「アウディA6」にワゴン版「アバント」が追加
2012.02.09 自動車ニュース「アウディA6」にステーションワゴンの「アバント」が追加
アウディ・ジャパンは2012年2月9日、アッパーミディアムクラスの「A6」に、ステーションワゴンの「A6アバント」を追加し、2月下旬から販売を開始する。
■伝統のアバント
2011年9月のフランクフルトショーでデビューし、同年11月の東京モーターショーでジャパンプレミアを果たした「アウディA6アバント」が、日本に上陸した。アウディは自社のステーションワゴンを“アバント”と呼び、「A4」シリーズと「A6」シリーズで代々展開してきた。エレガントなデザインであることを強調して他社との差別化を図ってきたが、新型A6アバントもまた、これまでの伝統にのっとった美しいデザインに仕上がっている。
新型A6アバントは、「アウディ100」の時代から数えて7代目にあたる現行の「アウディA6」をベースにしていることは言うまでもない。セダンとアバントではフロントマスクは共通だが、ほぼ水平に伸びるルーフラインと、なだらかに傾斜するDピラーが、スポーティーさと美しさを表現する。
全長×全幅×全高=4930×1875×1495mmのボディーサイズは、セダンよりも全高は30mm高いが、全長と全幅は同一。2910mmのホイールベースも同じ数字だ。セダンでも530リッターと余裕あるラゲッジスペースを確保するA6だが、このA6アバントは後席を倒さなくとも565リッターの容量を誇り、さらに、後席を倒せば最大1680リッターの広大なスペースを生み出すことが可能だ。
■アルミを20%使用した“ultra”ボディー
セダン同様、このA6アバントも“ultra(ウルトラ)”、すなわち、ウルトラ・ライトウェイト・テクノロジーにより、軽量化が図られている。ボディーの約20%にアルミニウムを使用し、また高張力鋼板を多用することで、「2.8FSIクワトロ」同士で比較した場合、新型は旧型に比べて約20kgの軽量化を達成している。セダン同様、ボンネットやフロントフェンダー、ドアをアルミ製にしたほか、テールゲートにもアルミを用いることで、同じパワートレインを積むセダンに比べて重量増を40kgに抑えたのも見逃せない。
用意されるパワートレインはセダンに準ずる。エンジンは、204ps/28.6kgmの2.8リッターV6直噴ガソリン(2.8FSI)と、300ps/44.9kgmのスーパーチャージャー付き3リッターV6直噴ガソリン(3.0TFSI)の2タイプで、デュアルクラッチギアボックスの7段Sトロニックが組み合わされる。駆動方式は全車フルタイム4WDの“クワトロ”となり、通常走行時は前40:後60にトルクを配分する。
直噴システムによるエンジンの高効率化に加えて、アイドリングストップやブレーキエネルギー回生機構、電動パワーステアリングの採用などにより、JC08モード燃費は2.8FSI搭載車が11.8km/リッター、3.0TFSIが11.0km/リッターを実現。いずれも旧モデルと比べて約20%の燃費向上になるとともに、2015年度燃費基準を達成。エコカー補助金や新エコカー減税の対象となる見込みだ。
■ジェスチャーでテールゲートが開く
アッパーミディアムクラスのステーションワゴンにふさわしい充実した装備も見どころのひとつ。オーディオ/ナビゲーションシステムは、8インチモニターとタッチパッドを備えた「MMIタッチ」を装備。「BOSEサラウンドサウンドシステム」を標準搭載する一方、オプションで「Bang&Olufsenアドバンストサウンドシステム」を用意している。ヘッドアップディスプレイやナイトビジョンシステム、フルLEDヘッドライトなどはオプション設定される。
ユニークな装備としては、リモコンキーを持った人がリアバンパーの下方で特定のジェスチャーをするとテールゲートが自動的に開く「バーチャルペダル付きオートマチックテールゲート」(オプション)を挙げることができる。
新型A6アバントの価格は、「2.8FSIクワトロ」が640万円、「3.0TFSIクワトロ」が865万円。これはセダンに対して30万円アップという数字だ。アウディ・ジャパンとしては、2012年の販売目標を800台としており、また、セダンとアバントの比率は6:4と予想しているが、付加されるアバントの機能を考えると、アバントの比率が高まる可能性もあるだろう。
(文=生方聡)
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