ポルシェ・タイカン ターボ クロスツーリスモ(後編)

2023.07.13 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 ポルシェに強い関心を寄せる元トヨタの多田哲哉さんは、高性能BEV「タイカン ターボ クロスツーリスモ」に触れて、またも大いに驚かされたという。専門家も感心する、その特異なところとは?
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普通のメーカーではあり得ない

多田さんにとって、2019年のデビュー当初以来の試乗となったタイカン。当時とは見違えるように進化したタイカン クロスツーリスモを前に、ポルシェのクルマづくりの極意について、あらためて多田さんは語る。

「タイカンだけでなく、ポルシェはカーボンなどの高価な素材や、複雑な機構を使うようなことは意外にしません。以前『911 GT3』を取り上げた時にもお話ししましたが、フロントダブルウイッシュボーン(サスペンション)を使い始めたのもごく最近です」

「ポルシェはそういうスーパーカー的な飛び道具を使うわけでもなく、やみくもにお金をかけまくるわけではなく、クルマの基本部分を愚直に進化させていくんですね。僕はそこがポルシェの本当のすごさだと思います」

世界でも1、2を争う高性能スポーツカーなのに、乗る人を選ばないのがポルシェだ。

「ポルシェは毎年イヤーモデルが出て、いろいろなところが変わっていきます。トヨタでもポルシェは毎年購入していましたが、調べてみると、必ずきちんと進化しています」

「トヨタを含めた普通の自動車メーカーの場合、マイナーチェンジで手を入れられる場所は最初からだいたい決まっています。その目的は法規対応か、売れ行きが芳しくない時に見た目を少し変えるくらいです。クルマの開発はなにをやるにもお金がかかりますから、マイナーチェンジで骨格に手を入れるようなことは普通は許されません」

 
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