レクサスLC500h(FR/CVT)
「500」の車名が意味するところ 2017.06.08 試乗記 「レクサスLC」の真価が、まずはこの流麗なスタイリングにあることは誰もが認めるだろう。しかし、3.5リッターV6ハイブリッドの「LC500h」と、5リッターV8ガソリンの「LC500」のどちらが主役なのか、という議論については意見が割れそうだ。LC500hに試乗して「500」の車名が意味するところを考えた。こんな日本車を待っていた
生産台数やメーカー数を基準に考えれば、日本は間違いなく世界屈指の自動車大国。けれども、そんな星の数ほど存在する日本車に、“楽しめるクルマ”がどれほど存在するかと振り返ると、そこでは急に心もとないことになってしまうのも、また現実だ。
そもそも、戦後復興に際しての道具にフォーカスし、その品質と価格面で世界から一目を置かれる存在になれたからこそ、前述の“大国”というタイトルを獲得するに至ったというのが日本車の歴史。
となれば、あくまでも道具としての品質に優れたモデルを、大量に手がけることでコストを抑えるというやり方で成長と発展を遂げてきたこの国発のクルマが、ある面それとは対極に位置する“趣味のモデル”を苦手とするのは半ば当然でもありそうだと、思わず納得がいきそうにもなる。
とはいえ、自動車が日本の一般家庭に深く根を下ろすようになってからすでに半世紀以上。かくも長い歴史にもかかわらず現実には、海外に出掛けた折に立ち寄る自動車博物館などで、「価値アリ」と認められて所蔵された日本車に出会うことができる機会など、メッタにないというのはやはり何とも寂しい限り。
そんなことを感じながら日々自動車生活(?)を送っていたら、どうやら久々に溜飲(りゅういん)を下げられそうなモデルに出会うことができた。それこそが、今回のここでの主役であるLCというレクサス発のブランニューモデルなのだ。