第157回:発見!MINIがファッショナブルな理由 ボスはカルバン・クライン担当だった!
2004.08.31 小沢コージの勢いまかせ!第157回:発見!MINIがファッショナブルな理由 ボスはカルバン・クライン担当だった!
■MINIのキーパーソン!?
いやー、発見発見大発見! 個人的に大満足でした。今回の「MINIクーパーコンバーチブル」海外試乗会。あのジダン様が生まれたマルセイユの、なんともいえない歴史ある港町具合もよかったけど、個人的にすんげぇ勉強になったのだ。MINIって前々から、なんか違うなぁって感じてたのね。クラシックさとモダンさが絶妙にないまぜにされたデザインもそうだし、広告戦略もシャレてるよね。「MINI STYLE」などのイカしたキャッチコピーとか、映画のワンシーンみたいなポスターとかさ。
でね。今回のコンバーチブルのプレゼンテーションに、気になる人がいたのよ。なんとも頭のよさそうな、キャリアありそうな女性が。その名も Ms.Hildegard Wortmann。今まで海外試乗会に出てくる現地スタッフって、ハッキリいって白人男性しかいなかったけど、どっこい MINIは違う。ウォルトマンさんがヤケに沢山出てくる。
こりゃニューMINI開発の重要なキーマン(キーウーマン?)か? と思ったらピンポーン! マーケティング・コミニュケーション、ブランド&プロダクト・ストラテジーのゼネラルマネージャーだったのだ。俺のカンもまんざら捨てたモンじゃないよね。
インタビューを試みたところ快諾。ウォルトマン女史は語ってくれた。
■クルマも靴も同じ
小沢:前々から思ってましたけど、MINIってファッショナブルですよね。製品だけでなく。
ウォルトマン:その通りです。MINIは売り方だとか、プレミアム性、ブランド力を凄く大切にしてますから。
小沢:どうしてなんでしょう。
ウォルトマン:MINIはヨーロッパでは、イギリスの伝統的なイメージが強いですけど、アメリカなどでは元々有名じゃないですから、新たにブランドを再構築しなければいけませんでした。それでいて古いイメージも捨ててはいけないし、ブランドイメージにはかなり気を使いましたね。
小沢:結果は成功してますね。
ウォルトマン:ありがとうございます。日本でも東京の六本木にショールームができて、ルイ・ヴィトンが隣にあったりするんですよ。
小沢:そこでクルマは沢山売れてる?
ウォルトマン:いいえ(笑)。そう簡単に売れるようなものではありませんが、そこではクルマが売れるだけでなくてもいいと考えてます。アイテムを売るつもりなんです。
小沢:へぇー、そりゃ画期的だわ。
ウォルトマン:MINIはクルマ自体のクオリティはもちろん、プレミアム性も高い。それとは別にブランド力も強い。これを2本の柱にしていくつもりなんです。
小沢:具体的には。
ウォルトマン:今回も発表したのですが、一流のファッションブランドと組んで、MINIブランドの製品を順次発売していきます。マンダリーナ・ダックのバックとか、De Rigoのサングラスとか。
小沢:ところで、ウォルトマンさんは最初からBMWのスタッフなんですか?
ウォルトマン:いいえ(笑)。BMWに入ったのは6年前で、その前はユニリーバという会社でブランド・ストラテジーの仕事をしていました。前の担当はカルバン・クラインだったんです。
小沢:えっ! カルバン・クライン……。あの日本でもパンツのロゴとか見せるの流行りましたけど、あんなことやってたんですねぇ。クルマ業界に、今までではありえませんでしたよ。
ウォルトマン:正確には知りませんが、おそらく、私のような立場の人間がマネージャーになることはなかったと思います。
小沢:MINIならでは、ですよねぇ。ところでクルマをファッション化する上での難しさってなんですか。今までと勝手が違いますよね。
ウォルトマン:特に問題はありませんでした。対象が“プレミアム”だったら、香水でも靴でも自動車でも関係ないんです。戦略は同じですから。
小沢:クルマも靴も戦略は同じ?
ウォルトマン:あえていうと、BMWのインターンの構造とあわせるのが難しかったかもしれません。BMWには独自のブランドのカルチャーがありますから、その中にまったく別の文化を持つMINIチームを作る必要がありました。
小沢:BMWのマネージャーで他に女性っていないと思うんですけど、単純にクルマメーカーって男性社会でやりにくくないですか。
ウォルトマン:それはノーコメントにしてください(笑)。
うーむ、興味深いインタビューでありました。ウォルトマンさん。ドイツ出身の方でその後アメリカに渡り、ファッション業界でキャリアアップをしてきたらしい。特にカルバン・クライン担当って凄いよね。おそらくウォルトマンさんがやっていた時代、日本でも爆発的にブレイクしたはずだから。ハッキリ言ってファッション業界の必殺仕事請負人! とお見受けしました。彼女がいたからこそ、今のMINIのファッショナブルさはあるのかも。今後、日本に来られるようだし、お会いできたらまたご報告しますね。
じゃ、アデュー!
(文と写真=小沢コージ/2004年9月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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