第40回:「シビック・タイプR」です(2)
2007.04.12 エディターから一言第40回:「シビック・タイプR」です(2)
意外にも
「ホンダ・シビック・タイプR」です。
今度のタイプRは4ドアセダン……と最初に聞いたとき、正直「どんなもんかい?」と思ったんですね。市販のシビックセダンは、乗ればしっかりしたいいクルマだけど、見かけはなんというかノッペリしてて、「まあ、普通かなぁ」と。
でも、ちゃんとカッコよくなっているじゃないですか。シビック・タイプR!
「チャンピオンシップホワイト」がイカしてる!!
ホンダのF1マシンも、このカラーリングにすればよかったのに!!!
……やや口がすべりました。
タイプRは、前後左右に空力パーツが付与されて、ノーマルシビックより、20mm広く、10mm低い、ちょっぴりスポーティな寸法になっとります。
リアのウィングは“うれしはずかし”な感じですね。黒ツヤ塗装が施されて、後ろから見たときに、視覚的にビジーになるのを避けています。
225ps!
注目の225psエンジン。2リッター直列4気筒。いわずとしれた、2種類のカムをもつi-VTECユニット。1基のエンジンのなかに、燃費がよくて働きものの実用エンジンと、刹那的にブン回してパワーを絞り出すレーシィなエンジンの2種類を詰め込んだ魔法のエンジンです。
1リッターの排気量から100psのパワーを得るのが技術者の夢だった時代もありますが、i-VTECはリッターあたり112.5psと、夢の1割(強)増し。
究極のNA(自然吸気)エンジンと謳われた2代目「ホンダ・インテグラ・タイプR」と比較してみましょう。
シビック-インテグラ
・排気量:
1998cc-1998cc
・最高出力:
225ps/8000rpm-220ps/8000rpm
・最大トルク:
21.9kgm/6100rpm-21.0kmg/7000rpm
・圧縮比:
11.7-11.5
新しいシビック・タイプRは、ピークパワーが上がっただけでなく、トルクも太くなって、しかも低い回転数で発生しているのがすごい。今回はサーキット走行だけだったのでよくわかりませんでしたが、街なかでも相対的に“使いやすい”エンジンになってるんじゃないでしょうか。
あと、VTECのカム切り替えポイントが、6000rpmから5800rpmに下がったのもニュースです。
パーツ類
「ホンダ・シビック・タイプR」のエンジンは、ピストン、コンロッド、クランクシャフトとも専用品。エンジンの回転運動をスムーズに継続させるフライホイールも、超軽量鍛造クロモリ製になりました。
【写真・上】
わかりにくくて恐縮ですが、ピストンは、頂部がこれまで以上に盛り上がった。圧縮比は、2代目「ホンダ・インテグラ・タイプR」の11.5から、11.7に上げられてます。
【写真・下】
初代「ホンダ・インテグラ・タイプR」では、職人の手作業によるポート研磨が話題になりましたが、「粉塵が人体に悪い」ということもあり、初代インテR以後は行われていません。
そのかわり、今回は「ホンダNSX」用エンジンの製造技術を応用して、鋳型に樹脂コーティングを施したそう。耐熱性のプラスチックで型をつくってアルミを流し込む、といったイメージでしょうか。ポートの中に指を差し込んでみると、かつての梨の皮のような表面から、ヌルリとした感触の表面に変わってます。
(webCGアオキ)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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