第407回:DSの「第2章」が始まる
ブランド統括責任者が語るこれからのDS
2017.04.28
エディターから一言
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日本でも今年初めて専売店である「DSストア」がオープンするなど、新戦略が本格化するフレンチラグジュアリーブランドのDSオートモビル。この新生ブランドのキーマンのひとりであるDSオートモビルのブランド統括責任者、エリック・アポド氏が来日。webCGでは、わずかな時間ではあるが、アポド氏の単独インタビューの機会を得た。第2世代にステップを進め、大きな変化を遂げようとしているDSブランドの今、そして将来について伺った。
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全6車種態勢を目指す
――今年3月に開催されたジュネーブショーでは、DS第2世代モデルの第1弾として、SUVの「DS 7クロスバック」が公開されました。新世代モデルのトップバッターがSUVかつラインナップの中で最も大きいモデルとなったことは、今後のDSラインナップでどのような意味を持つのでしょうか。やはりDSのフラッグシップはSUVとなるのですか。
エリック・アポド氏(以下、アポド):第2世代のトップバッターはDSで最もサイズが大きいSUVとなりましたが、これは開発の順番などの理由からであって、SUVがブランドのフラッグシップになるという意味ではありません。これからDSでは、BセグメントからDセグメントのクルマを発表していきますが、その中には、よりハイエンドなセダンも含まれています。今、皆さんがご覧になっているのは、新生DSのほんの始まりの部分だけなのです。新世代のDSモデルは、年に1台のペースで投入していき、最終的には、3つのセダンと3つのSUVで構成された6車種のラインナップが完成します。
――発表されたばかりのDS 7クロスバックですが、かなり先進的かつ豪華なSUVなようです。このように、今後DSブランド自体も、より豪華で高価なものに成長していくのでしょうか。
アポド:そうですね。DSは、明確にラグジュアリーブランドに属するものとなります。最新モデルのDS 7クロスバックは、欧州では、エントリーは3万ユーロ(約360万円)台からですが、最も高価な仕様になると6万ユーロ(約720万円)を超える価格となっています。もちろん、その内容は、これまでにない豪華な装備が含まれていますし、先進機能も積極的に投入されています。
“シトロエンの派生”からまったく新しいDSへ
――DSは小さな高級車ブランドというイメージでしたが、これDS 7クロスバックにはあてはまりません。将来的には、やはりサイズアップしていくのでしょうか?
アポド:DSはもともと、シトロエンラインナップから誕生したので、最初はそのイメージを引きずったコンパクトなモデルで構成されていました。しかし、2年前にDSは独立したブランドとなりましたので、意欲的に新しいブランドの構築に取り組み、どんどん変化していきます。その中でサイズアップが図られるものも当然あるでしょう。
――6車種で構成されるというDSの新ラインナップですが、既存のモデルはどうなっていくのでしょうか。また現在は、中国市場向けの「DS 6WR」など、地域に合わせた専用モデルも用意されています。新世代モデルも同様な展開となっていくのでしょうか。
アポド:「DS 3」「DS 4」「DS 5」は、段階的に後続モデルと置き換えられていき、モデルラインナップ全体の厚みも増していきます。これから世界共通の強く、そして大胆な戦略が進められていくことになり、世界中で同じようなラインナップ展開となります。ここからまったく新しいDSが誕生していくと考えてください。今は、シトロエンのラインナップから派生した関係でモデルの制約があり、市場に合わせた対応が必要な部分もありました。しかし、今後は視野を広く持ってDSブランドを育てていきます。
フレンチラグジュアリーは復権するか
――ADAS(先進運転支援システム)などの装備は、PSAグループ間で共用されていくことと思いますが、その中でプジョーやシトロエンとDSはどのような差別化を図っていくのでしょうか。
アポド:ADASについては業界のベンチマークとなるように開発され、新たに15の機能が搭載されることになります。もちろん、それはPSAグループのR&D部門が開発しているものですが、まずはDSモデルから搭載していくことで、差別化を図っていきます。ですから、DS 7クロスバックがこれからしばらくの間、ADASでは、グループ内でもキーリーダーとなるでしょう。
――最後に、日本市場での展開について教えてください。
アポド:日本はDSにとって世界でトップ10に入る重要な市場です。今後もそのポジションは維持され、さらに成長を続けていくことでしょう。先ほどお話しした、今後登場する新型車のすべてが日本にも導入される予定です。ぜひ楽しみにしていてください。
「シトロエンDS」という車名から2015年に独立し、ブランドとなったDSオートモビル。DS 7クロスバックの誕生に始まる第2世代モデルは、DS専用モデルとして開発されただけに、より明確な差別化が図られ、フレンチラグジュアリーと呼ぶにふさわしいモデルへと進化していくとみられる。
自動車先進国のひとつでありながら、伝統的なラグジュアリーブランドが失われてしまったフランスだけに、その復権を目指すDSの志はかなり高い。もっとも、年に1台ずつ新型車を投入していくということから、すべての新世代車の投入には、最低6年の月日が費やされることとなる。思ったよりもスピード感がなく、慎重に戦略が進められていくのだなと感じるのも正直なところだ。
DS 7クロスバックが見せる新生DSの姿は、デザイン性も高く、フランス車がやや遅れている先進機能も一気にバージョンアップされ、われわれの期待を大きく膨らませてくれた。PSAグループのフラッグシップブランドとしてDSは、いかなるラグジュアリーな世界を見せてくれるのだろうか。ファッションやアート、時にクルマにも用いられるアバンギャルドという言葉は、フランス語で前衛的、最前線という意味だ。真のアバンギャルドとはどういうものなのか。ここから成長を遂げるDSなら、きっとその答えをわれわれに示してくれるはずだ。
(インタビューとまとめ=大音安弘/写真=DSオートモビル、プジョー・シトロエン・ジャポン、大音安弘/編集=竹下元太郎)

大音 安弘
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