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第381回:豪快なアメリカンスポーツが富士を爆走!
「CHEVROLET Corvette Driving Academy 2016」取材リポート

2016.11.28 エディターから一言
富士スピードウェイの本コースを行く「シボレー・コルベット」。GMジャパンがドライビングセミナーを主催するのは、これが初となる。
富士スピードウェイの本コースを行く「シボレー・コルベット」。GMジャパンがドライビングセミナーを主催するのは、これが初となる。拡大

ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)が、豪快なアメリカンスポーツ「シボレー・コルベット」のオーナーを対象にした「CHEVROLET Corvette Driving Academy 2016」を富士スピードウェイで開催! イベントの様子をリポートする。

インストラクターがドライビングする、レーシーないでたちの「コルベット」。
インストラクターがドライビングする、レーシーないでたちの「コルベット」。拡大
イベントに先立って行われた開会式の様子。今回のイベントには22台の「コルベット」が参加した。
イベントに先立って行われた開会式の様子。今回のイベントには22台の「コルベット」が参加した。拡大
今回のイベントでは、新グレードの「グランスポーツ」もお披露目された。GMジャパンが「コルベット史上、最も純粋なスポーツモデル」とうたう高性能モデルである。
今回のイベントでは、新グレードの「グランスポーツ」もお披露目された。GMジャパンが「コルベット史上、最も純粋なスポーツモデル」とうたう高性能モデルである。拡大
本コースでの走行前、ドライバーに声をかけるインストラクター。
本コースでの走行前、ドライバーに声をかけるインストラクター。拡大

実は今回が初開催!

いきなりどうでもいい話で恐縮だが、個人的にコルベットに一番しっくりくる色は、イエローだと思っている。読者諸兄姉におかれてはわざわざ説明する必要もないことだろうが、イエローが「コルベットレーシング」のワークスカラーだからだ。

私が自動車メディアで碌(ろく)を食(は)み始めたころ、コルベットは「C6」世代に移行したばかりだったが、それ以前の「C5」のころから、このクルマは国内外(この場合、国内とはアメリカ国内のこと)のモータースポーツで猛威を振るっていた。大排気量V8ならではのバンカラなサウンドをとどろかせ、欧州の名だたるスポーツカーを従えて走る黄色いマシンに、ギョーカイの下っ端だったころの私は(今でも下っ端だが)シビれたものである。素人なだけに、「なんだよ。世界イチ速いスポーツカーって、ポルシェやフェラーリじゃなかったのか」と素直に感動してしまったのだ。

もっとも、そんな昔話を引っ張り出さんでも、またモータースポーツの威光に頼らずとも、コルベットが第一級のスポーツカーであることは論をまたない。アメリカなんて一地域の枠なんぞとうの昔に越えている。コルベットは世界的なハイパフォーマンス・スポーツカーなのだ。

……冒頭から、大上段に暑っ苦しい論を振りかざして大変申し訳ない。何が言いたいかというと、ワタクシはシボレー・コルベットが大好きで、そしてこのクルマに、とてもサーキットに親和するイメージを持っているということだ。正直、GMジャパンから「コルベットオーナー向けのドライビングセミナーを初開催します!」と案内が来た時、「え、今回が初めてなの?」と思ったほどで、今までにそうしたイベントがなかったことの方が、むしろ意外だった。

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サーキット初心者もこれなら安心

GMジャパンにとって初開催となる、コルベットオーナー向けのサーキットイベント「CHEVROLET Corvette Driving Academy 2016」は、富士スピードウェイで開催された。その内容は、ジムカーナコースを使ったローンチスタートやスラローム走行の練習、ショートサーキットでのピットイン、ピットアウトの練習、そして本コースでのハイスピードパレードと盛りだくさん。「追い越しOK」の本気のスポーツ走行こそなかったものの、今回は「サーキット走行は今回が初めて」という人も多かったようで、そうした参加者にとっては十分に満足できる内容だっただろう。

イベントの冒頭で行われたドライバーズミーティングについても同様の印象を受けた。うまく走る方法以前に、まずはサーキット走行に臨む上での心構えや、施設を使う上での基本的なルール、マナーをていねいに解説。次いでコースアウトした際の対処方法など、緊急時の行動の仕方がきちんと説明された。偉そうな言い方で誠に恐縮だが、サーキット未体験の方の不安を取り除く上で、とてもツボを押さえた内容だと感心してしまった。ちなみに、セミナーの内容は本国アメリカで開催されているコルベット・ドライビングアカデミーのそれに準拠したものだそうで、それも「初開催のわりに細かいところがシッカリしているな」と感じた理由かもしれない。

ドライバーズミーティングが終わり、いよいよ実践レッスンがスタート。そして「メディアの方の車両はこちらになります」と案内されたクルマを私は思わず二度見した。スーパーチャージャー付きの、最高出力659psの高性能モデル「Z06」である。これまでにも他ブランドのドライビングセミナーを体験取材したことはあったが、ここまでの高性能モデルでの参加は初めてである。「え、マジですか?」と思いつつ周囲を見渡してまた驚いた。一般参加者の車両にも、けっこうな数のZ06が交じっていたのだ。現行の「C7」に交じり、先代の「C6」もちらほら見えるが、それもまたZ06や「ZR1」といった“役付き”のグレードばかり。お値段1000万円級のピッカピカのスーパースポーツで、インポーター主催の走行会に参加する。アメリカ車のオーナー像も様変わりしたものである。

富士スピードウェイのショートサーキットを走る、参加者の「シボレー・コルベット」。
富士スピードウェイのショートサーキットを走る、参加者の「シボレー・コルベット」。拡大
ドライバーズミーティングにて、参加者にあいさつする講師陣。マイクを握るのは、日本人唯一のNASCARドライバーである古賀琢麻選手だ。
ドライバーズミーティングにて、参加者にあいさつする講師陣。マイクを握るのは、日本人唯一のNASCARドライバーである古賀琢麻選手だ。拡大
メディア用に用意されていた、最高出力659psの高性能モデル「Z06」。余談だが、やっぱり「コルベット」には黄色が似合うと思う。
メディア用に用意されていた、最高出力659psの高性能モデル「Z06」。余談だが、やっぱり「コルベット」には黄色が似合うと思う。拡大
ショートサーキットのピットビルに用意されていたドライビングシミュレーター。VR技術を取り入れたもので、ドライバーの操作に応じて座席が動く本格的なものだった。
ショートサーキットのピットビルに用意されていたドライビングシミュレーター。VR技術を取り入れたもので、ドライバーの操作に応じて座席が動く本格的なものだった。拡大

圧巻の動力性能……の一端を体感

富士のショートサーキットで迎えた、人生初のZ06でのサーキット走行。その印象は「コース狭っ!」というものだった。一般参加者がスローペースでのカルガモ走行でコースイン/コースアウトの仕方を学ぶのに対し、取材陣はその合間に「自由に走っていいですよ」と言われていたのだが、いやはや1kmに満たない全長の中に7つものコーナーが存在するタイトコースである。ワタクシがごときビビリでは、659psは到底踏めないし、またその踏めない速度域においては、Z06には何も起こらない。鬼気迫る形相のドライバーに対し、クルマの方はアスファルトにベターっと張り付いたまま、鼻歌交じり(?)でコーナーをクリアしていくだけだ。

また富士のショートサーキットは“最大下り5%、最大上り8%”というアップダウンの激しさも特徴なのだが、キツい上りを前にしてもZ06は涼しい顔。どんなクルマでも、ヘアピンばりの第3コーナーからの上りでたいてい息継ぎするというのに、まるで平地みたいに加速する。グイグイとかグワっとか、どんな擬態語も生ぬるい。いまさらながら、すごいクルマだなオマエ。

この感想は、ジムカーナ場での講習でも変わらない。ローンチスタート→フルブレーキングの練習では、スロットルオン直後にわずかに後輪を振り出しただけで、あとはハンドルの向いた方向にまっすぐ猛進。その後の強烈な制動に「さすがコルベット!」と思っていたら、講師に「まだまだ行けます。もっとブレーキ踏んでください」と言われる始末である。とどめがパイロンスラロームで、ややタイトに据えられたパイロンと、踏んだら飛び出すZ06の加速に私のペダルワークは(もっと言うと運動神経は)完全敗北。「パイロンをスロットルオフで通過してオンでクリア」という、お約束のリズムを作るまでにいたらなかった。

最後に催された本コースでの走行については参加できなかったものの、かつてはF1も開催された世界屈指のハイスピードコースを、公道では絶対試せない上限200km/hという速度で突っ走ったわけである。参加者は存分に非日常を楽しめたことだろう。

ショートサーキットにて、最終コーナーにアプローチする「Z06」。
ショートサーキットにて、最終コーナーにアプローチする「Z06」。拡大
ジムカーナ場ではフル加速からのフルブレーキングと、スラローム走行を練習。場所の都合か、他のセミナーではよく行われていた定常円旋回は実施されなかった。
ジムカーナ場ではフル加速からのフルブレーキングと、スラローム走行を練習。場所の都合か、他のセミナーではよく行われていた定常円旋回は実施されなかった。拡大
本コースでは、200km/hを上限とした、先導車に追従してのハイスピードパレード走行が行われた。
本コースでは、200km/hを上限とした、先導車に追従してのハイスピードパレード走行が行われた。拡大
余談だが、盛りだくさんのイベント内容に加え、昼食が非常においしかったことも書き添えておく。
余談だが、盛りだくさんのイベント内容に加え、昼食が非常においしかったことも書き添えておく。拡大

ぜひ今後も続けてほしい

今回のセミナーに参加したコルベットの台数は22台。シボレーはまだ日本ではマイナーなブランドだし、ディーラーやいわゆる“街の輸入車屋さん”が独自に走行会を催している中で、「最初のイベントにしてはけっこう集まったな」というのが正直な感想だった。しかしGMジャパンはそうは思ってはいないようで、広報部のAさんは「30台はいきたかった」と息まく。また、開会、閉会の両方であいさつに立った若松 格社長も、開催の継続には前向きな様子だった。

もちろん、そのためには課題もあるだろう。正直、コルベットでパイロンスラロームやフル加速&フル制動を練習するには、富士のジムカーナ場は(富士のジムカーナ場でさえ)狭かった! また本コースでの走行を味わった参加者の中には、「もっと本格的なスポーツドライビングに挑戦したい」と思った人もいるはずだ。なにせ相手は、泣く子も黙るコルベットである。200km/hでのスポーツ走行ですら、その実力の片りんに触れる程度。「あれ、俺のクルマ、まだ余裕なんじゃね?」と気づいてしまったオーナーが、少しでもクルマに見合う走行体験を味わいたいと思うのは、自然なことだろう。

コルベットはスケールのデカいクルマであるし、それを味わい尽くすイベントを運営するのは大変なことだろう。しかし、GMの日本におけるブランドイメージを高める上で、それは絶対にプラスにつながるはず。GMジャパンにはぜひこのドライビングアカデミーを継続し、より発展させていってほしいと思う。

(文=webCG ほった/写真=高橋信宏、ゼネラルモーターズ・ジャパン)
 

パドックに並べられた参加者の「シボレー・コルベット」。全部足し算したら、どれくらいの排気量になるのやら……。
パドックに並べられた参加者の「シボレー・コルベット」。全部足し算したら、どれくらいの排気量になるのやら……。拡大
閉会式では、各参加者に若松 格GMジャパン代表取締役社長から写真入りの終了証が手渡された。
閉会式では、各参加者に若松 格GMジャパン代表取締役社長から写真入りの終了証が手渡された。拡大
セミナーの参加者とイベントスタッフによる記念撮影。GMジャパンには、来年以降もぜひこのイベントを開催してほしい。
セミナーの参加者とイベントスタッフによる記念撮影。GMジャパンには、来年以降もぜひこのイベントを開催してほしい。拡大
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