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第69回:トヨタ博物館で自動車ライブ解説イベント開催〜CAR検フェスティバル in TAMリポート

2008.05.20 エディターから一言 鈴木 真人
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第69回:トヨタ博物館で自動車ライブ解説イベント開催〜CAR検フェスティバル in TAMリポート


トヨタ博物館で自動車ライブ解説イベント開催〜CAR検フェスティバル in TAMリポート

名古屋のトヨタ博物館(TAM)で、2008年4月19、20日の両日に「CAR検フェスティバル」が行われました。TAM秘蔵の名車をイベント会場に持ち込み、実物を目の前にして碩学の解説を聞くという画期的な企画です。


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高島鎮雄さん(左)と岡部いさくさん。
高島鎮雄さん(左)と岡部いさくさん。 拡大

昨年のイベントでやり残したこと

昨年もここTAMでCAR検のイベントが開催され、大盛況でした。受験に向けた勉強のための講座「夏期特別プログラム」で、参加者は1日クルマ漬けだったのです。懇親会もあり、充実した催しでしたが、ひとつだけモッタイナイと感じたことがあったのです。

せっかくこんなに素晴らしいクルマが揃っているのに、それを教材にしていない、ということです。日本でも有数の所蔵車を誇っているのがこのTAMなのですから、クルマ好きにとっては聖地とも言っていい場所。この地の利を活かさない法はありません。

ダメもとでオファーをしてみたところ、ありがたいことに快諾していただきました。図々しくも4台のクルマをイベント会場に移動させていただくことになったのです。

「タッカー」
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バックヤードから名車を引き出す

クルマを前に解説をしていただくのは、自動車歴史研究家の高島鎮雄さんと軍事評論家の岡部いさくさんのお二人。自動車の正統派オーソリティである高島さんに、『クルマが先か?ヒコーキが先か?』の著者である偏愛系自動車マニアの岡部さんの組み合わせとなれば、スリリングなトークになることは間違いありません。

そんなわけで、会場に並べられたクルマのチョイス自体が、すこぶる面白いものになりました。チシタリア202クーペ、シトロエン2CV、サーブ92、フライングフェザー、メッサーシュミットというラインナップです。普段は展示していないクルマをバックヤードから引き出して並べていただきました。

そのほか、「世界の名車展」で展示中のタッカーは動かすわけにはいきませんので、事前にビデオ撮りをしてスクリーンで紹介しました。

サーブ91のスケッチを持つ岡部さん。
サーブ91のスケッチを持つ岡部さん。 拡大
「サーブ92」のリアビュー。話題のマッドガードもちょっとだけ見えます。
「サーブ92」のリアビュー。話題のマッドガードもちょっとだけ見えます。 拡大

マッドガードから話は始まる

SCG伊東編集長の司会で、まずはサーブ92の話から始まりました。航空機会社のサーブが初めて作ったクルマということで、岡部さんが口火を切ります。空力の話から始まるのかと思っていたら、まずはマッドガードを見てください、と意外なところから説明が始まります。ここに記されているアイコンが双発機を正面から見たシルエットになっているという、恐ろしくディープな話なのでした。岡部さんの面目躍如というところです。

スクリーンには岡部さんが事前に描いてきたサーブ91のスケッチが映し出されます。これは訓練用の小型機で、これを見ることでサーブの出自がはっきりとわかります。

「フライングフェザー」
「フライングフェザー」 拡大
「チシタリア202クーペ」
「チシタリア202クーペ」 拡大

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“和製2CV”のフライングフェザー

次は、「F/F」ことフライングフェザー。きれいにレストアされたクルマでした。1950年代に少数が販売されたもので、簡素な構造の二人乗りです。

このモデルに関しては、高島さんから詳しい説明がありました。富谷龍一氏が設計したクルマで、隣に置いてあった2CVとの類似性について話がありました。2台とも合理的な思想で軽量、堅固に作られたオープンボディです。シートはパイプ構造で、これも同じ仕組みということでした。

高島さんは、「このクルマはあまり多くの数が作られなかったが、もしこのクルマが売れていればその後の日本の自動車に大きな影響を与えただろう」と残念そうに語っていました。

チシタリアについては主にデザインの面から話がありました。当時としては素晴らしく進んだ考えで作られたクルマであることが、細部を見ながら説明されました。

これらのクルマはすべて、エンジンフードを開けて見せてもらいました。外観だけでもなかなか見られないのにエンジンルームまで見られるというのは、うれしい限りの経験です。参加者は手に持ったカメラで盛んに写真を撮っていました。

飯田裕子さん
飯田裕子さん 拡大
松任谷正隆さん
松任谷正隆さん 拡大

松任谷さんでも手こずった

第2部は、松任谷正隆さんと飯田裕子さんによるトークショーです。こちらは、新しく発売された『CAR検公式テキスト 上級編 自動車クロニクル』と『CAR検公式問題集1級』を使って、本番に備えるプログラムです。

でも、まずお二人は「この会場に来るまでに2・3級の問題集をやってみたら、すごく難しかった……」と正直に告白。1級が相当な難関であることを予感させました。

すぐに傾向と対策の話を始めるのかと思ったら、トークはすっかり脱線してあらぬ方向へ。松任谷さんが岡山で食べるものがなくてスルメを5パック食べてお腹をこわした話など、CAR検とは全然関係ない話題で盛り上がりました。

もちろん、それだけで済ませるわけには生きません。問題集から抜粋した問題を、会場と一緒に解いていきます。これも、自信満々で解答すると間違っていたりして、威信を誇示するには至りませんでした。

会場には2級合格者も

会場の参加者には、選択肢に対して手を挙げて答えてもらいました。2級合格者もたくさんいたということでさすがにレベルが高く、連続して正解を続ける人が続出。成績上位者には、ご褒美として岡部いさくさん直筆のイラストをプレゼントしました。

さて、松任谷さんと飯田さんも、このまま引き下がって入られません。7月6日の本番に向けて、しっかり勉強することを会場で宣言しました。検定会場で、このお二人に会うことができるかもしれませんね。

※この日のイベントの様子は、CGTVで放映予定です。

(自動車文化検定委員会・鈴木真人)

鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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