「アクセルとブレーキのペダルにはどうして段差がついている?」
2008.06.21 クルマ生活Q&A ドライビング「アクセルとブレーキのペダルにはどうして段差がついている?」
「シボレー・アストロ」に乗っています。アクセルペダルとブレーキペダルの段差が大きく、シートポジションをブレーキに合わせるとアクセルを踏む時に足が伸びきってしまいます。この段差には何か意味があるのでしょうか?
お答えします。ペダルを踏んだときの感触は、メーカーによって結構違いがあります。特にブレーキに関してはさまざまで、ペダルに足が触れた瞬間に制動がかかるものもあれば、ある程度遊びがあるものもあります。
コントロールのしやすさを優先するか、スポーティなドライビングに向いた作りにするかで、設定が違ってきます。
アクセルペダルとブレーキペダルの段差も、メーカーや車種によって違いがあります。ただ、どちらかというと、アメリカ車には段差が大きいクルマが多いようですね。
オートマチックトランスミッションの普及したアメリカでは、以前ブレーキとアクセルの踏み違いによる事故が多発したことがあります。それで、ブレーキペダルとアクセルペダルをはっきり区別できるように、段差をつけているという傾向はあるかもしれません。
一部の高級な車種にはペダルの位置を調整する機構がついているものもありますが、ない場合には慣れるしかないでしょう。ペダルにプレートを貼ったりして自分で調整する人もいるようですが、これはいろいろな危険が考えられますので、絶対にやめてください。
シートポジションは、ブレーキを優先して合わせるようにしましょう。とっさにブレーキを踏み損なったら、事故につながることもあります。アクセルが遠くなっても安全面ではあまり問題がなく、さらに、エコドライブには都合がいいと考えることもできますよ。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。