第224回:「プジョー1007」海外試乗!もしや”コンパクト・リムジン”!?
2005.07.21 小沢コージの勢いまかせ!第224回:「プジョー1007」海外試乗!もしや”コンパクト・リムジン”!?
■コンパクト初!
いやー、オモロいクルマですわコレ、プジョー1007。この夏前、スペイン・バレンシアで乗ってきたんだけど、最大の注目点はなんと言ってもコンパクトカー初の両側電動スライドドア。すでにトヨタの「ポルテ」が片側電動スライドドアを出してるけど、いわばそれの両側版よ。
実際のところ、コンセプトが発表されたのは2002年のパリモーターショーであり、どっちが先か? はなかなか難しいところだけど、一見して目指すところは一緒だよね。
キモは“シティユースにおけるコンパクトカーの使い勝手の追求"であり、問題はどっちが優れてるか? でしょう。
ま、スライドドアっていえば、しょせん“ミニバン専用の便利機構”ってイメージがあったけど、それを唯一の2枚ドアに使ってしまった。そこがある種の“革命だよね。今まで天然でしかあり得ない本マグロを養殖で出してしまった!? あるいは自宅にも自動ドアを付けた!? みたいな。かなりゴーインなたとえですけど。
でもこういうの、俺は好きです。ウケ狙いといわれようが、思いつきといわれようが面白いと思ったのを試す。いくつかの国産メーカーは別にして、輸入ブランドのなかじゃ特にプジョーはこの手の“飛び道具”をオシャレに試すのがウマイよね。天井総ガラス張りのグラスルーフとかさ。
■予想外のデキ
結論から言っちゃいましょう。予想外にもポルテとは全然違うクルマでした。というのもポルテが片側スライドドアを採用しているだけでなく、室内がやけに短距離ドライブ優先でリアシートが小さく、「最寄り駅ー自宅の送迎専用車」とでもいうべき作りなのに対し、1007はドアが両側スライドドアになってる以外はまったく普通のコンパクトカー。
っていうかスライドドアを実現するためか、高さはコンパクトカーと呼ぶのをはばかられるほど大きめで、思ったより便利さ感じさせない。
もちろんスペック的には全長約3.73m、全幅約1.69mと十分コンパクトなんだけど、背の高さに加えて、ドアは分厚いし、リアシートも足元こそ狭めだけど、背もたれは意外とゆったりしていて、わりと長距離向き。誤解をおそれずに言えば“都市型コンパクト・リムジーン”って感じなのだ。
■日本で乗りたい
走りも思ったより鷹揚。プジョーのコンパクトってことで、どうしてもキュキュっとキビキビ走るイメージを持ちがちなんだけど、ハンドリングは意外とダルだし、背が高いから、左右ロールや前後ピッチングもそれなり。そのぶん、苦労して乗り心地を落とさずに足を締め上げ、姿勢変化を抑えようとしている気がした。だからこそ、乗って見た目より大きめに感じたのかもしれないが。
つまりね。これはハッキリとプジョーのチャレンジなんだよね。狭い街なかでも使えるサイズで、総合的なバランスをあえて求めず、“人を運ぶこと”に特化したらどうなるか。だからこそ、今までの「106」みたいな3ケタ名ではなく、「○00○」って4ケタ名にしたんだしさ。
キモは両側スライドドアの実際の使い勝手と、日本における長距離の疲れ具合と、あの頭デッカチ風デザインがどのように風景に溶け込むか。
果たして短距離ランナーのポルテが勝つか、長距離ランナー(?)っぽい1007が勝つか。末続慎吾 vs 高橋尚子!!??
来年が楽しみですわ。
(文=小沢コージ/写真=プジョー)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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