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1/11全固体電池を搭載したトヨタの試作車。
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2/11トヨタのバッテリー戦略について説明する同社執行役員 チーフ・テクニカル・オフィサーの前田昌彦氏。前回に引き続き、今回も2021年9月7日に行われた「電池・カーボンニュートラルに関する説明会」について解説したい。
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3/11トヨタでは長寿命化、高エネルギー密度化、小型化、低コスト化を図るべくリチウムイオンバッテリーの改良を推進。同時に全固体電池の開発を進めている。
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4/11バッテリーは、電解質の中をイオンが移動することで充電・放電が行われる仕組みとなっている。通常、電解質には液体のものが使用されるが全固体電池ではそれが固体となる。
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5/11トヨタは全固体電池について、高出力化が見込めることから、まずはバッテリーに“瞬発力”が求められるHEVに採用するとしている。
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6/11トヨタは車載バッテリーの開発における自身の強みとして、「車両とバッテリーを一体で開発できること」を挙げている。全固体電池においても搭載車を自社で製作。2020年8月にナンバーを取得し、公道での試験走行を実施した。
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7/11全固体電池のHEVからの早期実用化を目指すトヨタ。次なる課題は、全固体電池の寿命の短さのようだ。
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8/11「トヨタ・プリウス」に搭載されるリチウムイオンバッテリー。HEVであれば、バッテリーの搭載量はEVよりずっと少なくて済む。
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9/112021年8月に3度目のリコールが発表され、販売停止に追い込まれた「シボレー・ボルトEV」。これまでのリコール費用は全部で18億ドル(約2000億円)にのぼり、GMはLG化学に10億ドルの損害賠償を請求している。
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10/11バイポーラ型バッテリーとは、集電体の片面に正極、逆の面に負極を塗った「バイポーラ電極」を、複数枚積層させてパックにしたバッテリーのこと。既存の構造のバッテリーと比べ、小型化と高出力化を可能にする。
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11/11トヨタは全固体電池の特徴として、高出力以外にも、耐熱性の高さや液体の電解質に比べて高電圧に耐えられることを挙げている。これらの特徴はエネルギー密度の向上を可能にし、EVであれば航続距離の延長につながる。

鶴原 吉郎
オートインサイト代表/技術ジャーナリスト・編集者。自動車メーカーへの就職を目指して某私立大学工学部機械学科に入学したものの、尊敬する担当教授の「自動車メーカーなんかやめとけ」の一言であっさり方向を転換し、技術系出版社に入社。30年近く技術専門誌の記者として経験を積んで独立。現在はフリーの技術ジャーナリストとして活動している。クルマのミライに思いをはせつつも、好きなのは「フィアット126」「フィアット・パンダ(初代)」「メッサーシュミットKR200」「BMWイセッタ」「スバル360」「マツダR360クーペ」など、もっぱら古い小さなクルマ。
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