トヨタMR-S Vエディション(5MT)【ブリーフテスト】
トヨタMR-S Vエディション(5MTシーケンシャル) 2000.09.04 試乗記 ……226.8万円 総合評価……★★★アーバンスポーツマン
1997年の東京モーターショーで展示されたMR-Sが装備していたシーケンシャルシフト、ついに市販化実現! エライぞトヨタ! しかもATのスポーツモードでお茶を濁さず、電子制御クラッチだァ! スゴイ! でも、こんなニッチなもんに大トヨタが金かけられっかァと、ドイツはルーク社製だァ!
シフトレバーを、手前にひくとアップ、前方に押すとダウン。アップ時にスロットルをすこし戻すのがコツといえばコツだが、ズボラに操作しても問題ない。クラッチの繊細な電子制御も驚異だが、5速、1500rpm、30km/hでも、ちゃんとクルマを動かす粘り強いエンジンにも拍手ゥ! 停車すると自動的に1速に。シフトの多い街なかでは、ラクチンラクチン。まさにアーバンスポーツカー。
シフトダウン時、必要とあらば「中吹かし」を入れてくれる。上手だ。でも、そんなもん、ヒトにやってもらってどうする。MR-S、スポーツはしたいが汗はかきたくないアーバンスポーツマン向けか。AT免許でも乗れる。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
MR2の後を継いで、1999年10月12日に登場した2座オープン。1.8リッターユニットをミドに積む。トランスミッションは、通常のHゲイト、シーケンシャル(2ペダル)、2種類の5MTが選べる。
(グレード概要)
シーケンシャルシフト搭載のMR-Sは、Hゲイトモデルに遅れること約10カ月、2000年8月4日に販売開始。MR-Sの5MTに、ドイツはルーク社製の制御ユニットを組み合わせた。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★
デザイン要素が多く、全体に煩雑。樹脂、プラスチック、革、アルミそれぞれの素材感が個性を主張。ウルサイ。もっとも、空調関係、オプションのMD・CD一体ラジオなどは、操作がシンプルで使いやすい。
(前席)……★★★
スポーツカーらしい、低い着座位置がイイ。シートは、ポルシェのそれを大柄にした形態。ホールド性はいいが、尻、腰が沈む座り心地が不満。リアウィンドウがガラス製のホロは、手動ながらZ状に折り畳め、開閉が簡単。後方視界もしっかり確保される。
(荷室)……★★★
スペースが取りにくいミドシップスポーツにもかかわらず、座面後、フロントカウル下に実用的なラゲッジルームを確保、大衆車メーカーの意地を見せた。シート後の荷室は、幅105cm、高さ35cm、奥行き30cm。フロントは、開口部が60×48cm、深さが70cmである。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
アップ、ダウンとも、まったく実用的なシーケンシャルシフト。惜しむらくは、ダウン時の中吹かしサウンドが、いまひとつ。ステアリングホイールにもシフトボタンが備わるが。これはオマケ。ギアチェンジは得意だが、バックは苦手。クラッチのつながりが唐突だ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
硬いうえにストローク感のない足まわり。高速の継ぎ目で、ボディが軽くシェイクするのが気になる。「お軽いつくり」といった印象。一方、ハンドリングは軽快。こちらは好感。軽い気持ちで山道を駆けることができる。
(写真=五條伴好)
【テストデータ】
報告者:web CG 青木禎之
テスト日:2000年8月31日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:931km
タイヤ:(前)185/55R15 81V/(後)205/50R15 85V(いずれもYokohama Advan A043)
オプション装備:ヘリカルLSD(3.0万円)/MD・CD一体ラジオ4スピーカー(6.3万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
走行距離:351.2km
使用燃料:38.2リッター
参考燃費:9.2km/リッター
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
BYDシールAWD(4WD)【試乗記】 2026.1.17 BYDのBEVサルーン「シール」の機能アップデートモデルが登場。強化のポイント自体はそれほど多くないが、4WDモデルの「シールAWD」は新たに電子制御式の可変ダンパーを装備したというから見逃せない。さまざまなシーンでの乗り心地をチェックした。
-
マツダCX-60 XDドライブエディション ナッパレザーパッケージ(4WD/8AT)【試乗記】 2026.1.14 「マツダCX-60」に新グレードの「XDドライブエディション ナッパレザーパッケージ」が登場。スポーティーさと力強さ、上質さを追求したというその中身を精査するとともに、国内デビューから3年を経た“ラージ商品群第1弾”の成熟度をチェックした。
-
カワサキKLX230シェルパS(6MT)【レビュー】 2026.1.13 その出来には“セロー乗り”も太鼓判!? カワサキのトレイルバイク「KLX230シェルパ」に、ローダウン仕様の「シェルパS」が登場。安心の足つき性で間口を広げた一台だが、実際に走らせてみると、ストリートでも楽しめるオールラウンダーに仕上がっていた。
-
メルセデス・ベンツC220dラグジュアリー(FR/9AT)【試乗記】 2026.1.12 輸入車における定番の人気モデル「メルセデス・ベンツCクラス」。モデルライフ中にも年次改良で進化し続けるこのクルマの、現在の実力はいかほどか? ディーゼルエンジンと充実装備が魅力のグレード「C220dラグジュアリー」で確かめた。
-
日産ルークス ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション(FF/CVT)【試乗記】 2026.1.10 日産の軽スーパーハイトワゴン「ルークス」がフルモデルチェンジ。「見えない危険が……」のテレビCMでお茶の間をにぎわせているが、走る、曲がる、止まるをはじめとしたクルマ全体としての仕上がりはどうか。最上級グレードをテストした。
-
NEW
クルマの乗り味の“味”って何だ?
2026.1.20あの多田哲哉のクルマQ&A「乗り味」という言葉があるように、クルマの運転感覚は“味”で表現されることがある。では、車両開発者はその味をどう解釈して、どんなプロセスで理想を実現しているのか? 元トヨタのエンジニア、多田哲哉さんに聞いた。 -
NEW
プジョー208 GTハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】
2026.1.20試乗記「プジョー208」にマイルドハイブリッド車の「GTハイブリッド」が登場。仕組みとしては先に上陸を果たしたステランティス グループの各車と同じだが、小さなボディーに合わせてパワーが絞られているのが興味深いところだ。果たしてその乗り味は? -
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。



































