第846回:氷上性能にさらなる磨きをかけた横浜ゴムの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード8」を試す

2025.10.01 エディターから一言 河村 康彦
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2025年9月に発売された乗用車用スタッドレスタイヤ「ヨコハマ・アイスガード8」。氷上性能を革新的に高めたとうたわれる進化した実力を、ひと足先に冬の北海道で確かめた。
2025年9月に発売された乗用車用スタッドレスタイヤ「ヨコハマ・アイスガード8」。氷上性能を革新的に高めたとうたわれる進化した実力を、ひと足先に冬の北海道で確かめた。拡大

横浜ゴムが2025年9月に発売した新型スタッドレスタイヤ「アイスガード8」は、冬用タイヤの新技術コンセプト「冬テック」を用いた氷上性能の向上が注目のポイント。革新的と紹介されるその実力を、ひと足先に冬の北海道で確かめた。

「アイスガード8」は横浜ゴムの乗用車用スタッドレスタイヤブランド「アイスガード」の第8世代となる新製品。冬用タイヤ新技術コンセプト「冬テック」を採用した第1弾となる。
「アイスガード8」は横浜ゴムの乗用車用スタッドレスタイヤブランド「アイスガード」の第8世代となる新製品。冬用タイヤ新技術コンセプト「冬テック」を採用した第1弾となる。拡大
氷上での「接触の密度(氷とゴムの接触点)」が先代の「アイスガード7」(写真左)に対し63%増加し、氷上性能が飛躍的にアップしたという「アイスガード8」(同右)。一つひとつが大きいブロックで構成されたトレッドパターンもアイスガード8の特徴だ。
氷上での「接触の密度(氷とゴムの接触点)」が先代の「アイスガード7」(写真左)に対し63%増加し、氷上性能が飛躍的にアップしたという「アイスガード8」(同右)。一つひとつが大きいブロックで構成されたトレッドパターンもアイスガード8の特徴だ。拡大
今回は、北海道・旭川にある横浜ゴムの冬タイヤ用テストコース「TTCH(Tire Test Center of Hokkaido)」のハンドリング路や2023年に開設した自慢の屋内氷盤旋回試験場などにおいて「アイスガード8」の実力を試した。
今回は、北海道・旭川にある横浜ゴムの冬タイヤ用テストコース「TTCH(Tire Test Center of Hokkaido)」のハンドリング路や2023年に開設した自慢の屋内氷盤旋回試験場などにおいて「アイスガード8」の実力を試した。拡大
「アイスガード8」のサイドウォールには、漢数字の「八」を、ショルダーには数字の「8」をモチーフとしたデザインが取り入れられている。従来の「アイスガード7」に対して氷上制動性能が14%、氷上旋回性能が13%と大幅に向上。さらに雪上制動性能が4%、ドライとウエット性能もそれぞれ3%引き上げられたという。
「アイスガード8」のサイドウォールには、漢数字の「八」を、ショルダーには数字の「8」をモチーフとしたデザインが取り入れられている。従来の「アイスガード7」に対して氷上制動性能が14%、氷上旋回性能が13%と大幅に向上。さらに雪上制動性能が4%、ドライとウエット性能もそれぞれ3%引き上げられたという。拡大

4年ぶりの全面改良で8代目に進化

関東以西の平地に暮らす人には「まだまだ冬は来ないでしょ!」という実感しか湧かないのが10月の気候。例によって、というべきかそんなタイミングであってもすでにスタートを切っているのがそのシーズンの冬タイヤ商戦だ。実際、10月に入ればもう冬タイヤに交換する人も少なくないというのが降雪地帯での暮らしぶりである。

今回紹介するのも、そんな今シーズンの冬タイヤ商戦に勝負をかけるアイテムのひとつ。横浜ゴムが2025年7月に発表した乗用車用スタッドレスタイヤ最新作となる、アイスガード8(参照)である。

そんな商品名の中に入る「8」という数字は、アイスガードの前身にあたる「ガーデックス」ブランドから同社初となるスタッドレスタイヤが1985年にローンチされて以来、第8世代にあたることに由来したもの。先代の「アイスガード7」が2021年のデビューだったので、4年ぶりのモデルチェンジということになる。

「よりちゃんと曲がる、よりちゃんと止まる」をキャッチフレーズに登場したアイスガード7にはさまざま車種でのテストドライブ経験があるが、率直に言ってその総合バランスの高さには感心させられることがたびたびだった。最重要項目である雪上・氷上性能は同世代スタッドレスタイヤのなかでトップランナーにあることを教えられたし、そんな環境に至るまでに遭遇チャンスの多いシャーベット路面での耐ハイドロプレーニング性能や、さらには乾燥した舗装路面上での静粛性・乗り心地などにおいても、純粋なサマータイヤに対する明確なハンディキャップを感じさせられた記憶は皆無。

そうしたこともあって、「なんだったら次のシーズンもこのまま引っ張っていけるんじゃない⁉」と、個人的には思えていたのがアイスガード7の実力であった。しかし、それでよしとせずにフルモデルチェンジを敢行するというのだから、アイスガード8はよっぽどの自信作なのだろうと容易に想像がつくのである。