BMW Z4 M40i(後編)

2019.07.18 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 レーシングドライバー谷口信輝が、新型「BMW Z4」にワインディングロードで試乗。その走りには“惜しいところ”があるというのだが……? 兄弟車である新型「トヨタ・スープラ」との違いも含め、印象を報告する。
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ちょっと怖いところがある

箱根のいつものワインディングロードで新型BMW Z4の試乗を終えた谷口信輝に、その印象を語ってもらおう。なお、試乗車のグレードは唯一6気筒エンジンを搭載する最高峰の「M40i」である。
「まずは、スポーツカーらしさをすごく感じますね。エンジンの馬力も結構あって、楽しさは確実にあります。ただ……」

むむ、谷口が「ただ……」と口にした。これはやや風向きが怪しい感じがする。
「荒れた路面のところでクルマがポンポンと跳ねて落ち着かないところがあります。その動きが速くて、ちょっとスリリングです」

それはいいことなのか? それともよくないことなのか?
「ある意味でレーシングカー的なダイレクトな反応で、スポーツカーに乗っている楽しさがあるともいえますが、僕は攻めるのがちょっと怖いと思いましたね」

たしかにZ4でハードコーナリングを試すと、路面の凹凸に応じてステアリングが左右に振られる傾向がある。
「そう、そうなんですよ。それでコーナーの出口でトラクションをかけ始めてからもリアが跳ねちゃう。本当だったら、出口に向けて姿勢を決めて、リアに荷重を載せてパーンって加速していきたいんですが、それができない。だから、ドライバーはずっと反応していなきゃいけなくて、それで疲れちゃうんです。いま走っていても、緊張感で自然と息が止まっていて、気がつくと息をふーっと吐き出していたりするほど。まあ、Z4はホイールベースが短いから仕方がない部分もあるんですけど、『スープラ』はあんまりこうならないでピタッと落ち着いている。だから、この辺はBMWとトヨタの考え方の違いなのかもしれません」

 
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