「スバルAWDオールラインナップ雪上試乗会」の会場から
2016.02.15 画像・写真2016年2月上旬、北海道千歳市にある新千歳モーターランドを拠点に、報道関係者向けの「スバルAWDオールラインナップ雪上試乗会」が開催された。会場には、「レガシィアウトバック」「インプレッサ」「WRX S4」「フォレスター」など、四輪駆動のスバル車が勢ぞろい。場内の特設コースのほか、一般道を使って、雪道および凍結路でのテストドライブが実施された。現地で感じたスバル車の走り、そして各車の技術的ハイライトを、写真とともにリポートする。
(文=webCG 関 顕也<text=Kenya Seki>/写真=富士重工業、webCG)
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1/20雪景色の新千歳モーターランドにずらりと並んだ、試乗用のスバル車。写真左から、「WRX STI」「エクシーガ クロスオーバー7」「XV」「レガシィアウトバック」「フォレスター」「インプレッサスポーツ」「レヴォーグ」「レガシィB4」。水平対向4気筒エンジンを搭載する4WD車である点は全車共通だが、採用されている4WDシステムのタイプは、4つ(アクティブトルクスプリットAWD/不等&可変トルク配分電子制御のVTD方式AWD/ドライバーズコントロールセンターデフ付きのDCCD方式AWD/ビスカスLSD付きセンターデフ方式AWD)に大別される。
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2/20まず一般道の試乗に連れ出したのは、電子制御LSDを持つアクティブトルクスプリットAWDの「レガシィアウトバック」。前後のトルク配分は基本60:40のフロント寄りで、走行状態により“ほぼ前輪駆動”から“ほぼ直結”の状態まで変化する。とはいえ、その様子は、運転を通じて感じ取れるものではなかった。
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3/20現在のスバルのフラッグシップモデルである「レガシィアウトバック」。現行型がデビューしたのは2014年10月24日で、2015年は国内で1万1000台以上が販売された。SUVテイストの大型ワゴンらしく、冬の牧場がよく似合う。
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4/20「レガシィアウトバック」のパワーユニットは、最高出力175ps/5800rpm、最大トルク24.0kgm/4000rpmを発生する自然吸気の2.5リッター水平対向エンジンのみ。6段マニュアルモード付きの「リニアトロニック」(CVT)が組み合わされる。
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5/20特設コース上の凹凸路を行く「レガシィアウトバック」。車両の最低地上高は、乗用車としては高めの200mmが確保されている。
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6/20「レガシィアウトバック」には、エンジンやトランスミッション、ブレーキ、VDCを統合制御し、路面へのトラクション伝達能力を一段と高める電子制御システム「X-MODE」が搭載される。これにより、タイヤが空転するような状況(写真)から、より早く脱出できるようになる。
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7/201輪が浮くような凸凹路に比べて遭遇する機会が多いであろう、傾斜した凍結路。これもまた、電子制御デバイス「X-MODE」が効果を発揮するシチュエーションだ。
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8/20「レガシィアウトバック」に続いて、「WRX S4」で圧雪路を走る。WRX S4の四輪駆動システムは、不等&可変トルク配分電子制御のVTD方式AWDと呼ばれるもので、基本の前後トルク配分は45:55。コーナリングにおける回頭性とのバランスから、前輪への配分は小さくなっている。
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9/20「WRX S4 2.0GT-S EyeSight」のインテリア。カーボン調の加飾パネルやレッドステッチ入りの本革巻きステアリングホイールは、標準で備わる。
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10/20ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザックVRX」を装着した「WRX S4 2.0GT-S EyeSight」で、林間の圧雪路を走る。常識的に運転する分には、クルマの挙動はドライ路面をノーマルタイヤで走るのと、ほとんど変わらない。平和そのもの。
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11/20最高出力300ps、最大トルク40.8kgmの2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載するスポーティーセダン「WRX S4」には、マルチモードVDCやアクティブ・トルク・ベクタリングなど、コーナリング性能を高めるための電子制御システムが標準装備される。
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12/20摩擦抵抗が小さい雪道や凍結路では、時としてマルチモードVDC(ビークルダイナミクスコントロール)が介入する。写真は、「WRX S4」のマルチインフォメーションディスプレイに表示されるシステム介入のイメージ。前輪の切れ角や4輪へのトルク伝達の様子も、アニメーションで確認できる。
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13/20「レヴォーグ」の1.6リッターモデル(写真2台とも)には、「レガシィ」シリーズや「インプレッサ」シリーズと同様の、アクティブトルクスプリットAWDが搭載される。一方、よりスポーティーな仕様である2リッターのレヴォーグには、「WRX S4」と同じ不等&可変トルク配分電子制御のVTD方式AWDが採用されている。
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14/20高性能モデル「WRX STI」の4WDシステムは、ドライバーズコントロールセンターデフ付きのDCCD方式AWD。デフロック率を任意に調節できる電磁式LSDと、トルク感応型の機械式LSDが組み合わされる。前後の基本トルク配分は41:59と、スバルが有する4種類の4WDシステムの中で最もリア寄りとなっている。
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15/20アップダウンが続く圧雪路を走る「フォレスターX-BREAK」。220mmの最低地上高に加えて、斜面に乗り上げるときや斜面から平たん路に下りる際の十分なロードクリアランス(アプローチアングル:25度、ディパーチャーアングル:26度)を確保。本格的な悪路走破性がアピールされる。
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16/20「フォレスター」には、悪路におけるトラクションの伝達能力を高める電子制御システム「X-MODE」が備わる。写真は、センターコンソールにあるシステムのオン/オフスイッチ。「X-MODE」の機械的構造は、フォレスターと「レガシィアウトバック」で共通となっている。
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17/20今回の試乗会で用意された全てのスバル車には、「全国装着率ナンバーワン」をうたう、ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザック」が装着されていた。多数の気泡を持つ“発泡ゴム”が実現する排水性と、グリップ力の持続性がセリングポイント。
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18/201輪を浮かせながら凸凹道をクリアする「XV」。同モデルの駆動方式は全車4WDである。現在、スバル車全体の販売比率は4WD車が圧倒的多数を占めており、海外市場では94%、国内市場でも80%以上となっている。
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19/20試乗コースに含まれていた、定常円旋回のサークル。ステアリングをイン側に切ったまま回るクルマもあれば、カウンターステアで回り続けるクルマも。写真は、専用仕立ての内外装を持つ特別仕様車「WRX S4 SporVita(スポルヴィータ)」。
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20/20これもまた、試乗会場で注目を集めていた“SUBARU”。コースの傍らにはロゴマークの立派な氷像が置かれ、参加者の気分を盛り上げた。