第115回:モーターサイクルショー報告(その2)「2輪になるとホンダはトヨタになる!?」の法則
2004.04.09 小沢コージの勢いまかせ!第115回:モーターサイクルショー報告(その2)「2輪になるとホンダはトヨタになる!?」の法則
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■コイツはまいった!
昔からね、「2輪界になると、ホンダはトヨタみたいになる」ってよく言われるんだけど、今回もそれを実感いたしました。新型「ホンダ・フォルツァ」を見てのお話。
この250ccスクーターの世界は、今のところ「ヤマハ・マジェスティ」のひとり勝ちなのよ。なんせ年間2万台ペース。これは一時のバイクブームやレーサーレプリカブームに匹敵する数値だという。
それに対抗して、新型フォルツァが今回のモーターサイクルショーに登場したんだけどさ。ハッキリ言っちゃうとね。「マジェスティそっくり」でした。
スタイルだけならまだいい(そんなことないけど……)。中身がね。「こりゃ便利」「コイツはまいった!」って感じに、マジェスティ以上の進化を遂げてるのだ。
たとえば物入れ。インパネ(っていうのかなぁ?)の真下にはふた付きの物入れではなく、完全に引き出し式の物入れがあり、容量5リッターと実にデカい。その隣のふた付きのスペースには500ccのペットボトルが入りました。さらに、シートを上げた時の荷物スペースが大きく、ゴルフクラブ(45インチ)が14 本入れられるとか、リアシートの座りやすさに気を使ったとか、もう至れり尽くせり。
インパネ自体も乗用車っぽく魅力的。聞けば「新型オデッセイとまったく同じ」というシボ付きの黒い樹脂が貼り付けてあり、質感が非常に高い。
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■2輪初のスマートキー
それから感動したのが、4輪譲りのスクーター初の「スマートキー」ね。
実はコイツ「バイクにこそ便利」って話があって、なぜなら「手袋して」ようが「荷物を背中にしょって」いようが、キーを持って近くに行けば、それをキーホールに突っ込まずエンジン始動ができるシステムなのだ。こりゃ使える! ってマジ思っちゃいました。オマケに値段も59万7450円からと、マジェスティの 58万6950円に匹敵!
ってな具合で乗ってないから「走り」はわかんないんだけど、「なんとなくマジェスティみたいのが欲しくて、ラクなのに弱くて、同じようなもんなら便利な方がいい!」って考える人なら、おそらくコレ買っちゃうかも? って思わされました。
やり方がちょっとトヨタっぽいでしょ? 深層心理をわかってるというか、人の心をくすぐるのがうまいというか、エゲツないというか……。
ま、物づくりというのは、実に厳しい競争社会でありますな。マジメな話。
(文と写真=小沢コージ/2004年4月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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