケージ=3万1500円/トリプルゾーンコントロールフルオートエアコンディショナー=5万2500円/運転席8ウェイパワーシート=5万2500円/本革シート=24万1500円/Hondaスマートキーシステム=6万3000円/ボディ色スーパープラチナメタリック=3万6750円) 拡大
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写真は、M/L/Liの3グレードで選べるベージュ内装。スポーティなアブソルートには、黒×青のインテリアが組み合わされる。
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FFモデルの2列目(写真はMグレード)。ティッシュボックスが入るドアポケットなど、多彩な収納がジマン。
FFモデルの2列目(写真はMグレード)。ティッシュボックスが入るドアポケットなど、多彩な収納がジマン。 拡大
荷室容量は、先代に比べ約5%アップした。開口部下端が左右に広がり、アクセスしやすくなったのもポイント。
荷室容量は、先代に比べ約5%アップした。開口部下端が左右に広がり、アクセスしやすくなったのもポイント。 拡大

地味に変わった派手な部屋

コ:インテリアのデザインも、「3代目に倣え」やな。つくづく先代の存在はデカいんやなぁ。
せ:宇宙船っぽさが薄れた気がするのは、見慣れただけでしょうか……よく見りゃ、似てる! 「3代目を正常進化させたインテリア」という言い分も、納得です。
コ:出っ張ったり、引っ込んだり、ゴチャゴチャしてるのは相変わらず。47歳のジョージさんは、これでええのん? 満足できんの?
せ:オデッセイ、守備範囲広いからタイヘンなんですよ。メインターゲットは30〜40代だけど、20代から60代まで、ライバルに比べて幅広く支持されてますから。

コ:インストゥルメントパネルの逆凸形は、おもてのフロントグリルとシンクロしてるみたいやね。傾斜がなだらかになって開放感アップ。好感度もアップ。
せ:エアコン左右独立にしたり操作ボタンの配置変えたり。むしろ、機能的な細かいリファインが大きいでしょう。

コ:肝心の2列目、3列目はどうなん? パッと見、変わったようには思われへんけど?
せ:ホイールベースはそのままに、室内長は60mmアップしてます。2列目シートのウォークイン、フォールダウンレバーを一箇所に集中させるとか、後半セクションもジミ〜によくなってる。
コ:2列目の床は、さすがにフラット……あれ、アブソルートは凸凹してるで!
せ:アブソルートのフロアは4WDと共通で、ドライブシャフトの代わりに専用のエキパイが通ってるんです。その後ろ、3列目こそ今回のモデルチェンジのポイントかも知れません。

コ:その気になれば、2列目のひとが降りなくても入っていける。よっこらしょ!
せ:カーテンエアバッグ用の火薬をCピラーからルーフに移したことで、間口を40mm広げられたそうです。乗り込んでからも快適ですよ。

3列目から。シートバックを兼ねる肘掛けを倒せば、A3用紙程度、視界が広がる。
3列目から。シートバックを兼ねる肘掛けを倒せば、A3用紙程度、視界が広がる。 拡大
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コ:見るからに余裕があるってほどやないけど、不思議とストレスを感じない。
せ:2列目の背もたれや下まわりをえぐったおかげ。ここも地味なネガ潰しのオンパレード。

コ:「スバル・エクシーガ」同様、2列目の肘掛けが貫通式になったのは心理的に大きい。開放感が違う。そういえば、ホンダ得意の「スカイルーフ」は選ばれへんの?
せ:オーソドックスな小さいサンルーフしかありません。走りにこだわるオデッセイオーナーは、重い特大ガラスルーフを求めないとのことでした。じつは、ライバル車「スバル・エクシーガ」に対する“武士の情け”だったりして……
コ:その走りがどんなもんか、試してみようや。


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上空から見下ろしたように画像を合成、駐車をガイドする「マルチビューカメラ」。開発には「パナソニック」も関わっているとか。
上空から見下ろしたように画像を合成、駐車をガイドする「マルチビューカメラ」。開発には「パナソニック」も関わっているとか。 拡大
ホンダ・オデッセイLi(FF/CVT)/アブソルート(FF/5AT)【試乗記】の画像 拡大

パワーかネンピか、お好きなほうを

コ:……もうひとことで言って、「7人乗れるセダン」やね。ドライバーズカー。
せ:視界の広さが、とても印象的ですね。一番開放感を満喫できるのも、やっぱりドライバーなのかも。
コ:三角窓のピラーがなくなったのが大きいな。Aピラーも30%細くなったらしい。……あ、モニターにもなにやら周りの景色が映ってるで!
せ:前後左右、4つの魚眼レンズで死角をカバーする「マルチビューカメラシステム」は、全車で選べるオプション。「日産エルグランド」のウリでしたね。
コ:後ろから自転車が来てんで。駐車のサポートもしてくれるんは、ゴチャゴチャした都会の道にピッタリや。

せ:乗り心地は、意外に硬い。このゴツゴツした突き上げ感は「フィット」や「フリード」にもありました。
コ:最近のホンダ共通の味付けなんかな? 後席に座ってても、けっこうクルな。高速やワインディングではどうかわからんけど、舗装の継ぎ目程度でユサユサ揺すられる。
せ:意外に、3列目がとても快適です。「どうせ、非常用」って先入観の裏返し?
コ:その3列目が付いてるのを忘れるくらい、一貫してセダンらしいドライブフィールや。ええな。車高と燃費は低いに限る! 価格も低けりゃ、いうことなし。

せ:出力は、前より高くなってますけどね。ノーマル、アブソルートともに。両車を比べると33psのパワー差なんですけど……数字ほどの差は感じません。
コ:アブソルートのほうがちょっと出足がいいくらいかな。CVTとATの違いもあるやろな。ま、今日みたいな都会のチョイ乗りなら……

「アブソルート」の新開発2.4リッターユニット。先代のアブソルートに比べ、出力は6psアップ。10・15モード燃費も0.4km/リッター向上している。
「アブソルート」の新開発2.4リッターユニット。先代のアブソルートに比べ、出力は6psアップ。10・15モード燃費も0.4km/リッター向上している。 拡大

ホンダ・オデッセイLi(FF/CVT)/アブソルート(FF/5AT)【試乗記】の画像 拡大

せ:173psのノーマルグレードを選びたくなります。エンジンからエアコンまで制御して燃費稼いでくれる「ECONスイッチ」は、ノーマルのFFモデルにしか付かないんです。10・15モードで2km/リッター近い差はデカイですよ。
コ:パドルシフトも日常ではあんまり使わへんし……アブソルート選ぶんは、むしろ内外装の違いが理由やろね。18インチ履いてる割には、乗り心地はさほどスポイルされてないし。

せ:そのへんは、さすがに期待のグレードですね。メーカーでは、アブソルートだけで4割の需要を見込んでいるそうですよ。ボクは、この青内装より明るいタンが気に入ったなぁ。グレード次第で内外装色の組み合わせが決められちゃうのは、惜しいなぁ。
コ:じゃ、明るい内装の店で、ランチにでもするか。そこの枠に……キレイに停められたやん。CMのジョージ・クルーニーに勝ってんで。駐車だけ、な。
せ:「マルチビューカメラ」のおかげですけどね。CMのクルマは、オプション付いてなかったのかな!?
コ:いやいや、欧米じゃ売らへんらしいわ、コレ。

(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=webCG)

関 顕也

関 顕也

webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。

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