第69回:跳ね馬を2000台直したメカ
2017.11.28 カーマニア人間国宝への道31歳、再生の時
激軽ステアリング問題は、金髪リーゼントの酒井君の活躍によりおおむね解決。いよいよ最後の仕上げとして、赤い玉号はアリアガレージ工場に入庫したのであった。
実は到着直後、工場長の平澤雅信氏(跳ね馬を2000台直したメカ)に、「左上のブレーキランプが切れてますよ」と指摘された。
オレ「あれ? 右上じゃなくですか?」
平澤「左上ですね」
右上が切れてタマ替えてもらったばっかりなのに、今度は左上か~。ランプ切れのまま走ると整備不良で違反になるが、ブレーキランプが上下に分かれている時は、上下どっちかついてりゃ大丈夫なのかな?
わからないが、とにかく赤い玉号は30歳。いや間違えた31歳。人間の年齢だと93歳くらい。そりゃタマも切れるし赤いのも出る!
ということで、車高アップとアライメント調整プラス、タマ交換を敢行してもらうべく、赤い玉号は横浜・都筑の地にしばし滞在するのであった。
バルブ交換とリフトアップに着手
約1週間後、整備完了。ここからは『フェラーリ・メカニカル・バイブル』の著者である平澤雅信氏自らのリポートでお送りします。
まずは、ブレーキランプの左上が点灯しない修理から。
バルブを交換しても点灯しない。
ソケットを分解してみると、接点が熱により変形し、バルブと接触していなかった。
これを部品交換で直そうとすると、テールランプ丸ごとになってしまう。さすがにそれは申し訳なく、接触していない部分にハンダを盛り、接点を成形し直して対処した。
同時にナンバー灯の配線も修理、リアの各ライトに使われる他のバルブも交換した。
さすが31歳。タマだけの問題ではなかったんですね! そりゃ人間の年齢なら93歳ですから、接点や回路が切れても不思議はないでしょう。ありがとうございます。
アライメント調整の下準備で、車高を調整した。
同時に、ノーマルと同等に車高も上げてほしいというリクエストだったが、現在スプリングはノーマルでなく、上げる量に限界があったので、その範囲で調整し、同時に前後のロールバランスも、軽いブレーキ~パーシャル辺りで前後のロール量が体感的に同じになるという、私の好みに勝手ながら変更してしまった。
今後は、サスペンションをノーマルに戻すのが課題である。
ノーマル車高までは戻せなかったとのことですが、十分ノーブルな感じになりました! プリロードアップで乗り心地が固くなる件については走ってみて確認するであります!
アライメントで新事実が発覚
弊社のアライメントリフトは現在故障のため、アライメント調整は、近所の内田カーワールドさんにお願いした。
ケンとメリーの隣にて測定開始。
右前がポジキャン、フロントトーはインに15mm以上ついている。
キャスターは大体この辺りだろうと、あらかじめシムを入れ替えてから測定した。
当初は恐らくここから1度位少なかったと思われる。
車高を上げてからアライメントを測定したので、それで変わった部分もあると思いますが、傾向としては、
キャスター角/浅め(ハンドル軽方向)
キャンバー角/トータルでポジティブ(ハンドル軽方向)
フロントトー/過大なトーイン(ハンドル軽方向)
このように、アライメントもハンドルカルカル方向に狂っていたであります。そりゃ31年もたてばアライメントだってパイプだって配線だって多少はズレるでしょう! フェラーリ様の罪ではありません。
しかし、ここまでいろんな要素がハンドルカルカル方向だったという事実を見ると、やっぱどっかの時点で誰かが「なんでもいーからハンドル軽くしてくれや!」と依頼したのではないか……という気もしてくるが、わからないことを考えてもしょーがないのでオッケーであります!!
で、最終的に赤い玉号の走りは、どのようになったのか!? 待て次回!
(文と写真=清水草一/編集=大沢 遼)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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