マツダCX-5 XD(4WD/6AT)/CX-5 XD(FF/6AT)【試乗記】
全ての点で優れてる 2012.03.29 試乗記 マツダCX-5 XD(4WD/6AT)/CX-5 XD(FF/6AT)……300万1250円/279万1250円
マツダの新型SUV「CX-5」で目玉とされる、クリーンディーゼルモデルに試乗。その走りは?
「これって、ディーゼル!?」
試乗時間はひとコマ90分。撮影の細かな段取りを編集部Sさんから聞いたあと、エンジンをかけ、ホテルの車寄せでバックして方向転換してから走りだす。
そのとき急に気がついた、というか、思い出した。「これ、ディーゼルだよな!?」。1カ月前にガソリンの「CX-5」には乗った。そうだ、今回のテーマは、新設計の2.2リッター4気筒ディーゼルなのである。道路に出る寸前でクルマを止め、あらためてプッシュスタートのエンジン始動から試乗をやり直す。
CX-5のクリーンディーゼルは、そういうクルマである。ボーっとしていたら、あるいは、クルマに興味のない人なら、ディーゼルとは気づかないはずだ。クルマのそばで耳を澄ませば、コロコロしたディーゼル特有の音は聞きとれる。けれども、ドアを開けて車内に頭を突っ込むと、その音もしなくなる。キャビンの遮音がいいせいだ。運転しても、ガソリンモデルよりほとんど全ての点ですぐれている。「ガソリン車よりいい」というのは、ヨーロッパのディーゼルモデルと同じである。
あとから出るものがどんどんよくなるのは当たり前とはいえ、国産ディーゼルヒストリーを振り返ると、CX-5ディーゼルの伸びシロは画期的に大きい。同クラスのクリーンディーゼル車と比べても、「日産エクストレイル」を頭ひとつ、「三菱パジェロ」を頭ふたつみっつリードした。しかもCX-5は、そのどれよりも安いのだ。
箱根で試乗したのは、「XD」のFFと4WD。比較のために、あらためてガソリンモデルにも乗ってみた。