第86回:2004年東京オートサロン報告(その1)〜トヨタ、スズキ編 これはある意味“規制緩和”だ!
2004.01.13 小沢コージの勢いまかせ!第86回:2004年東京オートサロン報告(その1)〜トヨタ、スズキ編 これはある意味“規制緩和”だ!
■ホンネが顕著
2004年も行ってきました「東京オートサロン with NAPAC」。いちおう、昔ながらの「チューニングカーの祭典」を標榜してるみたいだけど、ますますもって“メーカーのホンネ”がうかがえる場所になった、って感じです。1995年に、日産が「スカイラインGT-R」(R33型)の発表を行なって以来の傾向だけど、今回もまたしかり。俺的には「タテマエ抜き!」ってのが、肩凝らなくてうれしいんだけど……。
特にホンネが顕著だったのは、トヨタとスズキと三菱。
トヨタさんは、驚きの新型「クラウン」を全面展開。昔じゃ考えられない手法だけど、トヨタのサテライトブランドとでもいうべきモデリスタやら、TRDやらのクラウン・コンプリートカーはもちろん、トヨタ自らのオフィシャルカー、派手なエアロを付けたバージョンを出してるんでビックリした。
しかも結構似合ってんのよ、今度のクラウン。「ゼロ・クラウン」ってコピーからもわかるように「ゼロからのスタート」。つまり「生まれ変わり」を目指してるから、オートサロンに来る客層もターゲットにしたいんだろう。実際、スタイルにしろ中身にしろ、全域でスポーティになってるみたいだし。
それから、外人ダンサーによるステージの演出も凄かった。ますますもって、名古屋的水商売感覚サクレツ!? ついでに、モデリスタチューンの「シエンタ」も、ママさんカーが予想外にワイルドになってるんでビックリよ。やるよなぁ、トヨタ。このなりふりかまわない感じ、俺は好きです。
■“ホンネ全開”が魅力
それから、スズキもダイレクトでよかった。一昨年あたりから「ブースが広くなってる」のはもちろん、チョップドルーフの「ラパン」や、観音開きの「ワゴンR」なんて、ほとんど市井のチューニングショップ顔負け。広報マンは「コンセプトカーですから」ってニガ笑いしてたけど、この“ホンネ全開”なところがオートサロンの魅力だよね。それも、トヨタ、スズキと日本の二大“したたかメーカー”が力入れてるのがわかりやすかった。
普段、安全だ環境だって厳しい制限ばっかり受けてるから、タマにはメーカーもハメ外したいよね。カタいこと言う人もいるみたいだけど、俺的にはぜーんぶOK。もーっとやってください。じゃないと日本のメーカー、中国に負けちゃうよ。
(文=小沢コージ/2004年1月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
トヨタ・クラウン エステートRS(前編)
2025.9.25あの多田哲哉の自動車放談「クラウン」らしからぬデザインや4車種展開などで大いに話題となった、新世代のトヨタ・クラウン。そのうちの一台「クラウン エステート」に、元トヨタの車両開発者である多田哲哉さんが試乗した。 -
NEW
第929回:販売終了後も大人気! 「あのアルファ・ロメオ」が暗示するもの
2025.9.25マッキナ あらモーダ!何年も前に生産を終えているのに、今でも人気は健在! ちょっと古い“あのアルファ・ロメオ”が、依然イタリアで愛されている理由とは? ちょっと不思議な人気の理由と、それが暗示する今日のクルマづくりの難しさを、イタリア在住の大矢アキオが考察する。 -
NEW
狙うは「N-BOX」超え 新型「ルークス」は日産の復活に向けた号砲か?
2025.9.25デイリーコラムフルモデルチェンジで4代目に進化した「日産ルークス」の評判がよさそうだ。2025年8月に車両概要が先行公開され、同年9月には価格も発表。あとは正式発売を待つばかり。ライバルとして立ちはだかる「ホンダN-BOX」を超えられるか。 -
NEW
新型「フェラーリ849テスタロッサ」発表イベントの会場から
2025.9.24画像・写真V8ツインターボエンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせた、フェラーリの新たなフラッグシップスーパースポーツカー「849テスタロッサ」。東京・高輪で行われた発表イベントの様子と車両を写真で紹介する。 -
ボルボEX30ウルトラ ツインモーター パフォーマンス(4WD)【試乗記】
2025.9.24試乗記ボルボのフル電動SUV「EX30」のラインナップに、高性能4WDモデル「EX30ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」が追加設定された。「ポルシェ911」に迫るという加速力や、ブラッシュアップされたパワートレインの仕上がりをワインディングロードで確かめた。 -
メルセデスとBMWのライバルSUVの新型が同時にデビュー 2025年のIAAを総括する
2025.9.24デイリーコラム2025年のドイツ国際モーターショー(IAA)が無事に閉幕。BMWが新型「iX3」を、メルセデス・ベンツが新型「GLC」(BEV版)を披露するなど、地元勢の展示内容はモーターショー衰退論を吹き飛ばす勢いだった。その内容を総括する。