BMW 540i Mスポーツ(前編)

2017.03.23 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 SUPER GTや86/BRZ Raceで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回のテーマは、軽量化、燃費改善、部分自動運転の実現と、大幅に洗練された新型「BMW 5シリーズ」である。全方位的進化を遂げた“駆けぬける歓び”を、谷口はどう評価するのだろうか? 3リッター直6ターボを搭載する「540i」に試乗する。
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操ったつもりが操られてる?

この日、谷口信輝に試乗してもらったのは、まだデビューしたばかりのBMW 5シリーズ。それも340ps(250kW)/45.9kgm(450Nm)を発生する3リッター直6ガソリンターボ・エンジンを搭載した(現時点での)トップパフォーマーである540iを、一段とスポーティーに仕立てたMスポーツ パッケージ仕様。“走り屋”の谷口だったらきっと気に入るに違いない。そんな期待を抱きながら、いつもの箱根のワインディングロードに向かった。

試乗を終えた谷口は無言のままフロントグリルの前に向かうと、BMWの象徴であるキドニーグリルを眺めていた。彼がしばらく黙ったままだったので、私から「グリルのこの部分が電子制御で開くんですよ。まるで、AE86時代の『トレノ』みたいに……」とマメ知識を披露してみる。すると谷口は「え? ここ開くの? 本当? どうやって動くの?」と矢継ぎ早に質問を始めた。このときはたまたまエンジンをかけたままだったこともあって、タイミングよくグリルが開いた。

「おお、本当だ。グリルのなかのフタが小さく分割されていて、そのひとつひとつがクルッと回って冷却気を取り入れるようになるんだ。これで空気抵抗を減らしているんですね。へー。あ、でも、ここは開かないんだ?」
そう、グリルの中央部はミリ波レーダーが搭載されているためにグリルは開かない。そんな細かいところに気づく谷口は、本当にクルマ好きだなあとあらためて感心させられた。

で、肝心なクルマの印象はどうだったのか?
「なんかね、運転していてクルマの支配下に置かれている感じがハンパない(笑)」
ん? それはどういう意味なのだろうか?
「自分がクルマにうまいこと転がされちゃっている感じがするんですよ」
そう聞くと、ドライバーに工夫の余地が残されていないつまらないクルマのように思えるが、実際はどうだったのだろうか?

 
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BMW 540i Mスポーツ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4945×1870×1480mm/ホイールベース:2975mm/車重:1810kg/駆動方式:FR/エンジン:3リッター直6 DOHC 24バルブ ターボ/トランスミッション:8段AT/最高出力:340ps(250kW)/5500rpm/最大トルク:45.9kgm(450Nm)/1380-5200rpm/タイヤ:(前)245/40R19 (後)275/35R19/価格:986万円
BMW 540i Mスポーツ
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4945×1870×1480mm/ホイールベース:2975mm/車重:1810kg/駆動方式:FR/エンジン:3リッター直6 DOHC 24バルブ ターボ/トランスミッション:8段AT/最高出力:340ps(250kW)/5500rpm/最大トルク:45.9kgm(450Nm)/1380-5200rpm/タイヤ:(前)245/40R19 (後)275/35R19/価格:986万円拡大