ルノー・カングー1.4(4AT)【試乗記】
押さえはバッチリ 2002.03.28 試乗記 ルノー・カングー1.4(4AT) ……175.0万円 ミニバンや背高ワゴンが人気のニッポンに、フランス発のセミトールワゴン「ルノー・カングー」が導入される。2002年3月27日の販売開始前日、神奈川県の葉山でwebCG記者がチョイ乗りした。隠れた大ヒット
2002年3月13日、新型ルーテシアの導入を始めたばかりのルノーが、また新たなモデルを投入する。両側スライドドア付きの、背高キャビンスペースをもつ、いわゆるセミトールワゴン「カングー」がそれだ。欧州では1997年に発売が開始され、2003年3月に総生産台数100万台を突破した、ルノーの隠れた(?)ヒット作である。ちなみに「KANGOO」という名前は、由来も意味もない、まったくの造語だそうです。
カタチから想像できるかもしれないが、ヨーロッパでは、郵便屋さんやパン屋さんなどが配達に使う、商用車としての利用率が高い。本国フランスでは商用車のうち、半分をルノー・カングーが占める。生産されたカングーのうち、約70%はワークユースだそうである。
カングーを「第35回東京モーターショー」に参考出品した際、ルノーブースでの評判が最も高かったという。ルノージャポン社長のロベルト・パロタ氏によると、20代〜30代のカップルや小さい子供がいる家族や、子育ての終わったシニア夫婦がターゲット。もちろん、ワークユースも想定する。つまり、できるだけ多くの人に買ってもらいたい。輸入車の背高ワゴンは珍しいから、「セミトールワゴンが欲しいけど、国産はヤダな……」と思う人には、嬉しいニュースだ。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=3995×1675×1827mm。縦横の長さはルーテシアより、それぞれ185mmと5mm長いだけで、路面占有面積はコンパクト。本国には、1.6リッターと1.4リッターモデルの2種類があるが、日本に導入されるのは、価格設定を考慮して1.4リッターのみ。トランスミッションは、ドライバーの運転パターンを学習する「プロアクティブ4AT」が組み合わされる。
特筆すべきは、安全性への配慮。前席SRSエアバッグ&サイドエアバッグは標準装備。ABSはもちろん、3人がけの後席は、真ん中にも立派なヘッドレストと、3点式シートベルトが備わる。ヨーロッパの衝突安全評価機構「ユーロNCAP」で4つ星を獲得した。
折り紙付き
1.4リッターエンジンは、パワフルではないけれど十分といえる。試乗の際は1人で運転していたが、「5人+荷物」を積載した場合、高速道路の合流などではちょっと緊張を強いられるかもしれない。
運転席は座面の広さも十分、適度に硬いシートの座り心地は悪くない。が、ホワンと優しいルーテシアほど、良くはない。広い窓と低いスカットルが、良好な視界を提供する。ヘッドライト上端からボンネットが盛り上がり、常に視界に入るので、見切りがとてもいい。試乗会場付近の神奈川県葉山は狭い道が多く、これにはかなり助けられた。
後席は、6:4の分割可倒で、フロントシートの後ろに、背もたれと倒したシートごと、跳ね上げることも可能。国産ミニバンと較べてシンプルだ。そのかわり(?)、座り心地に不満はない。リアシートをたたむと、奥行き1.5mのラゲッジスペースが出現。床面が樹脂加工されているから、汚れたり濡れたりした荷物も、気にせず積みこめる。「サーフィンやスノーボードなどを楽しむ人には便利」と、ルノーの担当者は語る。なお、本国には、観音開き式とハッチゲート式、2種類のリアドアが存在するが、日本に導入されるのは、ハッチゲート式のみだ。
ルノー・カングーは、3列シートもフルフラット機構も備わらないが、視界のよさ、シートのつくり、荷室の確保など、基本性能の押さえはバッチリ。実用性も信頼性も、商用車での利用率が高いということをふまえれば、折り紙付きといえる。
(文=webCGオオサワ/写真=峰 昌宏/2002年3月)

大澤 俊博
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