オペル・アストラ2.0 Turbo Sport/キャデラックSRX/シボレー・オプトラ【試乗記】
GM、よりどりみどり 2005.02.07 試乗記 オペル・アストラ2.0 Turbo Sport/キャデラックSRX/シボレー・オプトラ 2005年のJAIA試乗会、『webCG』本諏訪裕幸は、いずれもGMグループに属するアメリカ、欧州、アジアの3ブランドからチョイス。リーズナブル、スポーティ、ラクシャリーと、キャラの異なる3台をリポートする。
拡大
|
拡大
|
拡大
|
見つけづらいマニッシュカーオペル・アストラ2.0 Turbo Sport(6MT)……315.0万円
「フォルクスワーゲン・ゴルフ」に真っ向から立ち向かうため、Cセグメント市場にさっそうと登場したのが「オペル・アストラ」。地味な印象をぬぐうべく、電気仕掛けのハイテク制御と、エッジの効いたボディデザインで攻めてきた。その最もスポーティなモデルが「2.0 Turbo Sport」。最高出力は200psと、まもなく登場する「ゴルフGTI」と同数値で張り合う。
電子制御の目玉は「CDC(コンティニュアスダンピングコントロール)付きIDS(インタラクティブドライビングシステム)-Plusサスペンション」。簡単に言えばアクティブサスペンションで、減衰力を適宜調節するというもの。手動で「SPORT」と書かれたインパネのスイッチを押すと、ステアリングやアクセルレスポンスが向上し、足まわりもより硬いセッティングとなる。リポーターは、ノーマルの状態でも十分スポーティと感じた。電子制御が強いせいか、「がっちり地面をつかむ」というアナログ的な感覚に乏しいものの、適度に硬い乗り心地はドイツ車のそれである。
エンジンは下から十分なトルクがあり、コクコクと小気味よく決まる6段MTを頻繁に操作しない怠惰な運転も受け付ける。なお「2.0ターボスポーツ」は6段MTしか選択できない。余談だが、ワゴン版「2.0ターボスポーツ」も6段MTのみで、こちらにはATの設定が欲しいところ。
直線基調に、小さなボタン類というインパネデザインは硬派で男っぽい。アウディと共にリッチ路線に傾きつつあるVWと比べ、明らかに違うキャラクターを打ち出している。フル本革シートにせず、ファブリックを混ぜるあたりもナイスなマッチングだが、小ぶりなシートはいささか気になる。
スポーティさをがむしゃらに表現している、マニッシュな「アストラ2.0 Turbo Sport」は、ほぼフル装備状態の本体価格が315万円というのも魅力。弱点は「オペルってどこで買えばいいの?」って聞かれることだ。答えは、「全国のヤナセネットワーク(他)で扱ってます」。
拡大
|
拡大
|
拡大
|
“純”アメリカンなリッチSUVキャデラックSRX(5AT)……635万円
「CTS」から始まる「アート&サイエンス」デザインに基づいたSUVが「SRX」。日本では2003年10月に発表された。当初のラインナップは4.6リッターV8モデルだけであったが、2004年11月に3.6リッターV6が追加された。V6ユニットにレギュラーガソリンが使用できるのは、ガソリンの高い日本ではうれしいニュースだ。
およそ2トンのボディに対して、下位のエンジン追加はいささか不安があったが、試乗によって解決。35.0kgm/2800rpmという、下の回転数から発生する大トルクのおかげで、スムーズに加速した。ブレーキも強く利き、安心だ。
このグレードでは、磁気を利用するアクティブサスペンション「マグネティックライドコントロール」はオプションとなり、試乗車は非装着であった。今回は悪路での走行は試していないが、舗装路上では乗り心地は快適。コーナリングでは多少ロールが大きく感じたものの、ラインを大きくはずしたりはしない。独ニュルブルクリンクサーキットで鍛えたというシャシーはダテではないようだ。しかしステアリング自体が大きく、回すのが大変なので、スポーティなドライビングには不向き。
シートヒーター付きの革張りパワーシートは大ぶりで、ウッドパネルとブラック&ベージュの色遣いで構成されたインテリアは、高級感にあふれるもの。CTSなどもそうなのだが、インパネ部にある文字のフォントがスタイリッシュで気に入っている。その他装備では、8スピーカーのBOSEサウンドシステムや「ウルトラビュー」と名乗る、前後に長い電動サンルーフが車内の快適空間を作り上げている。
アメリカ市場で人気の高級SUVは、「ポルシェ・カイエン」「BMW X5」など輸入車が多い。そんな中“純”アメリカンの「SRX」は、「キャデラック」というブランドネームとあいまって、強いアメリカを思い起こさせる。“アメリカンV8”という言葉にオーラを感じず、町なかをリッチな気分で走りたい人にはV6で十分だろう。676万円の「ポルシェ・カイエン」では味わえない、リッチアメリカンがそこにはある。
拡大
|
拡大
|
拡大
|
スイフトがいいだけに……シボレー・オプトラセダン(4AT)……173万2500円
「シボレー・オプトラ」は、韓国のGM大宇オートアンドテクノロジー(GMDAT)社が生産する2リッターセダン/ワゴン。北米では2003年11月から「スズキ・フォレンツァ」として販売されているが、日本内ではシボレーブランドを冠し、スズキ販売店で扱われる。トラクションコントロール(TCS)やEBD(電子制動力配分制御)付きABS、サイドエアバッグなどが標準装備されながらも、価格は173万2500円とリーズナブルな点を売りに日本市場に進出した。
セダンのディメンションは全長×全幅×全高=4515×1725×1445と、国産2リッターセダン「トヨタ・アリオン」より50mm短く、30mm幅広い。GMグループのオーストラリア・ホールデン製エンジンは、十分なトルクがあり、街なかでの走行や高速道路での加速などでも不満はない。ただしブレーキのタッチはスポンジーで、初期制動力も低く感じた。乗り心地は、総じて良好。
試乗車はオプションとなるレザーシートを装備していたものの、インテリアは質素で木目調のパネル類も国産のライバルにはいま一歩及ばない。テレスコピック&チルトができるステアリングは好印象。こちらは国産車が見習ってほしいところだ。
気になったのは、ゲート式のATセレクターレバー。「P」「R」の位置に移動させるとき、レバーを押し込む動作が必要になり、意識していないとうまく動かせない。このクラスのセダンユーザーには、他のクルマと同様の操作ができた方が好ましいだろう。
スズキの乗用車では「エリオ」(1.5、1.8リッター)の兄貴分となり、ラインナップは拡充されるが、そもそもこのクラスのセダン市場は、日本国内で収縮している。「トヨタ・プレミオ/アリオン」「日産プリメーラ、ブルーバードシルフィ」などの強敵もおり、日本市場での苦戦が予想される。
対してワゴンの方は多少の光が見えた。このクラスの国産ステーションワゴンは若者を意識したモデルが多く、スタンダードなワゴンは「日産アベニール」「トヨタ・カローラフィールダー」くらいで、十分参入できると考える。ただしエンジンスペックで考えると、国産1.8リッタークラスでも十分対抗できるゆえに、価格でのアドバンテージも少ないか。
個人的には「スイフト」の高いクオリティに満足していただけに、「オプトラ」は期待レベルに達しなかった。最近のスズキの流れとは違うこのクルマ、シボレーブランドは正解(?)かもしれない。
(文=webCG本諏訪裕幸/写真=峰昌宏/2005年1月)

本諏訪 裕幸
-
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】 2026.10.16 欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。
-
フィアット500トリノ ハイブリッド(FF/6MT)【試乗記】 2026.10.13 電気自動車からエンジン搭載車へと華麗に変身! 日本では珍しい、4代目「フィアット500」のマイルドハイブリッドモデルに試乗。1リッターの自然吸気エンジンを6段MTで駆るイタリアンコンパクトは、今のクルマが忘れてしまった楽しさに満ちていた。
-
ボルボES90ウルトラ ツインモーター パフォーマンス(4WD)【試乗記】 2026.10.12 ボルボの電気自動車(BEV)「ES90」のトップモデル「ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」を駆り、東京から初秋の新潟へ。往復700kmを超えるロングドライブで分かった新型5ドアハッチバックモデルの実力と、BEVで気になる充電環境のリアルな今を報告する。
-
フェラーリ・プロサングエ ハンドリング スペチアーレ仕様(4WD/8AT)【海外試乗記】 2026.10.8 フェラーリの4ドア4シーターモデル「プロサングエ」に、「ハンドリング スペチアーレ」を名乗るスペシャルバージョンが登場。その走りは従来モデルからどのように変わったのか? 跳ね馬の原産国、イタリアで確かめた。
-
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”VX(4WD/6AT)【試乗記】 2026.10.7 新たにシリーズに加わった「ランドクルーザー“FJ”」は、ポップな見た目から簡易版のように思われるかもしれないが、その中身は紛れもなく本物であり、道なき道をグイグイと突き進む。これもまた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を体現する一台である。
-
NEW
三菱eKクロスEV P(FWD)【試乗記】
2026.10.17試乗記三菱の軽乗用電気自動車(EV)「eKクロスEV」が、一部改良でデザインを刷新! 2022年発売の古参の一台は、台頭するライバルをどう迎え撃つのか? 最新モデルと比べても、キラリと光る魅力はあるのか? 軽EVのパイオニアが擁する一台の実力を確かめた。 -
写真で解説する「フィアット・グランデパンダ」
2026.10.16画像・写真ステランティスが「フィアットブランドの大きな柱のひとつとなる重要なモデル」と位置づける「グランデパンダ」が日本上陸。その具体的な見どころを、写真とともに解説する。 -
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】
2026.10.16試乗記欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。 -
スズキの未来を徹底検証! 技術戦略説明会から“10年先のスズキの姿”を夢想する
2026.10.16デイリーコラム年間生産500万台で、Dセグメントまでカバーする巨大メーカーに!? スズキが発表した「10年先を見据えた技術戦略2026」を徹底検証。技術開発に製品開発、インドを核としたグローバル戦略などの中身を通して、「10年先のスズキの姿」を予想した。 -
賢い選択 ――キャデラック「LYRIQ」フラットプランのすゝめ――
2026.10.15投資家も太鼓判! 「キャデラック・リリック」×フラットプランという最適解<AD>クルマが変わり、時代も変われば“持ち方”だって変化する? お金のプロである投資家が、「キャデラック・リリック」の残価保証型リースを勧める理由とは? 夢の「2台持ち」をかなえる、最新電気自動車の賢い選び方を考えた。 -
間もなく正式発表 ミツオカの新型2シータースポーツカー「LA1」を予測する
2026.10.15デイリーコラム光岡自動車が2026年11月26日に正式発表を予定しているアメリカンスタイルの新型2シータースポーツカー「LA1」。現在公開されているLA1の画像とティーザーサイトに掲載された情報から、その特徴を分析する。




































