第216回:祝!!フランス車“復活の日”?プジョー407セダン&ワゴン試乗
2005.06.14 小沢コージの勢いまかせ!第216回:祝!!フランス車“復活の日”?プジョー407セダン&ワゴン試乗
■フランス車、キてます
「シトロエンC4」に乗ったときあたりから、薄々感じてたんだよね。フランス車の走りが復活してきてるんじゃないかしら? と。
実はシトロエンのみならず、最近はプジョーにしても、ルノーにしても、デザインは個性化が進んでてフランスらしく大変良い(難解な部分は減ってるが)。一方、走りはそのわりにピンとこなかった。
特にプジョー307。デザインにしても顔やリアのテールランプこそは最近の“プジョー猫”路線だけど、ピラーにしろ骨太だし、全体のフォルムは確実にゴルフっぽい。
なかでも足まわりよ。フランス車らしいフラット感はあるにせよ、ハッキリと締め上げられてて、まさに「フランス版ゴルフ」。
206にしても「CC」を筆頭にスポーティ系はやや硬すぎで、一番いいのは一番安くて非力な206スタイル。常々「なんで全部スタイルみたいな足にならないのかなぁ」とか思ってたわけよ。
![]() |
■復活のフランス車
そしたら407セダンに乗って驚き。昔の良さが復活してきてるのだ。
最初に感じる、路面への当たりは結構ゴツゴツしてるんだけど、主要なウネリはふところ深く吸収。サスペンションがよく動いてる。
それでいて感心するのは、ステアリングの効きがいいこと。思ったようにノーズが左右を向き、それも敏感すぎず、適度にしっかり効く。
この硬さと柔らかさのバランス! まさにフランス車、という気がしました。個人的にはもっと柔らかくてもいいですけど。
■マメになったぞフランス人!
それから実用性ね。モーターショーで最初に407を見た時に感じたのは、「これって昔のホンダ・プレリュードみたいなクルマじゃない?」という懸念。そう、デザインのためには室内スペースはもちろん、走りも犠牲にするという“デザイン至上主義”!
たしかにデザイン優先の部分もあります。ノーズなんて不自然なくらいに低いし、後部座席も座面は決して高くなく、姿勢を上向きにすることで屋根の低さを補ってる。
でもね。前後シートとも決して窮屈さではないし、ポジションも自然、トランク容量も十分。なにより走りが前述のように非常にナイスなのだ。往年のプレリュードのような、不自然なゴーカートフィーリングはない。カッコつけつつも、しっかり実用性は確保してある。さすがはフランス人!
さらにいうとナビモニターが付けられる、日本専用のインパネデザインを採用しているのにも驚かされた。いつからこんなにマメになったんだフランス人!
ちなみにエンジンは2.2リッター直4と3リッターV6があり、3リッターの方がパワフルで滑らかだが、2.2リッターの方が全体的に好印象。十分なトルクがあり、ステアリングの効きがさらによかった。
という具合にオススメなんです。プジョー407&シトロエンC4! ではアデュ〜。
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
NEW
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。 -
進化したオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2」の走りを体感
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>欧州・北米に続き、ネクセンの最新オールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2(エヌブルー4シーズン2)」が日本にも上陸。進化したその性能は、いかなるものなのか。「ルノー・カングー」に装着したオーナーのロングドライブに同行し、リアルな評価を聞いた。 -
ウインターライフが変わる・広がる ダンロップ「シンクロウェザー」の真価
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>あらゆる路面にシンクロし、四季を通して高い性能を発揮する、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。そのウインター性能はどれほどのものか? 横浜、河口湖、八ヶ岳の3拠点生活を送る自動車ヘビーユーザーが、冬の八ヶ岳でその真価に触れた。 -
第321回:私の名前を覚えていますか
2025.10.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。24年ぶりに復活したホンダの新型「プレリュード」がリバイバルヒットを飛ばすなか、その陰でひっそりと消えていく2ドアクーペがある。今回はスペシャリティークーペについて、カーマニア的に考察した。