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レクサスRX450hL(4WD/CVT)/NX300“Fスポーツ”(4WD/6AT)/CT200h“バージョンL”(FF/ CVT)

ライバルに目を向けよ 2018.02.20 試乗記 電動格納式サードシートを採用した、7人乗りのロングバージョン「RX450hL」が登場。レクサスブランドを支えるSUVモデル、そのアドバンテージとは? 昨年登場した「NX」「CT200h」のマイナーチェンジモデルとともにリポートする。

流行(?)の3列シートSUV

輸入車の上級SUVには以前から設定されていた7人乗りモデルだが、このところにわかに注目を集めているのは日本メーカーも立て続けに3列シートの7人乗りSUVを投入しているせいだろう。

7人乗りは当然ボディーサイズが大きくなるが、もともと日本勢が得意としていたのはコンパクトクラス。「レクサスRX」や「マツダCX-5」は日本では十分ラージクラスでも米国では「コンパクトSUV」だが、世界的なSUV人気に乗って、さらに上のセグメントにもラインナップを広げ始めたといえるだろう。レクサスRX450hLも昨年末のRXシリーズのマイナーチェンジを機に追加された3列シート仕様である。

主力の米国市場とは対照的に、国内市場では依然としてレクサスブランドの苦戦が続いている。2017年の国内販売台数はざっと4万5000台(ディーゼルゲート事件の影響から立ち直っていないフォルクスワーゲンの4万9000台にも及ばない)にとどまるが、その中で健闘しているのは「NX」やRXなどのSUVモデルで、日本ではSUVがレクサスを支えていると言ってもいい。

3列シート7人乗りのRX450hLは、従来の5人乗りRXのホイールベース(2790mm)はそのままに、ボディー後部を110mm延ばして全長5000mmに大きくしたモデルで、日本向けはハイブリッドのAWDモデルのみの設定だ。3列目シートは左右分割タイプの電動格納式で車両価格は769万円とラインナップ中のトップモデルである。

2017年12月に新設定された「RX450hL」。時を同じくして、「RX200t」は「RX300」に名称が変わり、「RX」シリーズは「RX450hL」「RX450h」「RX300」の3モデル展開となった。
2017年12月に新設定された「RX450hL」。時を同じくして、「RX200t」は「RX300」に名称が変わり、「RX」シリーズは「RX450hL」「RX450h」「RX300」の3モデル展開となった。拡大
最高出力262ps/最大トルク335Nmを発生する3.5リッターV6エンジンに電気モーターを組み合わせる、「RX450hL」のパワーユニット。JC08モード燃費は、17.8km/リッター。
最高出力262ps/最大トルク335Nmを発生する3.5リッターV6エンジンに電気モーターを組み合わせる、「RX450hL」のパワーユニット。JC08モード燃費は、17.8km/リッター。拡大
インテリアカラーは写真のアイボリーのほか、リッチクリームやブラックなど全5色。また“Fスポーツ”には専用色としてダークローズなど全3色が用意される。
インテリアカラーは写真のアイボリーのほか、リッチクリームやブラックなど全5色。また“Fスポーツ”には専用色としてダークローズなど全3色が用意される。拡大
ボディーサイズは全長5000×全幅1895×全高1725mm。「RX450h」より全長を110mm、全高を15mm拡大し、電動格納式の3列目シートを採用、7人乗り仕様とした。

 
ボディーサイズは全長5000×全幅1895×全高1725mm。「RX450h」より全長を110mm、全高を15mm拡大し、電動格納式の3列目シートを採用、7人乗り仕様とした。
	
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本当に使えるかどうかが問題

RX450hLの位置づけを考える場合、同じく3列シートSUVの「マツダCX-8」と比べると分かりやすい。RX450hLは前述のように5人乗りのRX450hとホイールベースの長さは同じ、いっぽうマツダCX-8は一回り大きな海外向け「CX-9」とホイールベースが同じで(2930mm)、全長は4900mmとRXの5人乗りとほぼ同じである。つまり、CX-8は海外向けCX-9のショート&ナロー版であり、最初から3列目シートの居住性を考慮して開発した車である。その点、全長(リア部)のみ延長して3列目シートを増設したRX450hLとは異なって当然ともいえる。

実際、RX450hLの3列目シートは頭が天井につかえるだけでなく、脚が入る隙間もないというのが正直なところだ。基本構造は変わっていないからフロアを低くすることもできず、お尻がちょこんとシートの上に載るだけのいわゆる体育座りを強いられる。窮屈ながらも170cmまでの人なら何とか座れるスペースと形状を確保してあるCX-8に対して、レクサスの方は子供用のエマージェンシーシートと言い訳するのもいささか苦しいぐらいだ。

3列目の使い勝手というか、ちゃんと使えるかどうかランキングでは、RX450hLはマツダCX-8はもちろん、全長4.7m級の「プジョー5008」にも及ばないのが実情だ。大きく存在感あるボディースタイルとは裏腹に、ラゲッジスペースが広いということ以上の価値は見いだせない。まあ本当に短距離だけ、2列目シートをぎりぎり前にスライドさせて3列目パッセンジャーの脚が入る隙間を広げ、ぎゅうぎゅうで移動するのを覚悟するなら、何とか役には立つだろう。

だが、レクサスにそれを求める人がどれほどいるのか、私には疑問である。万一を考えて、あるいはゴルフバッグが楽に積めることを重視して、どうせならロングボディーの最上級モデルでいいじゃないか、と考える人もいるだろうが、慌てて注文するのではなく、自分の目で3列目シートの価値があるかどうかを確かめることを強くお勧めする。

新型「RX」シリーズでは、盗難防止に役立つセルフパワーサイレンを標準で装備し、セキュリティー機能を強化させている。
新型「RX」シリーズでは、盗難防止に役立つセルフパワーサイレンを標準で装備し、セキュリティー機能を強化させている。拡大
「RX450hL」の3列目シートに身長175cmの筆者が座った様子。ワンタッチで前に倒れるセカンドシートを採用し、乗降性の改善に配慮しているが、スペースにあまり余裕がないので、緊急用の域を出ない。
「RX450hL」の3列目シートに身長175cmの筆者が座った様子。ワンタッチで前に倒れるセカンドシートを採用し、乗降性の改善に配慮しているが、スペースにあまり余裕がないので、緊急用の域を出ない。拡大
荷室容量は7人乗車時で211リッター、最大で1656リッターまで拡大する。またトノカバーはデッキ床下に収納することができる。(写真をクリックすると、シートアレンジの様子が確認できます。)
荷室容量は7人乗車時で211リッター、最大で1656リッターまで拡大する。またトノカバーはデッキ床下に収納することができる。(写真をクリックすると、シートアレンジの様子が確認できます。)拡大
サードシートは電動格納式で、スイッチ操作での収納が可能。片側の収納にかかる時間は、約15秒だった。
サードシートは電動格納式で、スイッチ操作での収納が可能。片側の収納にかかる時間は、約15秒だった。拡大

バランスが取れているのはNX

システム最高出力313psを生み出す3.5リッターV6エンジン+前後モーターというハイブリッドパワートレインはこれまでと変わらず、いっぽうRX450hLの車重は2240kgと5人乗りRX450hのAWDモデルに比べておよそ100kg車重は増えているが、走行性能そのものにはそれほど影響はないようだ。もともと5人乗り仕様でもハイブリッドAWDは2tを超えるヘビー級なので、軽快感にはいささか欠ける。また乗り心地も滑らかだがしなやかとはいえず、荒れた路面ではゴツゴツと突っ張った感じが残る。

レクサス全般に言えることだが、路面の平滑さによって印象が大きく異なるのが弱点で、ビリビリとした振動は伝わらないものの、より振幅の大きなブルン、バタンという震えは抑えきれていない。

その点、2リッター直噴ターボエンジン(238ps/350Nm)を積む「NX300“Fスポーツ”」は全体的にキリッと軽快な印象。ややラフなフィーリングだがしっかりしたレスポンスで扱いやすく精悍(せいかん)なエンジンに加え、乗り心地についても20インチタイヤが標準となるRX450hLに比べ、18インチを履くNX300はフラットでバタつきも感じられず、適切にスポーティーなハンドリングとすっきりとした乗り心地のバランスが好印象だ。

日本で乗るならNX、あるいはもう少し小さいサイズでもいいのではないかと思う。ちなみに昨年9月にマイナーチェンジを受けたNXのターボエンジンモデルは「NX200t」という名称から「NX300」へ変更されている。

 
レクサスRX450hL/NX300“Fスポーツ”/CT200h“バージョンL”【試乗記】の画像拡大
「NX300」の3眼式のLEDヘッドランプ。超小型LEDランプユニットを採用、シャープでスポーティーな表情を目指した。
「NX300」の3眼式のLEDヘッドランプ。超小型LEDランプユニットを採用、シャープでスポーティーな表情を目指した。拡大
「NX」のインパネ中央には10.3インチに拡大したナビディスプレイが収まる。
「NX」のインパネ中央には10.3インチに拡大したナビディスプレイが収まる。拡大
「NX300“Fスポーツ”」のインテリア。写真のカラーは“Fスポーツ"専用色として新たに採用されたホワイト。
「NX300“Fスポーツ”」のインテリア。写真のカラーは“Fスポーツ"専用色として新たに採用されたホワイト。拡大
「NX」にはブロンズカラード切削光輝仕上げの18インチアルミホイールが新たに設定されている。
「NX」にはブロンズカラード切削光輝仕上げの18インチアルミホイールが新たに設定されている。拡大

スピード感が欲しい

最もコンパクトなレクサスであるCT200hは2011年発売だからもう7年、そろそろモデルチェンジしてもいいころだが、昨年夏にマイナーチェンジしたことから考えるとあと2年ぐらいはこのままかもしれない。

マイナーチェンジでは10.3インチに拡大されたナビディスプレイとようやく標準設定された予防安全パッケージ「レクサス・セーフティシステム+」を除けば、新意匠のグリルや新しいボディーカラーの採用など、いわゆるコスメティックスが中心で、依然として先代「プリウス」の基本コンポーネントを利用しているのも先進性がウリのレクサスとしては説得力にいささか欠けるのがつらいところだ。“バージョンL”は477万円だが、その値段を納得させるには何か飛び抜けた特長が欲しいと思う。

今年中にもコンパクトSUVのニューモデル(「UX」とうわさされている)が登場するといわれているが、やはりレクサスはちょっと動きが遅い。ライバルを出し抜くのではなく、手堅く状況を十分に見極めて動くのはトヨタの長所かもしれないが、後出しする場合は先行のライバルたちよりも優れたところがないと意味がない。同じレベルではただ遅れているだけに見えてしまうのである。

(文=高平高輝/写真=尾形和美/編集=大久保史子)

2017年8月にマイナーチェンジを受けた「レクサスCT200h」。内外装のデザインが見直されたほか、予防安全パッケージ「レクサス・セーフティシステム+」を標準で設定するなど安全運転支援の強化も図られている。
2017年8月にマイナーチェンジを受けた「レクサスCT200h」。内外装のデザインが見直されたほか、予防安全パッケージ「レクサス・セーフティシステム+」を標準で設定するなど安全運転支援の強化も図られている。拡大
「CT200h“バージョンL”」のインテリア。インパネ中央部には、10.3インチに拡大させたディスプレイを設置し、視認性の向上を図っている。
「CT200h“バージョンL”」のインテリア。インパネ中央部には、10.3インチに拡大させたディスプレイを設置し、視認性の向上を図っている。拡大
インテリアには2トーンカラーも新たに設定された。試乗車のインテリアカラーは、サンフレアブラウン/ノーブルブラウン。
インテリアには2トーンカラーも新たに設定された。試乗車のインテリアカラーは、サンフレアブラウン/ノーブルブラウン。拡大
「CT200h」のボディーカラーは、“Fスポーツ”専用色として設定された2色を含め、全13色。今回の試乗車のボディーカラーはソニックチタニウム。
「CT200h」のボディーカラーは、“Fスポーツ”専用色として設定された2色を含め、全13色。今回の試乗車のボディーカラーはソニックチタニウム。拡大
レクサスRX450hL
レクサスRX450hL拡大

テスト車のデータ

レクサスRX450hL

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5000×1895×1725mm
ホイールベース:2790mm
車重:2240kg
駆動方式:4WD
エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:262ps(193kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:335Nm(34.2kgm)/4600rpm
モーター最高出力:(前)167ps(123kW)/(後)68ps(50kW)
モーター最大トルク:(前)335Nm(34.2kgm)/(後)139Nm(14.2kgm)
システム最高出力:313ps(230kW)
タイヤ:(前)235/55R20 102V/(後)235/55R20 102V(ブリヂストン・デューラーH/L 33A)
燃費:17.8km/リッター(ハイブリッド燃料消費率/JC08モード)
価格:769万円/テスト車=836万3920円
オプション装備:アダプティブハイビームシステム[AHS]<ポップアップ式ヘッドランプクリーナー付き>(4万8600円)/235/55R20 102Vタイヤ&20×8Jノイズリダクションアルミホイール(3万2400円)/ムーンルーフ<チルト&スライド式>(10万8000円)/“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステム(22万5720円)/リヤシートエンターテインメントシステム(25万9200円)

テスト車の年式:2017年型
テスト開始時の走行距離:1700km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--/リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター

レクサスNX300“Fスポーツ”
レクサスNX300“Fスポーツ”拡大

レクサスNX300“Fスポーツ”

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4640×1845×1645mm
ホイールベース:2660mm
車重:1800kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:6段AT
最高出力:238ps(175kW)/4800-5600rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1650-4000rpm
タイヤ:(前)225/60R18 100H/(後)225/60R18 100H(ブリヂストン・デューラーH/L 33)
燃費:13.0km/リッター(JC08モード)
価格:532万円/テスト車=628万9760円
オプション装備:オーナメントパネル 本アルミ<名栗調仕上げ/シルバー>(9万3960円)/カラーヘッドアップディスプレイ(8万6400円)/3眼フルLEDヘッドランプ<ロービーム>+アダプティブハイビームシステム[AHS]+ヘッドランプクリーナー(12万4200円)/後席6:4分割可倒式シート<電動リクライニング&電動格納機能付き>(5万4000円)/アクセサリーコンセント<AC100V・100W/センターコンソール後部>(8640円)/パーキングサポートブレーキ<静止物>+パノラミックビューモニター(8万2000円)/ブラインドスポットモニター+リアクロストラフィックアラート(6万4800円)/おくだけ充電(2万3760円)/ムーンルーフ<チルト&アウタースライド式>(10万8000円)/ルーフレール(3万2400円)/“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステム(25万4880円)/寒冷地仕様<LEDリアフォグランプ+ウインドシールドデアイサー等>+ヘッドランプクリーナー(3万6720円)

テスト車の年式:2017年型
テスト開始時の走行距離:6500km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター

レクサスCT200h“バージョンL”
レクサスCT200h“バージョンL”拡大

レクサスCT200h“バージョンL”

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4355×1765×1460mm
ホイールベース:2600mm
車重:1440kg
駆動方式:FF
エンジン:1.8リッター直4 DOHC 16バルブ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:CVT
最高出力:99ps(73kW)/5200rpm
最大トルク:142Nm(14.5kgm)/4000rpm
モーター最高出力:82ps(60kW)
モーター最大トルク:207Nm(21.1kgm)
タイヤ:(前)245/45R17 87W/(後)245/R17 87W(ヨコハマdB E70)
燃費:26.6km/リッター(ハイブリッド燃料消費率/JC08モード)
価格:477万円/テスト車=510万1560円
オプション装備:ステアリングヒーター(1万0800円)/アクセサリーコンセント<AC100V・1500W/センターコンソール後部・ラゲージルーム内>(6万4800円)/“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステム(22万1400円)/寒冷地仕様<LEDリアフォグランプ+ウインドシールドデアイサー等>+ポップアップ式ヘッドランプクリーナー(3万4560円)

テスト車の年式:2017年型
テスト開始時の走行距離:4100km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター


 

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