お値段は400万円から!? 新型「スバル・フォレスター」は本当にお得なのか
2025.04.11 デイリーコラムこのお値段をどう思いますか?
待望の新型モデルが日本でもお披露目された「スバル・フォレスター」(参照)。スタイリングやパワートレインなど概要は既報のとおりだが、実は現時点ではまだ「先行予約開始」の段階。正式発表ではないため価格などは明らかになっておらず、“正式に判明”するまでには、もう少し時間が必要そう(といっても、ディーラーへ行けば教えてくれるようですが)。
ただ、現状でもその価格帯を推察できる情報はあります。何を隠そう筆者もメディア向けの実車説明会に参加したわけですが、そこで配られた資料には“予定価格”として大ざっぱな価格帯の数字が。で、それを見て近くにいた某メディアの人が「安い! 安い!」と某通販の人みたいに連発していたので小心者の筆者は口にできなかったのですが、ここで告白すると、筆者の印象はちょっと違ったんですよね。というわけで正直に言うと「意外に高いなあ」という印象。だって予定価格とされていたのは「約400万円から」。念のために表記を変えてもう一度書いておきますが「よんひゃくまんえん」ですよ。このクラスで約400万円スタートって安い……ですかね?
参考までに他車の動向を書いておくと、最大のライバルでフォレスター同様に全車4WDとなる「トヨタRAV4」のボトム価格は323万7300円から。都会派で人気を集めている「トヨタ・ハリアー」の価格は2WDが312万8000円からで4WDを選ぶと372万9000円から、そして「マツダCX-5」はFFが281万0500円で4WDは304万1500円からという状況。だいたい300万円前後からはじまるのが一般的で、フォレスターだって従来モデルは306万9000円から選べたわけです。
というわけでもう一度確認しますが、新型フォレスターの約400万円からって安いですかねぇ?
中身を見れば理解はできるが
いや、もちろんわかるんですよ、スバル側の言い分は。そもそもフォレスターは(RAV4を除く)ライバルと違って全車4WDだし、パワートレインも新型は普通の自然吸気ガソリンエンジンがなくなって、1.8リッターのガソリンターボか、もしくは2.5リッター自然吸気エンジンに大型モーターを加えたハイブリッドのみ。パワートレインにお金がかかっているってわけだ。それは理解できますって。
そのうえグレード構成も、以前にはあったベーシックな「ツーリング」を廃止。先代における中級グレード相当からとなっている。どうやら新型で最も価格が安いのはターボエンジンを積む「スポーツ」のようだけど、それは従来型の346万5000円に対して「税込みで約55万円アップ」らしい。
たしかに中身(装備内容)を見れば、新型は電動テールゲートをはじめカーナビやETC2.0車載器など、従来型のスポーツではオプション扱いだった装備を標準化。そのうえ11.6インチと大画面のセンターディスプレイや360°モニターといった機能のアップグレードに、昨今のコスト上昇も考えれば、約55万円アップもわからなくもない。むしろ納得できる水準である。
とはいえ、ですよ。ワタクシ的にはやっぱり「約400万円から。はいかがなものか?」と思わずにはいられない。そのあたりに一家言ある読者諸兄のみなさんはどうですかねぇ?
エントリーグレードの価格設定の重要性
外野として、余計なお世話は百も承知で老婆心ながら思うのは、先代「ホンダCR-V」と同じ運命をたどらなければいいな、ということ。2022年夏まで販売していた従来型CR-Vは、デビュー時(2018年8月)の価格が323万0280円から。いま振り返るとそれほど高いとは思えないけれど、当時(このクラスのスタート価格は300万円切りが基本だった)は「高い」という印象を持たれてしまった。それもあってSUVブームが訪れていたにもかかわらず販売は振るわなかったのだ。
そんなCR-Vと新型フォレスターがかぶるのは、どちらも「最安グレードでも装備が充実しているので中身を見るとライバルより割高なわけではない」ということ。だけど、ボトムグレードの価格ってそういうことじゃない。装備うんぬんではなく、その数字そのものがライバルと比べられてしまう。中身より見た目のわかりやすさが大切なのであって、だから厄介なのだ。
もちろん、ライバルたちも実際に売れるグレードはベーシックグレードではなく装備が充実する中間グレードや上級グレードであるはず。だけど、価格の印象として、品のない言い方をすれば「価格を安く感じさせ、多くの人を引き寄せるための囮(おとり)」として、安いグレードを用意する必要があると筆者は思う。その点において、新型フォレスターは少し不利なのだ。
でも、筆者はわかっている。スバルはそんな落とし穴に落ちるわけがない。きっと過去の事例はしっかりと理解したうえで、グレード構成や装備と価格を決めてきたに違いない。そしてこう予測する。将来的には、装備を抑えて価格を下げたベーシックグレード(ガソリン自然吸気エンジン?)を追加するのではないか? 後からベーシックグレードが追加された「トヨタ・アルファード」のように。待望の仕様は、焦らしまくったうえにさっそうと登場するシナリオが描かれているに違いない。何の根拠もないけど。
(文=工藤貴宏/写真=スバル、トヨタ自動車、本田技研工業/編集=堀田剛資)
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工藤 貴宏
物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。
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