いいところを突いている
今回試乗したS6も含むA6スポーツバックe-tronは、アウディが2025年7月に国内発売(本国発表は2024年8月)したBEVサルーンだ。A6/S6 e-tronに「アバント」の選択肢もあるのは承知のとおりで、BEVのステーションワゴンはかなりレアだが、5ドアのスポーツバックもなかなか貴重な存在といっていい。
現在の日本で手に入る量産BEVサルーンといえば、ざっと思いつくのは、BMWの「i4」「i5」「i7」、メルセデスの「EQE」「EQS」、BYDの「シール」、そして(すでに日本向け生産は終了したが)テスラの「モデルS」くらいだろうか。A6/S6 e-tronは、いわば「A5/S5(かつてのA4/S4)」のBEV版というポジションだから(参照)、車格的にはi4やシールと同等のはずだが、実際のサイズはひとクラス上のi5やEQEに近い。それでいて、本体価格はBMWでいうとi4とi5の中間で、100kWhという車載電池の総電力量がBMWのそれ(83.9kWh)より大きいことを考えると、BMWより割安感すらある。
また、背の低いBEVという意味ではアウディには「e-tron GT」もあり、全長も同じ4.9m台で、ドアも4枚ある。しかし、e-tron GTはその名のとおり、DNAを共有する「ポルシェ・タイカン」同様のGTもしくはスポーツカーで、サルーン/ステーションワゴンのA6/S6 e-tronとはコンセプトが異なる。システム最高出力を見ても、今回のS6スポーツバックe-tronが503PS(ローンチコントロール使用時551PS)なのに対して、同じSを冠する「S e-tron GT」のそれは680PS。3.4秒という0-100km/h加速タイムもS6スポーツバックe-tronより0.5秒速い。
「A6 e-tron」の高性能版として、ベース車と同時に日本に導入された「S6 e-tron」。5ドアサルーンの「スポーツバック」とステーションワゴンの「アバント」の、両方に設定される。
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天井やピラーのライニングまで黒で統一されたインテリア。2枚の巨大なディスプレイや、ドアコンソールまでパネル化された操作インターフェイスなどは、最新のアウディではおなじみのものだ。
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試乗車に採用されていたパーフォレーテッドレザーとファインナッパレザーのコンビシート。「レザーパッケージ」に含まれるオプション装備で、レッドとブラックから色が選べる。
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リアシートは4:2:4の3分割式。前後方向の広さは十分だが、背の高い人だと、頭上に少し圧迫感を覚えるかもしれない。
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