第144回:【Movie】こんなクルマ動画はどうでしょう? 最新スポーツカー編
2012.04.09 エディターから一言第144回:【Movie】こんなクルマ動画はどうでしょう? 最新スポーツカーの“トレーラー”を鑑賞する
生々しい躍動感が見どころ―フェラーリF12ベルリネッタ
自動車産業がつくっているものは、クルマだけではありません。例えば動画。世の中にはおもしろいクルマ動画がたくさんあります。題して「動画どうでしょう」。今回は、最新スポーツカーのイメージ動画をご紹介します。
スポーツカーとは何か? このシンプルな質問の回答は、それほどシンプルではありません。速いこと、スタイリングの格好がいいこと、運転して操りがいがあること――。それこそファンの数だけ定義があるのではないでしょうか。
では、クルマのつくり手であるメーカー側は、どう考えているのでしょうか。自社のスポーツカーを、どういう場面で、どう見せたいと思っているのでしょうか。それを手っ取り早く知るいい方法があります。トレーラー(trailer)などと呼ばれる、メーカー発のイメージ映像がいい参考になります。
フェラーリの最新モデル「フェラーリF12ベルリネッタ」の動画は、サーキットと丘陵地のワインディングロードが舞台です。カメラは空撮らしきハイアングルから、地面すれすれのローアングルまで自在に動き、疾走するF12ベルリネッタを追いかけて行きます。また、BGMがエンジン音より目立つことはなく、12気筒エンジンのサウンドを存分に楽しむことができます。
ここでは運転者は、あくまで車両に従属するものでしかありません。表現から、その個性はきれいに排除されています。また、BGMにボーカルが入ることもありません。あくまで主人公はフェラーリ。スポーツカーの生の躍動感に、とことんこだわっているように見受けられます。
次は新型「ポルシェ・ボクスター」を見ていきましょう。
峠の60秒物語―ポルシェ・ボクスター
「ボクスター」のトレーラーも舞台はワインディングロード。フェラーリとは異なり、運転者を黒子(くろこ)扱いしていません。作品の雰囲気づくりに利用しています。
エンジンスタートでボクスターにしては少々派手な排気音が響き、車載のストップウオッチがリセットされて準備完了。ここからストップウオッチが60秒を刻むまで、車両を躍動的に表現していきます。
お国柄の違いでしょうか、フェラーリのように公道でぎりぎりの運転をするのではなく、カメラワークと編集でスピード感を演出しています。ストーリーに意外性はありませんが、オーソドックスで見ていて安心できる作品といえそうです。
最後は、究極の4シータードライビングマシン「マセラティ・グラントゥーリズモ スポーツ」です。
走りはジェントルに―マセラティ・グラントゥーリズモ スポーツ
スポーツカーのトレーラーには、ストーリーの中盤で舞台がワインディングロードに移り、そこから一気にクライマックスへ向かうという流れが多いように思います。そのいわば“王道パターン”を、この「グラントゥーリズモ スポーツ」も踏襲しています。しかし、同じFRスポーツのフェラーリとは、だいぶ様子が異なっています。
460psのV8エンジンを搭載するこのモデルは、“究極の4シーター・ドライビングマシン”とうたわれているようですが、フェラーリのようにサーキットを所狭しと走りまわるようなことはしません。優雅にビルの合間を走り抜けたり、現代的な建築の中を徘徊(はいかい)したりしています。
ワインディングロードでもテールアウトさせるような、やんちゃなマネはせず、ちょっと速めのドライブ程度に抑えています。ボーカル入りのBGMが前面に出てきて、せっかくのエンジンサウンドが聞きづらくなってしまうのが残念。
スポーツマインドはあくまで内に秘め、走りはジェントルというのがマセラティ流のたしなみ。そう訴えているような作品です。
(webCG 竹下)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
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