メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー エディション1(4WD)
恥じらいを捨てろ 2026.04.09 JAIA輸入車試乗会2026 みんな大好き「Gクラス」がまさかの電気自動車(BEV)に! 4つのタイヤを4つのモーターで動かす「メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー」に試乗。ドイツの驚異のテクノロジーが生んだ電気仕掛けのバケモノマシンに、webCG編集部員が感じたこととは?カーニバル成分が足りない
四角いキャビンによじ登り、バッチャンと閉まるドアを閉め、スタートボタンをポチっとな。「ズゥワ~ン!」とうなる起動音に、記者は噴いてしまった。G580はBEVなわけで、この盛大なV8サウンドはまさにパチモンなわけですが、それがまぁ、あまりにあっけらかんとしていたのだ。
この“デンキで走るGクラス”は、恐らくはエコでロハスな毎日のためにメルセデスがこさえた未来のGなのだろうが、その実はまさに非合理の塊だ。液晶メーターに映る電費は、聞いて驚け1.4km/kWh。累積かトリップ連動かスタート連動かは見そびれたけれど、いずれにせよ、およそ記者の見たことのない数字である。これでエコだロハスだ言ったら、環境活動家にバットで襲われることだろう。
しからばBEVならではの快適さが売りかといえばそうでもなく、ハンドルは重いし身のこなしも加速も重い(速いけど重量物を無理くり加速させるコワさがある)。段差を超えた際の上屋のブルルンやユッサユサも、リアリジッドのGと比べれば解消されているのだろうが、やっぱり依然キョーレツだ。オフローダーを尊崇する記者としては「バカ言ってんじゃないよ。神輿(みこし)は揺れるもんだぜ!」といううれしいクロカンしぐさだが、やっぱりわざわざ、3tオーバーに肥えさせてまでGを電動化した道理が行方知れずなのである。
つまり理屈じゃないのである。「このゲレンデ、電気で走るの!? 超スゲー!!」。これこそがG580 with EQテクノロジーのゆいいつの存在理由なのであり、それを思うと、シャットダウン時の「ブルルルン……」という就眠サウンドまで再現した似非(えせ)エンジン音も、必然の祭りばやしなのだ。
しかしだとしたら、G580はまだまだだ。まだどこか、屁理屈をこねている感じがある。恥じらいを感じるのである。どうせ台数がはける代物でもないのだし、メルセデスはこいつの値段を1000万つり上げてでも、もっと強烈に、コテコテに、オラオラにして、AMGかマイバッハで出すべきだった。
神輿が恥じらってどうする? ドイツ人はお祭りシーズンのメキシコかブラジルにでも行って、タガの外し方を勉強してきましょ!
(文=webCG堀田剛資<webCG”Happy”Hotta>/写真=田村 弥/編集=堀田剛資)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4730×1985×1990mm/ホイールベース:2890mm/車重:3120kg/駆動方式:4WD/フロントモーター:交流誘導電動機×2/リアモーター:交流同期電動機×2/147PS(108kW)/3542-1万0328rpm<1基あたり>/フロントモーター最大トルク:291N・m(29.7kgf・m)/111-3542rpm<1基あたり>/リアモーター最高出力:147PS(108kW)/3542-1万0328rpm<1基あたり>/リアモーター最大トルク:291N・m(29.7kgf・m)/111-3542rpm<1基あたり>/タイヤ:(前)275/50R20 113V XL/(後)275/50R20 113V XL(ファルケン・アゼニスFK520)/一充電走行距離:530km(WLTCモード)/交流電力量消費率:262Wh/km(WLTCモード)/価格:2635万円

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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