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2/33V8ミドシップ系の“ピッコロフェラーリ”に近いサイズのボディーに、電動化されたパワートレインをミドシップ搭載した「296GTB」。2021年6月に世界初公開され、日本では同年10月に実車が披露された。
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3/33インテリアはゴテゴテとした装飾を排したシンプルでミニマルなもの。オーディオのスピーカーも、ダッシュボードと同色のカバーで隠すなど、その施策は徹底している。
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4/33計器類にナビゲーション、インフォテインメントシステムと、さまざまな機能が統合されたインストゥルメントクラスター。操作はステアリングホイールのコントローラーで行う。
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5/33「296GTB」という車名は、排気量と(厳密な排気量は2992ccだが)シリンダー数を合わせた3ケタの数字に、「グラン・トゥーリズモ・ベルリネッタ」の頭文字を組み合わせたもの。往年のフェラーリを知る人なら、この命名法を懐かしく感じることだろう。
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6/33ステアリングホイールに備わる「マネッティーノ」のコントローラー。「ウエット」「スポーツ」「レース」の3つのドライビングモードが選択できるほか、トラクションコントロールや横滑り防止装置をオフにすることもできる。
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7/33「eマネッティーノ」は電動パワートレインの制御を切り替える機能だ。「イー・ドライブ」は電気のみでの走行モード。「ハイブリッド」は効率重視のノーマルモード。「パフォーマンス」はICEを常時稼働してバッテリーの残量を維持し、いつでもフルパワーが発揮できる状態に保つ“走り重視”のモード。「クオリファイ」はバッテリーの再充電を抑え(=エンジンパワーのすべてを走行に振り分ける)、電気のある限り最大限のパフォーマンスを発揮し続けるモードだ。
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8/33「ハイブリッド」モードでは、ドライバーの任意でICEによるバッテリーの充電が可能。メーターにパワートレインの操作画面を呼び出し、「Charge」のボタンを選択するとチャージが開始される。
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9/33「296GTB」のブレーキはバイワイヤ式で、踏力に合わせて摩擦ブレーキと回生ブレーキを統合制御するもの。その操作性と減速フィールは非常にスムーズで洗練されている。
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10/33「296GTB」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4565×1958×1187mm。引き締まったデザインの妙で実寸よりコンパクトに見えるが、じつは堂々とした体格の持ち主なのだ。
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11/33シートには高品質なイタリアンレザーを使用。シート後方にはささやかな収納スペースが設けられている。
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12/33フル液晶のインストゥルメントクラスターを含め、インターフェイスはその大部分をデジタル化。ステアリングホイールのスタート/ストップスイッチや「eマネッティーノ」のコントローラー、灯火類やサイドミラーのコントローラーはいずれもタッチ式となっている。
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13/33ナビが日本仕様となっているのはもちろんだが、インストゥルメントクラスターはその他の点でもローカライズが徹底されている。意地悪く階層を下ってみても、日本語のフォントが怪しくなったり……という箇所は見当たらなかった。
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14/33ダッシュボードにセンターモニターは備わらないものの、助手席の前にはパッセンジャーディスプレイを設置。助手席の乗員も、オーディオなどを操作できるようになっている。
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15/33パワートレインは、最高出力663PS、最大トルク740N・mの3リッターV6ツインターボエンジンと、最高出力167PS、最大トルク315N・mのアキシャルフラックスモーター、そして8段DCTの組み合わせ。システム最高出力は830PSとなっている。
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16/33充電口は左側のフライングバットレスに配置(ちなみに給油口は右側)。バッテリー容量が小さいこともあり、急速充電には対応していない。
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17/33ドライブを終えてシステムをオフにすると、インストゥルメントクラスターには走行距離やEV走行の比率、ブレーキエネルギーの回生量などが表示される。このあたりは先の「SF90」と同じだ。
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18/33センターコンソールには過去のモデルのシフトゲートをモチーフにした意匠のシフトセレクターを配置。ただし、「D」レンジに入れる際はこちらで操作するのではなく、シフトパドルを一押しする必要がある。
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19/33タイヤサイズは前が245/35ZR20 、後ろが305/35ZR20。標準仕様には「ミシュラン・パイロットスポーツ4 S」が、サーキット走行向けの「アセットフィオラーノパッケージ」装着車には「パイロットスポーツ カップ2 R」が装着される。
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20/33最高速330km/hのハイパフォーマンスカーだけに、ボディーの各所に空力デバイスを採用。フロントリップの通風口には、F1マシンのフロントウイングを思わせる小さな整流版が備えられている。
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21/33ヘッドランプの内側に設けられたエアダクトは、フロントブレーキを冷却するためのものだ。
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22/33リアまわりでは、エキゾーストシステムを上方に配置することで、車体底部のディフューザーとして使えるスペースを拡大。左右テールランプのあいだには格納式のスポイラーが設けられており、必要に応じてせり出すことでダウンフォースを増大させる。
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23/33ミドシップ車ならではのマスの集中や後輪寄りの前後重量配分に加え、「296GTB」ではガソリンタンクを2分割して車体底部に搭載するなど、低重心化も徹底。複雑なメカではなく、優れた基本設計で高いコーナリング性能を実現しているのだ。
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24/33「F163」型3リッターV6ツインターボエンジンは、キャビン後方の非常に低い位置に搭載。IHI製ターボチャージャーの高い過給効率も手伝って、221PS/リッターという量産車としては世界最高の比出力を実現している。
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25/33リアセクションの中央に設けられたマフラー。「ホットチューブ」を介してエンジン音が伝えられるキャビン内はもちろん、車外で聴いていても「296GTB」のサウンドは美声だ。
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26/33電子制御ダンパーを備える「296GTB」では、「マネッティーノ」の設定に応じて乗り心地も変化する。ただし「アセットフィオラーノ」パッケージ装着車では、ダンパーの減衰力も固定となるので注意が必要だ。
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27/33今回の試乗では、218kmの距離を走って27.8リッターのガソリンを消費。参考燃費は満タン法で7.8km/リッターとなった。最高出力830PSのスーパーカーとしては存外の数値で、これもまた、フェラーリが証明に臨んだ「テクノロジーの可能性」の一面といえるだろう。
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28/33フェラーリ296GTB
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今尾 直樹
1960年岐阜県生まれ。1983年秋、就職活動中にCG誌で、「新雑誌創刊につき編集部員募集」を知り、郵送では間に合わなかったため、締め切り日に水道橋にあった二玄社まで履歴書を持参する。筆記試験の会場は忘れたけれど、監督官のひとりが下野康史さんで、もうひとりの見知らぬひとが鈴木正文さんだった。合格通知が届いたのは11月23日勤労感謝の日。あれからはや幾年。少年老い易く学成り難し。つづく。
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