第92回:ポルシェ・マカン ターボ(後編)
2015.03.20 水野和敏的視点スロットルの早開きに疑問あり
前回に続き、「ポルシェ・マカン ターボ」に試乗します。
ステアリングとインテリアに気になるところがあるという話は前編でしましたが、次に気になったのは、スロットルがとんでもなく早開きになっていることです。エンジン側のスロットルバルブがコンピューターの制御によって、ドライバーがスロットルペダルを踏み込む量よりはるかに大きく開くようになっています。出足のよさを強調することを目的に、「過度な演出」と思えるほどのチューニングが入っているのです。
スロットルの早開きは、あまりパワーがないクルマで採られる手段です。SUVをはじめ、ミニバンやセダンに採用された例も多くあります。
この連載で以前テストした「スバル・レヴォーグ」もそうでしたね。スバルは排気量の小さい1.6リッターエンジンではスロットルの早開きを採用し、一方排気量が大きく“走りだしトルク”がしっかりある2リッターエンジンでは採用せず、ペダルの開度とエンジンのスロットルの開度は同じとしています。
マカン ターボの場合は排気量が3.6リッターもあり、ターボにしてもツインターボ化し、タービンを小型にして応答性を上げているわけですから、このような過度の演出が本当に必要だったのか疑問です。今までのポルシェからは想像もできない演出です。
日常的な場面、例えば街中の走行におけるこういったセッティングの使い勝手を想像してみれば、ドライバーは発進時に踏み込んだアクセルペダルを、常に戻す必要に迫られることが予想されます。ドライバーは「マカン ターボはさすがにパワーがあるな」と思うでしょうが、燃費やCO2排出の観点から見れば、非常に効率のよくないことを繰り返している格好になるわけです。
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