スバル・レガシィシリーズ【試乗記】
スバル・レガシィシリーズ 2001.05.26 試乗記 「ちょい乗り」試乗報告 スバルの生命線を握るレガシィシリーズ。「ツーリングワゴン」「B4」「ランカスター」の3本の矢で富士重工を盛り立てる。2001年5月22日にマイナーチェンジを受け、「3Keys Legacy」として再登場。CMキャラクター、ジェニファー・ロペスのココロを開ける「鍵」をもつ(という設定の)ニューモデル群やいかに?雨のせいだけじゃないB4 RS25(4AT)……272.3万円
テスト車が置かれた駐車場からホテルのエントラントまでは短い登り坂になっている。「心を加速させる『鍵』」たるスポーツセダン、B4 RS25のスロットルペダルを踏んで走りだしたとたん、「ムムッ」と思った。シットリしていて、それでいて力強い。シットリしているのは、雨が降っているせいだけではなくて、新たにB4に積まれることになった2.5リッターNAユニットのおかげだ。
RS25は、ビルシュタイン製ダンパーや17インチホイール、アルミ鍛造製フロントロアアームといった2リッターターボ「RSK」の足まわりはほぼそのままに、ツーリングワゴンに設定されている2.5リッター水平対向4気筒自然吸気ユニットを搭載した4WDセダンである。従来からラインナップされる2リッターNAより463cc大きなフラット4は、15psと4.3kgm大きなアウトプットを、いずれも4000rpm低い6000rpmとわずか2800rpmで発生する。タコメーターの針がターボバンドに入れば問答無用の速さを見せるRSKと較べ、RS25はタイヤのひと転がりから骨太だ。ちょっと驚くほどオトナ、な印象を受ける。
新しいレガシィシリーズは、3車種とも顔つきが変わった。グリル、バンパー形状が変更され、全車4灯式ヘッドライトを採用、アルミ製ボンネットに刻まれたキャラクターラインの彫りを深くすることで、精悍さが強調された。フロントのオーナメントがスバル・エンブレムたる「六連星(むつらぼし)」で統一されたのも新しい。「2001年をプレミアムブランド戦略の“元年”としたい」とのこと。スバルを、スペシャルな自動車メーカーに押し上げようというのだ。
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スポーツと快適のせめぎあいツーリングワゴン GT-B E-tuneII(5MT)……295.8万円
「自分を解き放つ『鍵』」であり、富士重工の業績の鍵であるツーリングワゴンには、一番スポーティな「ターボ+5MT」車に乗った。ドコドコドコ……というボクサーサウンドが勇ましい。
ニューシリーズに共通するメカニカルなリファインは、足まわりの強化である。すべてのクルマに、リア「サイドパフォーマンスアーム」が採用された。これは、ボディと、サスペンションアームを取り付けるサブフレームを結ぶもので、サブフレームのブッシュがたわむことによって起こるジオメトリー変化を抑えるのが目的だ。ノイズや振動が車内に入ることを防ぐサブフレームの役割を損なうことなく、走行性能も確保したいという、ずいぶん欲張りな試みである。
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一歩先を読むランカスター6ADA(4AT)……348.0万円
スムーズな6気筒ユニット。落ちついたダークブラウンのウッドパネルと、シートやドアトリムに使われるバックスキン調の生地が上品なランカスター6。「少年に戻る『鍵』」とカタログには謳われる。
「その男、ランカスター」のニュースは、ADA(Active Driving Assist)装備モデルが加わったこと。ADAとは、フロントガラス上端に人間の目にあたる2つのCCDカメラを装着、そこから得られる立体画像情報、ナビゲーションシステムからの道路情報、アンチスピンデバイス「VDC」が感知した走行状態などを総合的に判断して、その名の通りドライバーを支援してくれるシステムである。車線を逸脱しそうになったり、前のクルマと近づきすぎたり、カーブへの進入速度が高すぎた場合などに、警告灯を点けたり警告音を発したりする。前方の障害物を急ハンドルで避けた場合には、ブレーキを個別に制御するVDAの特性を、より収束性を増す方向に変化させる。自動運転の一歩手前。一歩先を読む装置が、クルマの未来を先んじることになるのかどうかのトライアル。
ランカスター全車に関しては、サスペンションのジオメトリー変更で「発進時のスクワット」「制動時のダイブ」を、フロントダンパーにリバウンドスプリングを内蔵することでロールを抑えるセッティングとした。少年に戻りに行くときの、オンロードでの性能をより重視したわけである。
(webCGアオキ/撮影=難波ケンジ/2001年5月)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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