マツダ・アクセラハイブリッドHYBRID-S Lパッケージ(FF/CVT)/アクセラスポーツXD(FF/6AT)/アクセラスポーツXD(FF/6MT)
実り豊かな秋 2013.11.01 試乗記 徐々にあらわになる新型「マツダ・アクセラ」の実力。前回の試乗記ではガソリンプロトタイプのステアリングを握るにとどまったが、2回目の今回は、いよいよディーゼルモデル(プロトタイプ)とマツダ量産車初のハイブリッドモデルも試すことができた。伊豆で行われた試乗会の模様を、2回に分けてお届けしよう。マツダの試乗会は楽しい
こんな風に言うと語弊があるかもしれないが、正直に言えば取材するほうも人間だから、出掛ける前から内心わくわくする試乗会もあれば気が重いものもある。それにはもちろんプロダクトそのものの魅力、新鮮さが一番物をいうけれど、その場に集う人々が作り出す雰囲気が全体の印象を左右するのは、まあどんな仕事でも同じだと思う。
マツダの場合、試乗会の現場に出席してわれわれのどんな質問にも、率直に誠実に答えてくれるエンジニアをはじめ関係者がおおらかで明るいうえに、「私たちの新製品はどうですかっ!?」と積極的に前のめりに接してくれる人ばかりで、こちらも大いに刺激されるのだ。他のメーカーがそうではないというわけではないが、特にマツダの人は皆さん、熱さが違うように感じるのは、多分会社全体に勢いがあるからだろう。
一時期苦境にあったマツダは今、好調だ。雨にも風にも負けずに手塩にかけて育てて来たスカイアクティブ技術を搭載した新世代モデルの「CX-5」や「アテンザ」が好調のうえ、円安も手伝って本年度の中間決算も上方修正したという。もちろんそれだけで楽観はできないとはいえ、苦しい経営状況の下でも着実に開発を続けて来たその成果を収穫する時期を迎えたことは間違いない。収穫の歓(よろこ)びと活気に満ちた稲刈りに紛れ込んだように、こちらにも浮き浮きとした気持ちが伝わってきたのである。
めでたく実ったのは新世代スカイアクティブ・モデルの第3弾に当たる「アクセラ」だ。言うまでもなくアクセラは国内市場のみならず、世界中で「フォルクスワーゲン・ゴルフ」に代表されるCセグメントのライバルと戦う基幹モデルであり、マツダの年間販売台数の3割以上を占める最重要車種である。
通算3代目となる新型アクセラには、最新のスカイアクティブ・テクノロジーがすべて投入され、特にパワーユニットは1.5リッターと2リッターガソリン、2.2リッターターボディーゼル、そしてハイブリッドという3種類を取りそろえていることが特徴。ボディータイプも5ドアハッチバックの「アクセラスポーツ」に4ドアセダンと幅広いラインナップが設定され、さらに1.5リッターには4WDモデルもあるが、今回はその中からまずハイブリッドとディーゼルに的を絞って第1報をお届けする。
ちなみにモデルによって発売時期が異なり、ガソリン車とハイブリッドは2013年11月21日、ディーゼルは2014年1月、また2リッターガソリンの6MTは2014年春発売予定である。
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マツダ流はリニアリティー重視
マツダにとって初の本格的ハイブリッド車は4ドアセダンのみに設定される。ご存じのように、これは3年半ほど前に提携したトヨタの技術を取り入れたもので、ミラーサイクルの直噴2リッター4気筒エンジンに2基のモーターと動力分割機構、それにニッケル水素バッテリーを組み合わせた、要するに「プリウス」タイプのハイブリッドシステムを採用している。
ハイブリッド用に専用開発された2リッター直噴ミラーサイクルエンジンは99ps(73kW)/5200rpmと14.5kgm(142Nm)/4000rpmを発生、82ps(60kW)と21.1kgm(207Nm)を生み出す駆動モーターのスペックやいわゆるシステム合計出力も136ps(100kW)とプリウスとまったく同一だ。
しかし「料理人が違えばまったく別の料理になって当たり前」と開発チーフが胸を張ったように、プリウスとはまったく別物に仕上がっている。マツダが最も重視したのは、操作に対する自然でリニアなレスポンスだという。運転操作の基本となるドライビングポジションからあらためて最善を追求したのがスカイアクティブ技術の特徴だが、ハイブリッドモデルであっても、ドライバーの予測に応じたリニアな加速感や自然なブレーキフィールを実現するためにスロットルペダルの形状や取り付け角度にこだわり、またブレーキも実走テストを通じて徹底的に煮詰めたという。
事実、パワーの盛り上がり方やモーター走行からエンジンが始動する際のスムーズなつながり、違和感のない減速力の立ち上がりなどは、プリウスと同じ基本コンポーネンツを使用するとは思えないレベルに仕上がっている。全開にするとさすがにビーンというエンジン音がはっきりと聞こえるが耳障りではない健康的な音質だ。
燃費についてもマツダの旗幟(きし)は鮮明だ。JC08モードでは30.8km/リッターとプリウスの主力グレードの30.4km/リッターをわずかに上回っているが(32.6km/リッターの「プリウスL」は人目を引くための“燃費スペシャル”だ)、意地で狙ったわけではなく結果的にそうなっただけ、数字は特に重要ではないと明言する。目指すは常に「人馬一体」、その軸はブレていない。
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あふれだすトルクの俊足ディーゼル
ハイブリッドとは反対にディーゼルの「XD(クロスディー)」は5ドアハッチバックのみに設定されるモノグレードで、マツダ自身の予想を覆すほどの好評を博しているアテンザ用と同じ2.2リッター直噴ターボディーゼルを積む。175ps(129kW)/4500rpmのピークパワーよりも42.8kgm(420Nm)/2000rpmというずぶといトルクが特筆もの、なじみのない人はスロットルペダルを踏んでその力強さにびっくりするはずだ。
新型アクセラはホイールベースが先代に比べて60mm延長され、全幅は40mm広がったが、全長はセダン、ハッチバックともに従来通り。アテンザよりギュッと凝縮された感じのボディーにガソリン4リッター車並みのトルクだから当然かなりの俊足を持つXDは、スポーツ性を前面に打ち出したモデルで装備も充実しており、予定価格も298万2000円(6AT/6MTともに同じ)とシリーズで最も高い。ガソリン車(2リッターのアクセラスポーツは220万5000円~243万6000万円)との価格差はちょっと大きいように思ったが、その分高性能ツアラーという位置付けのようだ。
ディーゼルモデルはナンバー取得前のプロトタイプゆえ、クローズドコース内での試乗となったが、そこで試した限りではハイブリッドモデルよりさらに足まわりは逞(たくま)しく、同時にフラットで洗練された乗り心地を備えていた。車外で聞くアイドリング時のエンジン音はそれなりにディーゼルと分かるものだが、いったん動き出せばノイズも振動も気にならないレベルに抑えられている。
新しいパワートレインや爽快なハンドリングだけでなく、新開発のインストゥルメントパネルなど、他にも新型アクセラの特長は数多く一度には紹介しきれないほどだが、それらすべてに小手先ではない、基本に忠実な真っすぐの筋が通っていることは間違いない。真正面から欧州車と戦う、その覚悟に満ちたすがすがしい車である。
(文=高平高輝/写真=荒川正幸)
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テスト車のデータ
マツダ・アクセラハイブリッドHYBRID-S Lパッケージ(FF/CVT)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4580×1795×1455mm
ホイールベース:2700mm
車重:1390kg
駆動方式:FF
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:99ps(73kW)/5200rpm
エンジン最大トルク:14.5kgm(142Nm)/4000rpm
モーター最高出力:82ps(60kW)
モーター最大トルク:21.1kgm(207Nm)
タイヤ:(前)205/60R16 92V/(後)205/60R16 92V(ブリヂストン・エコピアEP150)
燃費:30.8km/リッター(JC08モード)
価格:267万7500円/テスト車=278万2500円
オプション装備:CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー<フルセグ>(3万1500円)/Boseサウンドシステム<AUDIOPILOT2+Centerpoint2>+9スピーカー(7万3500円)
テスト車の年式:2013年型
テスト車の走行距離:2075km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター
マツダ・アクセラスポーツXD(FF/6AT)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4460×1795×1470mm
ホイールベース:2700mm
車重:1450kg
駆動方式:FF
エンジン:2.2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:6段AT
最高出力:175ps(129kW)/4500rpm
最大トルク:42.8kgm(420Nm)/2000rpm
タイヤ:(前)215/45R18 89W/(後)215/45R18 89W(ダンロップSP SPORT MAXX TT)
燃費:--km/リッター(未定)
価格:298万2000円/テスト車=--円
オプション装備:--
※試乗車はプロトタイプ。
テスト車の年式:2013年型
テスト車の走行距離:2309km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター
マツダ・アクセラスポーツXD(FF/6MT)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4460×1795×1470mm
ホイールベース:2700mm
車重:1430kg
駆動方式:FF
エンジン:2.2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:6段MT
最高出力:175ps(129kW)/4500rpm
最大トルク:42.8kgm(420Nm)/2000rpm
タイヤ:(前)215/45R18 89W/(後)215/45R18 89W(ダンロップSP SPORT MAXX TT)
燃費:--km/リッター(未定)
価格:298万2000円/テスト車=--円
オプション装備:--
※試乗車はプロトタイプ。
テスト車の年式:2013年型
テスト車の走行距離:2384km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター

高平 高輝
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