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発売時期がまたまた延期! 「トヨタ・クラウン エステート」についてわかっていること

2024.09.09 デイリーコラム 工藤 貴宏
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初対面からもう2年

「いつかはクラウン」なんて言っていたのは、気がつけばもう40年も前のこと。昭和は終わり、平成も終わり、令和となった今、クルマを取り巻く環境は当時から大いに変化し、「クラウン」だって大きく変わったのは皆さんご存じのとおりだ。

2022年から順次デビューした16代目クラウンは4つのモデルでクラウンシリーズを構成することがアナウンスされ、まず先陣を切った「クラウン クロスオーバー」はなんと“SUVセダン”。そうきたか!? 丸みを帯びたデザインも大胆だけれど、よりによってリフトアップしたセダンがクラウンだなんて、5年前に「これが次世代クラウンだよ」なんて言っても誰も信じてくれなかったに違いない。まあ筆者だって5年前なら「そんなわけないだろう」という反応をしただろう。今でも「本当は夢なんじゃないか」と、ときどき思わなくもない。

続いてスポーティーなSUVの「クラウン スポーツ」と、ボディーはクラウンとは思えないほど巨大だけれど正統派クラウンともいえる、セダンタイプの「クラウン」も発売。残る「クラウン エステート」は当初“2023年度内”に発売予定だったのが例の認証問題の影響もあって延びに延び、2024年末との説もあるが、この調子だと2025年以降に送られるのだろうか。スタイルはもう2年も前に公開されているのだから、焦(じ)らしまくりだなあ、もぅ。

というわけで今回のテーマは「クラウン エステートに関して今わかっていること」だ。

新世代「トヨタ・クラウン」の一翼を担う「クラウン エステート」。写真は2023年10月に開催されたクラウン関連イベントにおいて展示された際のもの。
新世代「トヨタ・クラウン」の一翼を担う「クラウン エステート」。写真は2023年10月に開催されたクラウン関連イベントにおいて展示された際のもの。拡大
トヨタが「クラウン エステート」(写真右端)を含む「クラウン」の4バリエーション展開を発表し、世間をあっと言わせたのは、2022年7月15日。それから2年以上が経過しても、まだクラウン エステートは発売に至っていない。
トヨタが「クラウン エステート」(写真右端)を含む「クラウン」の4バリエーション展開を発表し、世間をあっと言わせたのは、2022年7月15日。それから2年以上が経過しても、まだクラウン エステートは発売に至っていない。拡大
「クラウン エステート」は、いわばワゴンとSUVのクロスオーバー。兄弟のなかではユーティリティーに強みをみせるモデルといえる。
「クラウン エステート」は、いわばワゴンとSUVのクロスオーバー。兄弟のなかではユーティリティーに強みをみせるモデルといえる。拡大
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しっかり積めて泊まれるクラウン

まず公式にアナウンスされている内容からおさらいしておくと、ボディーサイズは全長4930mm×全幅1880mmで、これはクロスオーバーと同じ長さながら全幅は40mmほどワイド(クラウン スポーツと同じ)。全高は1620mmと現行クラウンシリーズで最も高く、乗車定員は5人。つまりシートは3列ではなく2列ということになる。

パワートレインはハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)ということまでは、アナウンス済みだ。

というわけで、公表されている内容を軸に情報をお伝えしたので今回のコラムはこれにて終了。……で終わらせてしまったら意味がないので、ここからは非公式情報をお伝えするとしよう。

何を隠そう実車(プロトタイプ)に触れたことがある筆者が感動したのが、荷室の広さ。リアシートを倒さなくてもかなりの広さだけど、リアシートを倒すとできる、「大人2人が余裕をもって寝られる奥行き2m弱のスペース」がすてきすぎる。「車中泊にもピッタリなクラウン」の“爆誕”だ。本来は車中泊用ではなく荷物を置くための空間なのだけれど。

しかも、床面は、リアシート後部に組み込まれた可動式のフラップによって床の溝をなくして完全にフラット化を実現するなど、なかなか細かい配慮が行き届いている(そろそろ「しつこい」って言われそうだけれど車中泊にピッタリじゃん!)。

そもそもエステートといえばステーションワゴンモデルの名称であり、最新のクラウン エステートはボディータイプこそSUVライクだけれど、荷室重視の設計が最大の特徴。背は高くなったものの、エステートの神髄はしっかり継承されているというわけだ。

「クラウン エステート」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4930×1880×1620mmで、ホイールベースは2850mm。国産車のなかでは、かなり大柄な部類に入る。
「クラウン エステート」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4930×1880×1620mmで、ホイールベースは2850mm。国産車のなかでは、かなり大柄な部類に入る。拡大
リアシートをたたみ、荷室の容量を最大化した状態。これだけフラットで広々としたスペースが得られれば、はやりの車中泊も余裕でこなせる。
リアシートをたたみ、荷室の容量を最大化した状態。これだけフラットで広々としたスペースが得られれば、はやりの車中泊も余裕でこなせる。拡大
こちらは北米仕様車による荷室のイメージ。リアシート使用時でも、その後方にはかなりの積載スペースがあることがわかるだろう。
こちらは北米仕様車による荷室のイメージ。リアシート使用時でも、その後方にはかなりの積載スペースがあることがわかるだろう。拡大
ちなみに、「クラウン」の「エステート」は今回が初ではない。写真は11代目クラウンをベースに開発された「クラウン エステート」。この名が与えられた、初のモデルである。
ちなみに、「クラウン」の「エステート」は今回が初ではない。写真は11代目クラウンをベースに開発された「クラウン エステート」。この名が与えられた、初のモデルである。拡大

2.5リッターのハイブリッドにE-Fourで決まり!?

居住性だって気になるところ。全長やホイールベースが長いだけあって、同じSUV系でもクラウン スポーツに比べると後席の広さや開放感はダンチのレベル。はっきり言ってクラウン スポーツは前席中心で後席はオマケみたいなもの(というのは言いすぎで、そこまで狭くはないけれど)、いっぽうクラウン エステートはファミリーでも使える実用性の高さが大きな違いなのだ。

後席が広くて、荷室も広い。そんなクラウンを求めている人も多いんじゃないかな。

気になるのはハイブリッドが燃費重視のタイプ(「クラウン クロスオーバーG」に搭載)なのか、それとも高出力タイプ(「クラウン クロスオーバーRS」に搭載)なのかということ。果たしてどちらか……とモヤモヤしていたところ、ヒントは北米に。かの地では「クラウン シグニア」という名称でクラウン エステートが先行販売されているじゃないか。そのパワートレインはハイブリッドで、2.5リッター自然吸気ガソリンエンジンを組み合わせるもの。となると、同じユニットが日本向けにも組み合わされると考えるのが自然でしょ? 駆動方式は、FFベースで後輪をモーターで駆動する4WD(E-Four)だろう。

ところで、デザインはそれぞれ全く違うクラウンシリーズだけど、意外な共通点があることに気がついていますか? それはダッシュボード。

何を隠そう4つのクラウンはすべて、ダッシュボードが共通のデザインなのだ。厳密に言うとセダンは後輪駆動ベースでプラットフォームが違うのでデザインだけ似せた別設計なんだけれど、同じFF系プラットフォームを使うクラウン クロスオーバー/スポーツ、そしてエステートのダッシュボードは仕立てこそ異なるものの、基本的に同じもの。外観もキャラクターも違うけれど、内に秘めたるダッシュボードはみんな同じ。なんという強いクラウン兄弟愛なのでしょうか。

というわけで登場が待ち遠しいクラウン エステート。解決しない大きな疑問は、いつになったら日本で正式に発売されるのかということだ。誰か教えて!

(文=工藤貴宏/写真=トヨタ自動車、webCG/編集=関 顕也)

フロントシートをかなりの“ゆったりポジション”にしても、「クラウン エステート」のリアシートは写真のように余裕たっぷり。海外展開されるのも納得のつくりである。
フロントシートをかなりの“ゆったりポジション”にしても、「クラウン エステート」のリアシートは写真のように余裕たっぷり。海外展開されるのも納得のつくりである。拡大
助手席の側面に備わる、後方からのポジション調節スイッチ。それだけリアシートでの快適性に重きを置いたモデルともいえる。
助手席の側面に備わる、後方からのポジション調節スイッチ。それだけリアシートでの快適性に重きを置いたモデルともいえる。拡大
「クラウン エステート」の北米仕様車にあたる「クラウン シグニア」。同モデルのパワートレインは、2.5リッター自然吸気エンジンをベースとするハイブリッドのみとなっている。
「クラウン エステート」の北米仕様車にあたる「クラウン シグニア」。同モデルのパワートレインは、2.5リッター自然吸気エンジンをベースとするハイブリッドのみとなっている。拡大
「クラウン エステート」のコックピット周辺部。このインテリア前方のデザインは、「クラウン クロスオーバー」および「クラウン スポーツ」と共通になっている。
「クラウン エステート」のコックピット周辺部。このインテリア前方のデザインは、「クラウン クロスオーバー」および「クラウン スポーツ」と共通になっている。拡大
工藤 貴宏

工藤 貴宏

物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。

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