オペル・オメガワゴンMV6(4AT)【ブリーフテスト】
オペル・オメガワゴンMV6(4AT) 2001.08.14 試乗記 ……464.0万円 総合評価……★★★★貴重な存在
フラッグシップとはいえ、最近流行のカッコだけのワゴンとは対極にある、いかにもオペルらしい実用モデル。大量の荷物と人間を載せて長距離を行くためのタフなワゴンだ。「インサイドファースト」と謳われる広い室内、リアエンドのDピラーを立て、開口部を大きく取ったテイルゲートなど、より実用性を考えたスタイリングを特徴とする。走れば、ハイスピードクルージングを重視したしっかりしたサスペンションセッティングが頼もしい。後輪駆動のレイアウトも、荷物大量積載時のトラクション確保に威力を発揮する。このようなワゴンは国内外ともに少なくなっているから貴重な存在だ。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1993年12月に登場した、いまやオペルラインナップ中の最古参。FRレイアウトはそのままに、初代のプラットフォームを手直しした、前=マクファーソンストラット、後=セミトレーリングアーム(2代目になって補助リンクが追加された)のシャシーに、大柄なセダンもしくはワゴンボディを載せる。本国のエンジン構成は、当初2リッター直4、2.5と3リッターV6、そして2.5リッターターボディーゼルだった。98年にビッグマイナーを受け、内外ともリフレッシュされた。
(グレード概要)
セダン、ワゴンとも、日本に輸入されるのはV6モデルのみ。2.5リッター(170ps、23.1kgm)の「CD」と、3リッター(211ps、27.5kgm)の「MV6」がラインナップされる。トランスミッションは、いずれも4段AT。上級グレードのMV6は、ヘッドランプがキセノン、テイルパイプがツインになり、車高自動調整機能、クルーズコントロールが備わる。タイヤサイズも、CDの「205/65R15」に対し、「225/55R16」とひとまわり「太く」「薄く」「大きな」スポーティなものとなる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
大きなメーター、握りの太いステアリングホイール、武骨なボタン類と、確かに使い勝手や見やすさを考えてはいるが、趣味性は皆無。わずかに木目調パネルがフラッグシップを主張する。デザイン過多よりも、むしろ潔い。そこにオペルの良心がうかがえる。
(前席)……★★★
長距離を走っても疲れないのはさすがだが、最善のポジションが最後まで決まらなかった。大柄なので、シートの中で身体が踊るようだ。同じGMグループのサーブにならって、前席ヘッドレストは、追突時に前方に動いて「むち打ち症」になりにくくする機能が組み込まれる。
(後席)……★★
居住空間は広いが、シートの前後長が短く、座っていて落ち着かない。トンネルコンソール後端にエアコンの吹き出し口がふたつもあって、空調に関して前席とのイコールコンディションを図っているのだが……。分割可倒式のバックレストは、特に「SLIAS(侵入荷重対応ロックシステム)」と呼ばれる固定システムをもち、衝突時に荷物がブツかっても、背もたれが倒れないよう配慮される。
(荷室)……★★★★★
約1800リッター(VDA式)の容量をもつ広大なラゲッジスペース。床面最大幅140cm。ホイールハウスの張り出しが小さいのもいい。後席を畳めば、ヘタなミニバンをしのぐ空間が出現する。後席ヘッドレストはスイッチひとつで前方にたためるので、背もたれを倒す際にいちいち引き抜く必要がないし、重い荷物を滑らせて出し入れできるよう、ラゲッジフロアのマットにはリブが入る。カートリッジ式トノカバーは前方からも畳めるので室内からも荷室にアクセスできる。キャビンとラゲッジルームを仕切る「セイフティネット」は標準装備だ。使い勝手について、実によく考えられている。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★
3リッターV6「ECOTEC」ユニットは、つねにガサついた、一昔前のディーゼルエンジンのようなフィールだ。4段ATは高いギアを保持しがち。キックダウンしにくく、またエンジンブレーキが効きにくいため、街なかでは使いにくい。エンジンの負荷に合わせて3段階にインテークマニフォルドの長さを変える可変吸気機構「マルチラムインテークシステム」を備え、力強く太いフラットトルクは大いなる美点なのだが……。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
舗装のつなぎ目を拾うとビシッときついハーシュネス(突き上げ)あり。大きなうねりを乗り越えると、ときに揺れがなかなか収まらない。ところが不思議なことに、高速道路を淡々延々と走ることは苦にならない。むしろ、鷹揚な乗り心地のためか、疲れない。荷物と人間をたくさん積んでも、空荷時と変わらず穏やかに走るのではないか。そういう使い方をする人には5つ星だろう。タフなクルマだ。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:金子浩久
テスト日:2001年7月16日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:1999年型(2000年モデル)
テスト車の走行距離:2万2611km
タイヤ:(前)225/55R16 95W/(後)同じ(いずれもMichelin Pilot HX)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(8)
テスト距離:348.0km
使用燃料:41.2リッター
参考燃費:8.5km/リッター

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