レクサスGS F(前編)

2016.06.09 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 SUPER GTやD1グランプリなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー、谷口信輝が、歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くす! 今回の試乗車は「レクサスGS F」。レクサスの粋を集めたスポーツセダンは、谷口の心をどう揺さぶったのだろうか。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

この外観は結構好きですよ

箱根は今回も雨模様。谷口信輝はレクサスGS Fのコックピットから降り立つと、いの一番に「TVDってなんですか」と尋ねてきた。「レクサスRC F」で初めて世に出たTVD(Torque Vectoring Differential)は左右の駆動力に差をつけることでヨーを発生させるシステムで、ブレーキを用いたトルクベクタリングに近い効果を生み出す。ただし、通常のトルクベクタリングが減速方向でしか作用しないのに対し、TVDは加速方向に対して作用するのが特徴である。

そう説明すると、谷口は「ほー、そうですか。でも、このコンディションでしょ? 限界まで攻めてなかったせいもあるのかもしれないけれど、あんまり効果を感じなかったなあ」と率直に印象を語ってくれた。

「じゃあ、NORMAL、SPORT S、SPORT S+の切り替えは?」と、谷口は畳みかけるように質問してきた。これは主にシフトスケジュール、スロットルレスポンス、スタビリティーコントロールの味付けを調整するもの。ただし、GS Fには可変ダンパーが装備されていないため、ハンドリングに直接的な影響を及ぼすことはあまりない。ましてや、このコンディションである。「ああ、やっぱり。これもあんまり違いがわかりませんでした」

こう話していると、谷口はまるでGS Fに引かれなかったようにも思えるが、実際はそうでもなかったらしい。「この外観は、結構好きですよ」 レクサスのスピンドルグリルは例によって造形が個性的なうえにサイズが大きく、いやがうえにもよく目立つ。メルセデス・ベンツなど押し出しが強いデザインを好む谷口のタイプであることはよくわかるが、GS Fへの関心はもう少し細かなこだわりに端を発しているものらしい。「今日は都合があってレクサスRC Fに乗ってここまで来たんですが、ほら、RC Fはグリルが厚い(天地に深い)でしょ? それに比べるとGS Fのほうが薄いデザインでかっこいいんですよ」

谷口が気に入ったのはグリルのデザインだけではなかったようだ。「RC Fの2ドアクーペに対してGS Fは4ドアセダン。自分で使うなら、やっぱり4ドアのほうがなにかと使い勝手はいいと思いますよ」

 
レクサスGS F(前編)の画像 拡大
 
レクサスGS F(前編)の画像 拡大
 
レクサスGS F(前編)の画像 拡大
レクサスGS F
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4915×1855×1440mm/ホイールベース:2850mm/車重:1830kg/駆動方式:FR/エンジン:5リッターV8 DOHC 32バルブ/トランスミッション:8段AT/最高出力:477ps(351kW)/7100rpm/最大トルク:54.0kgm(530Nm)/4800-5600rpm/タイヤ:(前)255/35ZR19 (後)275/35ZR19/車両本体価格:1100万円
レクサスGS F
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4915×1855×1440mm/ホイールベース:2850mm/車重:1830kg/駆動方式:FR/エンジン:5リッターV8 DOHC 32バルブ/トランスミッション:8段AT/最高出力:477ps(351kW)/7100rpm/最大トルク:54.0kgm(530Nm)/4800-5600rpm/タイヤ:(前)255/35ZR19 (後)275/35ZR19/車両本体価格:1100万円 拡大