第13回「スポーツカーとは何か?」
2013.08.30 水野和敏的視点明確なアイデンティティーが必要
前回まではセダンやハッチバックなど、実用車に試乗してきましたが、今回からしばらくは「スポーツカー」がテーマです。試乗車は3台。価格帯や存在感や、ターゲットカスタマーの異なるスポーツカーを集めてみました。
その顔ぶれは、1250万円の「ジャガーFタイプS V8」(8AT)、740万円の「ポルシェ・ボクスターS」(6MT)、そして297万円の「トヨタ86 GTリミテッド」(6MT)です。オリジンとなる国も、もちろん積んでいるエンジンの排気量も違いますが、スポーツをキーワードに、ひとくくりにしてみた場合、共通する要素はあるのか、大事なことは何なのか、進化していくべきものは、そして足りないものは……等々、見えてくるものがあるのではないでしょうか。
テスト車の詳細は、追って述べるとして、3台を簡単にまとめてみます。
まず、「ヴィンテージラグジュアリー」とでも呼びたくなる、ロマンスグレー紳士に向けたジャガーFタイプ。
それに対してポルシェ・ボクスターは、「アナタは働き盛り。そしてスポーツカーもしっかりと格好をつけながら操るんですよ」と、40代の運転者を激励してくれるクルマ。
では、トヨタ86に込められたメッセージとは何でしょうか。
お客さまから「気軽に乗れる250万円程度のスポーツカーが欲しい」と言われたから作られたクルマ、でしょうか。そして「このクルマの何がスポーツで、何が存在する意味ですか」と問われたら、「市場要望は満たしました。販売価格も妥当です。そしてアフターショップでの改造もできます」と答えるのでしょうか。
しかし、ちょっと考えてみてください。こういった言葉は、スポーツカーではなく、実用的なバリューカーに向けた答えと、何ら変わりがありません。
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