第180回:ルノースポール、日本を走る(前編) ~初めて取り組む「鈴鹿のテスト」【Movie】
2013.04.28 エディターから一言ルノーのスポーツモデルやレーシングカーの開発を担うルノースポールが、ヨーロッパ以外では初となる走行テストを、2013年4月12日から17日にかけて、日本で実施した。そのうち17日に鈴鹿サーキットで行われたタイムアタックなどの様子を、取材することができた。
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日本は“特別な場所”
今回来日したのは、チェアマンのパトリス・ラティ氏、チーフシャシーダイナミクスエンジニアのフィリップ・メリメ氏、国際マーケティングマネージャーのジャン・カルカ氏、そして、「メガーヌ ルノースポール」でニュルブルクリンク“FF車最速タイム”を記録しているテストドライバー ロラン・ウルゴン氏の4人だ。ルノースポールのチェアマンが来日するのは、今回が初めてのことである。
それにしても、なぜ日本なのか? その疑問に対して、ラティ氏は次のように答えた。
「日本はとても大切なマーケットであり、これから伸びる可能性もあります。さらに鈴鹿は、アジアでもっとも有名なグランプリコースであり、ヨーロッパのニュルブルクリンクに相当する存在だと思っています。テストに最適の場所だと判断したのです」
ちなみに、昨2012年の日本市場における「ルノースポール」モデルの販売台数は、ヨーロッパ以外ではオーストラリアに次いで2位(世界全体では6位)。世界で315拠点を数えるルノースポール・スペシャリストディーラーの数も、フランス、ドイツに次ぐ世界第3位(17拠点)となっている。たしかに“メジャーなマーケット”だ。
「走りまくる」のが大事
テスト車両は、日本仕様の「メガーヌ ルノースポール」。英国でのテストの経験がない彼らにとっては、初の右ハンドル車でのテストである。チームは12日から14日までの3日間で、東名・名神高速道路の東京~大阪間を走破したほか、首都高速道路や京都市内などさまざまな公道を走り、日本の交通環境や道路環境を調査したという。
週明けの15日は鈴鹿サーキットを4時間占有してテスト走行を行い、17日には2日前のテスト結果を踏まえ、評価のためのタイムアタックを行った。その結果、事前に設定していた基準タイムの2分34秒を上回る、2分33秒328を記録している。
公道やサーキットでのテストを行う意味についてメリメ氏は、次のように解説した。
「ルノースポールといえども、開発の8割はコンピューターのシミュレーションで行います。しかし残りの2割は、テストドライバーなど職人の腕に掛かっています。だから世界のサーキットや公道を訪ね、とにかく走りまくるのです」
ルノースポールのクルマたちが、ただ速いだけでなく、ドライバーとクルマが一体になり、走りの世界に引き込まれるように夢中になれるのは、こうした血の通ったクルマ作りにあるのだと納得した。
今回のテストで得られたデータは、今後のクルマ作りに生かしていくとのこと。いままで以上に日本に最適化したルノースポールの登場に期待ができそうだ。
(文=森口将之/写真=ルノー・ジャポン、webCG)
→後編:ロラン・ウルゴン氏インタビュー&同乗走行リポートはこちら
【Movie】ロラン・ウルゴン、鈴鹿を走る!
ニュルでFF車最速タイムを出したテストドライバー ロラン・ウルゴン氏。「メガーヌ ルノースポール」による鈴鹿タイムアタックの様子を紹介する。

森口 将之
モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。ヒストリックカーから自動運転車まで、さらにはモーターサイクルに自転車、公共交通、そして道路と、モビリティーにまつわる全般を分け隔てなく取材し、さまざまなメディアを通して発信する。グッドデザイン賞の審査委員を長年務めている関係もあり、デザインへの造詣も深い。プライベートではフランスおよびフランス車をこよなく愛しており、現在の所有車はルノーの「アヴァンタイム」と「トゥインゴ」。
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