第21回輸入車試乗会 (前編:現役古株モデル篇)【試乗記】
第21回輸入車試乗会(前編:現役古株モデル篇) 2001.02.07 試乗記 ルノー・トゥインゴ シトロエン・エグザンティア シボレー・カマロ 2001年2月6日から、神奈川県は大磯で、プレス向けの第21回輸入車試乗会が開かれた。21社、100台を超える輸入車が一同に会する一大イベント。日々最新モデルのテストに追われるwebCGスタッフは、温故知新、息の長い古株モデルに乗ってみた。![]() |
『素のクルマ』ルノー・トゥインゴPack(5MT)
1992年のパリサロンでデビューした、丸目、キュートなスタイルがウリのルノーのボトムレンジモデル。日本には、95年から導入が始まった。
2年後には、エンジンがOHVからSOHCに変更され、排気量が90cc縮小されたにもかかわらず、出力が6psと0.2kgmアップした……てなことは、このクルマの場合あまり重要ではない。
サイズは小さめだが、クッション豊かなやさしいシートは、座っただけでココロ安らぐ。オモチャ然としたインパネ、鉄板むき出しのAピラー、シーズンごとに変わるシート地が楽しい。着座位置は高く、一方、サイドガラスの下端が低いので、開放感は抜群。
エンジンは非力だが、ロウで47km/h、セカンドで86km/hまでカバーする低いギア比の5MTを駆使すれば、街なかでも痛痒感はない。路面からのステアリングへの入力は直接的だが、155/70R13という細く、厚めのタイヤを履くトゥインゴの乗り心地は、けっして悪くない。内外のポップなデザインに、多少の古さを感じるヒトがいるかもしれないが、「素のクルマ」の良さは色あせない。
(webCGアオキ)
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サラっとこなす「アバンギャルド」シトロエン・エグザンティア・リミテッドエディション(4AT)&シトロエン・エグザンティアブレーク・リミテッドエディション(4AT)
シトロエンのミドルレンジを担う「エグザンティア」。1992年にセダンが、3年後にブレーク(ワゴン)が誕生。4ドアにノッチ付きのテールゲートというボディが、いかにもフレンチ。
スプリングのかわりにオイルと窒素ガスを使用したいわゆる「ハイドロ」サスペンションは、上級グレードの「ハイドラクティブII」と、ノーマルの「ハイドロニューマチック」に分かれる。前者は、電子制御アクティブサスの性格を付与したもの。とはいえ、スフィアの数は違っても、基本は変わらない。
今回出展されたリミテッドエディションは、2リッター直4ユニット(130ps、18.7kgm)搭載の「SX」に、特別仕様の内外装を与えたモデル。薄い空色のボディカラー「ブルーレマン」が、目玉色(ブレークがそれ)。
キーを回すと、スクッと尻から立ち上がる感じが独特である。座面が長めのシートには、シンナリとした肌触りの生地が使われ、やんわり柔らかい。ハイドロサスによるソフトな乗り心地に、寄与するところ大。
路面の悪い西湘バイパスでも、滑るようなドライブフィール。かつての弱点だった突き上げ処理も、うまくこなすようになった。モデル末期に進む、さらなる熟成。サラッとこなす「アバンギャルド」。
(webCG有吉)
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『それいけ、288バリキ!』シボレー・カマロZ28(4AT)
1992年に登場したシボレーのスペシャルティカー、4代目カマロ。「Z28」の名称は、初代以来、ハイパフォーマンスモデルに与えられる。
現行Z28は、ピュアスポーツ「コーベット」と基本的に同じ、伝統的なプッシュロッドユニット「LS1」を搭載する。5200rpmで288psの最高出力、4000rpmで44.6kgmの最大トルクを発生する、アウトプットの大きなエンジンだ。オーバーヒート対策に、冷却水のレベルが一定以下に減少すると自動的に複数のシリンダーを休止する、ユニークな「リムホーム(Lime Home)」機構を備える。
「RV」「SUV」全盛の、現在の日米自動車市場ではまるで流行らない、ペタッと低い着座位置。ルーフが低く、グラスエリアは上下に狭い。「ワル」な閉所感あり。
キーを捻ったとたん、アメリカンV8が存在を主張する。腹に響く回転音。低音の魅力。ビッグトルクを武器に全力加速を敢行すると、ホイルスピンせんばかりに、1560kgのボディを「グワッ!」と押し出す。迫力満点。
ただし、ときにわななくボディが、時の流れを感じさせる。4段オートマチックトランスミッションも、滑りが多くて古くさい
シボレー・カマロ、見た目から想像するよりハンドリングはよくて、山道が楽しい。
暴れがちなリアサスを押さえながらガスペダルを踏み込むと、「オレって、マッチョ!?」。それいけ、288バリキ! ただし小回りは苦手。
(webCGアオキ)
(写真=河野敦樹/撮影=スパルコ・フランキーニ)

河野 敦樹
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