スバル・レガシィツーリングワゴン2.5i EyeSight Sパッケージ(4WD/CVT)【試乗記】
これこそスバルの走り!? 2012.08.22 試乗記 スバル・レガシィツーリングワゴン2.5i EyeSight Sパッケージ(4WD/CVT)……350万7000円
マイナーチェンジで2種類の新しい水平対向エンジンを採用した「スバル・レガシィ」。販売での主力となる2.5リッターNAエンジン搭載車の進化をスポーティーグレードで試した。
見た目以上に進化している
「あ〜、腹の肉センサーがプルプルきてる……」
痩せている人にはわからないと思いますが、私の体はぜい肉だらけで、人知れず脇腹がプルプル揺れていたりします。運転中にこのセンサーが反応すると、足まわりが硬いという証拠。自己嫌悪に陥っちゃいます。
新型「レガシィ」がビッグマイナーチェンジを受け、これまでの“笑い顔”から、イカツイ顔になって登場。「全性能進化」をコンセプトに、新世代ボクサーエンジンと新リニアトロニック(CVT)を搭載し、燃費や走行性能の向上を図っているほか、デザインや先進運転支援システム「Eye Sight(ver.2)」も進化しています。
具体的には、全グレードにおいて足まわりやAWD制御が進化、サスペンションのダンピング性(収束性)を向上させたほか、ボディー剛性のアップも果たしています。また、「2.5i Lパッケージ」「2.5i EyeSight」「2.5i EyeSight Sパッケージ」にはアイドリングストップ機構を搭載し、2015年度の燃費基準を達成しています(Sパッケージを除く)。
日常の快適性を追求したという、室内の広さや大きめシートなどの居住性の高さはそのままに、全体的にスポーティーにまとめられたインテリアは、全グレードで上質感のあるシート表皮に刷新。また主に操作系に変更が加えられ、メーターにはECOゲージが新設されたほか、電動パーキングスイッチがセンターコンソール内に、「SI-DRIVE」のスイッチはステアリングホイールに設置されるなど、さらに使い勝手をよくしています。パッと見ではよくわからないけれど、実は結構変わっているんですよね。
今回のマイナーチェンジの目玉は、なんといっても、2リッター水平対向直噴ターボエンジンと、高トルク対応リニアトロニックとを組み合わせたハイパフォーマンスモデル「2.0GT DIT」の登場ですね。ただ、2.0GT DITはレガシィの最上級モデル。販売の主力は依然、自然吸気(NA)の2.5リッターエンジンを積んだ「2.5i」系で、全体の約7割を占めています。
今回のマイナーチェンジで、2.5リッターNAエンジンは「EJ25型」ユニット(170ps、23.4kgm)から、新開発の「FB25型」ユニット(173ps、24.0kgm)になり、トランスミッションも新リニアトロニックに進化したので、「2.5i EyeSight Sパッケージ」を中心に試乗してみました。
バランスがいいのは17インチタイヤ
運転してみると、エンジンははっきり進化が感じられます。以前のEJ25型は、2.5リッターとしては低速トルクが物足りなく、出足でモタつく感覚があったのですが、FB25型は発進時からほわっと軽く浮いてスーーーっとリニアに加速していく感じがすごく心地いいんです。これはウチの「シトロエンC3」にも似た、癒やしのパワーフィールです!
一方、2リッター直噴ターボは、一呼吸おいてからグイッとスイッチが入る感じで、アクセルを踏み増すたびに、ビュンビュン飛ぶように走ります。特に、ターボがかかる2000prm辺りからは一気にステージが上がり、「コレ、どこまで加速するんだ!?」って一般道では怖くなるぐらい加速がスゴイんです。車重を感じないほどの軽快さで、圧倒的にパワフル。
2.5リッターモデルのなかでも、18インチタイヤを履いたSパッケージは、足まわりが硬めで、乗り心地の良さというよりも、高速域での走りのスタビリティーの高さを求めたセッティング。高速道路では、レーンに吸い込まれていくように走ってくれます。ところが、一般道ではゴツゴツと突き上げが感じられ、場所によっては左右に体が揺さぶられるようなシーンもあり、個人的には不快に感じました。
ちなみに私の“腹の肉センサー”が反応したのは、このSパッケージです。18インチタイヤ装着モデルに採用されているビルシュタインのダンパーは、初期のなじみに時間がかかるということもあるらしいけれど、現時点では、他のグレードの17インチモデルのほうが断然乗り心地もよく、バランスがいいと感じました。
振動を感じる理由
とはいえ、同じくらいスポーティーな足まわりを持っていても、もっとラグジュアリーな乗り心地を体感できるモデルもライバルにはあります。例えば「BMW 320i」は、お値段が高いっていう理由もあるでしょうが、同じくらいしっかりした足まわりなのに、同じ道を走っても、腹の肉センサーがプルッとくることはなかったのです。同じスバルの「BRZ」も18インチのレガシィよりプルプル度は低いんですよ! なぜレガシィはこんなに振動を感じてしまうのか? 開発陣に聞いてみました。
すると、まず「レガシィ全体として、先代よりも足まわりは硬くなっていると思います」とのこと。そして、私の腹の肉が揺れる主な原因として考えられるのは、「ダンパーの収束性とボディーのマッチングの問題」ということでした。
5代目となるレガシィは2009年に登場してから、3年が経過しています。ボディーは基本的には変更がないにも関わらず、足まわりが最新のものになっていることで、ボディーとの相性が、完璧とまでは言えないようなのです。
ということで、レガシィの2.5iに関しては、18インチタイヤのSパッケージよりも、その他の17インチモデルの方が個人的にはオススメです。
でもこのプルプル感ならぬ、ガシガシと歯ごたえのある乗り味こそスバルの走りだ! というファンも少なくないでしょう。そんな硬派なスバルファンは、迷わずSパッケージに突っ走ってください。エンジン&ミッションの実用性能アップは、どちらにしても保証付きです。
(文=スーザン史子/写真=荒川正幸)

スーザン史子
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