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1/6トヨタのチーフエンジニアとして、FRスポーツカー「86」をはじめとするさまざまなクルマの開発を取りまとめてきた多田哲哉さん。今回問題となった「型式指定の取得」も、現役時代は重要な業務のひとつだった。
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2/62024年6月3日、トヨタ自動車は、生産終了モデルの「シエンタ」(写真)を含む同社製品7車種の型式指定申請に関し、試験におけるデータ不備や試験方法の誤りがあったことを明らかにした。同日、ホンダ、スズキ、マツダ、ヤマハも認証試験に関して“不適切な事案”があったことを公表している。
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3/6認証の対象となる項目は1車種でも膨大な数となり、その提出書類は机上に高々と積み上がるほどという。「認証に通らない」というのは、自動車メーカーにとっては、やり直しに数週間・数カ月の時間を要してしまう“絶対に避けるべき事態”。それゆえ、メーカー関係者は手続きに際して大変な緊張と労力を強いられることになる(写真の「GRスープラ」はイメージ)。
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4/6多田さんはかつて、BMWとの協業で「GRスープラ」を開発するためドイツに渡り、かの国が官民学一体となって自動車産業の発展に取り組んでいるさまを目の当たりにして、大きな衝撃を受けたという(写真はオーストリアでのワンシーン。右から3人目が多田さん)。
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5/6ドイツでは、異なる自動車メーカーやメガサプライヤー、さらに認証にかかわる公的機関のスタッフが飲食をともにしつつ情報交換するのは当たり前。出身大学つながりでの交流も盛んだ。写真は、イタリアの山岳路で車両をテストした際のランチタイム。
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6/6役所とメーカーのどちらが悪い? という議論もあるが、言ってしまえば“どっちもどっち”。今後の自動車業界発展に向けて、両者が協力し合い、新たな枠組みをつくることが重要だと、多田哲哉さんは語る。

多田 哲哉
1957年生まれの自動車エンジニア。大学卒業後、コンピューターシステム開発のベンチャー企業を立ち上げた後、トヨタ自動車に入社(1987年)。ABSやWRカーのシャシー制御システム開発を経て、「bB」「パッソ」「ラクティス」の初代モデルなどを開発した。2011年には製品企画本部ZRチーフエンジニアに就任。富士重工業(現スバル)との共同開発でFRスポーツカー「86」を、BMWとの共同開発で「GRスープラ」を世に送り出した。トヨタ社内で最高ランクの運転資格を持つなど、ドライビングの腕前でも知られる。2021年1月に退職。
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