第104回:トヨタ・ヴェルファイア ハイブリッド エグゼクティブラウンジ(前編)

2015.06.12 水野和敏的視点

巧みなデザイン

今回はトヨタの大型ミニバン「ヴェルファイア」を取り上げます。姉妹車「アルファード」とともに、今年早々にフルモデルチェンジを果たしました。アルファードは3代目、同車から枝分かれしたヴェルファイアは2代目となります。

「日産エルグランド」の対抗モデルとして2002年に登場したアルファード(ヴェルファイアは2008年から)は、FRベースのエルグランドに対し、エンジン横置きのFFプラットフォームを使っていました。

これまでリアサスペンションはコンベンショナルなトーションビーム方式でしたが、新型にはダブルウイッシュボーン方式が与えられ、四輪独立式の足まわりとなりました。なお、フロントはマクファーソンストラットです。

このリアの独立懸架方式への変更により、リアの内輪荷重の安定性が増したため、フロントのサスペンション設定について、ステアリングの操作やサスペンションのロール時のタイヤ荷重コントロールにとても余裕ができ、走りが一回り大人になったような進化を遂げています。走りと乗り心地とロードノイズなどの音や振動の処理がとてもスマートになり、一クラス上に感じられるようになりました。

さて、ヴェルファイアの外観を見てみましょう。メッキグリルの面積に驚きますね。「日本で一番価格の高いワンボックスに乗っているんだぞ!」というオーナーの叫びが聞こえてきそうです。トヨタの「ノア」や「ヴォクシー」、ホンダでいえば「ステップワゴン」、そして「日産セレナ」、そうしたミドルクラスのミニバンとは「クラスが違うんだぜ」と声高に主張しています。

その実、ミニバンユーザーは、セダンのオーナーたちより“クラス感”にこだわりますから……。トヨタは、そうしたミニバンユーザーの心理を上手にマーケットリサーチをしてカタチにしています。こういったところは、トヨタという会社のすごさを感じさせる一面でもあります。他社はここまで“真実のリサーチ”をしておらず、当たり障りのない市場調査結果で、なんとなくまとめてしまっている気がしてしまいます。

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