「スペースフレームのクルマは乗り心地がいい?」

2007.11.03 クルマ生活Q&A 松本 英雄 ボディ
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「スペースフレームのクルマは乗り心地がいい?」

走行会でFJ1600のマシンに乗らせてもらったのですが、乗り心地がいいのに驚きました。これは、スペースフレームのシャシーのおかげなのでしょうか?

お答えします。スペースフレームは中空のパイプで鳥カゴのように組み上げるシャシーです。平面的な鉄板よりも管の形状のほうが強度が高く、高い剛性を得ることができます。少ない材料で剛性を確保できるので、当然軽量化にも貢献します。これらの優れた特性から、レーシングカーに使われるのです。

レーシングカーというと乗り心地が悪そうに感じがちですが、実はサスペンションがよく動くことがレースでは求められます。だから、乗り心地だって決して悪くないのです。スペースフレームの高い剛性があってこそ、サスペンションの働きをよくすることができるのです。

ただ、量産の乗用車に使うには難しい面があります。部品点数が多くなり、製作時に高い精度が求められるからです。また、言ってみればジャングルジムのようなものですから、室内空間に影響を与えてしまい、小さなクルマには向かない面もあります。
「アウディA8」などがこのスペースフレームを採用していますが、大型で高価なクルマであるからこそ採用できたともいえます。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。